2020.08.05

太陽光発電量は日照時間と日射量に注目!計算方法も紹介

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こんにちは!太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。

 

太陽光発電量は、その土地の日照時間や日射量によって左右されます。

今回は、太陽光発電量を左右する「日照時間」と「日射量」の違いや発電量との関係、太陽光発電の天敵である積雪が発電量に与える影響などについてご紹介していきます。

青空と太陽

 

太陽光発電量を左右する「日照時間」と「日射量」

太陽光発電の発電量は、その土地の気候に影響を受けます。

多くの方は日照時間を参考にすると思いますが、日射量にも注目すべきだということをご存知でしょうか?

 

「日照時間」と「日射量」の違いとは?

似た言葉のように思える「日照」と「日射」ですが、実はその意味は大きく異なります。

 

「日照時間」とは、太陽が地上を照らした時間のこと。

雲や雪、周囲の建物などに遮られずに太陽の光が地面に当たっていた時間を指します。

 

一方で「日射量」は、太陽から降り注ぐ放射エネルギーのこと。

太陽光の強さだと言えます。

 

太陽電池の出力は光の強さに比例するため、予想発電量の算出などには日射量も参考にするとより正確なシミュレーションをしやすいんです。

 

太陽光発電量と日照時間との関係

日照時間が長ければ長いほど効率よく発電できる時間が増え、発電量は多くなります。

曇りや雨の日でも発電は可能ですが、発電効率は下がってしまいます。

例えば、快晴の日の発電量を100%とした場合、曇りの日は快晴の日の30%程度、雨の日では10%程度まで発電量が下がるのです。

 

その年の天候によっては日照時間が例年に比べ少なく、シュミレーションを下回る太陽光発電所も出てきます。

実際、弊社でも2015年の11〜12月は日照時間が少なく、お問い合わせも多くいただきました。

例として、弊社アースコムがある埼玉県越谷市をポイントとして気象庁の気象データ検索をしてみましょう。

 

気象庁の日照時間を年ごとに比較してみますと次の通りです。

2011年 2065.6(h)
2012年 2123.3(h)
2013年 2225.4(h)
2014年 2174.8(h)
2015年 1994.7(h)

 

2011〜2015年の5年間の平均は2116.76(h)となりますが、2015年は平均をかなり下回っています。

月ごとで見ると、11月の日照時間が少なかったことが要因でした。

 

このようにその年の天候によって日照時間には大きな差が出ることもあり、シュミレーション通りにはいかないことも多いのです。

 

太陽光発電と日射量との関係

日照時間とは異なり、日射量は主に発電量や売電収入額などをシミュレーションする時に使用される数値です。

日射量はNEDOや気象庁のポイントデータなどで参照することができます。

 

設置環境の地点ごとの検索については、NEDOの年間時間別日射量データベース(METPV-11)や国内837地点・20年間(1990~2009年)の日射量データベースが参考になります。

各時間の方位角別、傾斜角別の日射量が算出でき、方位角別、傾斜角別の発電量の推定にご活用いただけます。

 

日射量を使った年間発電量の計算方法は下記の通り。

年間発電量 = 年間日射量 × 0.85(システム出力係数)

 

システム出力係数とは、外的要因によって損失を受ける一定量の発電量のことです。

各メーカーはソーラーパネルに「200W」のように定格出力の目安を記載しているのですが、これは研究室でのテストの参考値に過ぎません。

実地での稼働には一定の損失が付き物であり、一般的に年間を通した損失(システム出力係数)は0.85となっています。

 

実際の売電金額を聞かれることも多いですが、もちろんシュミレーション自体は明確な絶対値ではありません。

前年の数値と比較し、その数字から問題点を想定し、確認してから回答をさせていただくこともございます。

 

太陽光発電の天敵となる積雪が多いエリアでの日照時間は?

太陽光発電は、積雪地帯や降水量の多い土地では不向きだと一般的に言われています。

では、雪の多い東北などのエリアでの太陽光発電はやめたほうがいいのでしょうか?

 

弊社では東北物件にも力を入れており、多数の物件をご用意しております。

今回は弊社でも取り扱いの多い福島県と、日照時間が多いとされる群馬県を比較して検証してみましょう。

 

福島県というと「東北だし、積雪量も気になる」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

気象庁ホームページから、福島県(福島)の過去の気象データの平年値を調べてみると、以下のようになりました。

福島の日照時間

引用元:気象庁より福島県(福島)の平年値(年・月ごとの値)

 

比較対象例として、弊社でも取り扱い物件の多い群馬県(前橋)を参照してみると下記の通り。

前橋の日照時間

引用元:気象庁より群馬県(前橋)の平年値(年・月ごとの値)

これらを比較してみると、福島県(福島)より群馬県(前橋)の方が日照時間が長いことがわかります。

 

では、日照のよいとされる福島県・小名浜(いわき市)を見てみると…?

小名浜の日照時間

引用元:気象庁より福島県(小名浜)の平年値(年・月ごとの値)

 

群馬県(前橋)には及ばないものの、先ほどの福島県(福島)のデータより日照時間が長いです。

同じ福島県内でも地域差があることがわかりますね。

福島県はやはり雪による影響も少なからずありますが、その中でも都市を選べばいい結果が期待できそうです。

 

積雪地帯で太陽光発電をするメリットのひとつが、熱で太陽光パネルの発電効率が落ちにくいこと。

実は、太陽光パネルは熱に強くありません。

沖縄などの温暖な地域では、日射量は確保しやすいですが、気温の上昇とともにパネル内部の温度も上がり、発電効率が落ちてしまう可能性もあります。

 

雪国では、日照時間の短さから冬の間の発電量が落ち込むというデメリットはあるものの、夏場も安定して発電できるのは嬉しいポイント。

1年を通した発電量を見ると、むしろ雪国での太陽光発電が有利になる場合もあります。

 

 

太陽光発電物件は日照時間や日射量で選ぼう!

太陽光発電量は「日照時間」と「日射量」に大きく影響されます。

発電量のシミュレーションは前年の数値などを参考にして行いますが、天候は予想しきれないため、その年の日照時間や日射量によって実際の売電金額は変動します。

 

また、積雪も発電量に影響してきます。

とはいえ、積雪地帯での太陽光発電事業がおすすめできないかと言うとそうではありません。

確かに冬場の発電量は少なくなりますが、温暖な地域と比べると夏場の高温でパネルの熱効率が悪くなることが少ないため、年間を通した発電量で見ると有利になることもあります。

 

弊社は現在、東北物件にも力を入れています。

もちろん、福島物件も取り扱っていますので、気になった方はぜひお問い合わせください。

 

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この記事を書いた人

堀口優人 マーケティング部

広報担当として、太陽光発電所の物件情報、節税や償却などの専門知識を発信。より良いサービスを提供できるよう市場調査にも注力している。

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