2022.08.01
ふくしま産業復興投資促進特区とは?2022年度の最新情報も解説!
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの石井です。
東日本大震災からの復興を推進するために設けられた「ふくしま産業復興投資促進特区」。
指定されたエリアにおいて、雇用機会の確保に貢献する事業を実施する事業者に対し、税制上の特例措置を行うものです。
もともと、2021年3月末以降の申請期限延長は確定していませんでしたが、令和3年度の税制改正によって期限が延長されることになりました。
太陽光発電設備の取得費用の一部を特別償却できるため、設備導入を考えられている方はぜひ知っておきたい制度です。
詳しく見ていきましょう!
目次
「ふくしま産業復興投資特進特区」とは?
「ふくしま産業復興投資促進特区」とは、東日本大震災復興特別区域法(復興特区法)に基づき、福島県と県内各市町村が共同で作成した復興推進計画のこと。
同計画で定める特定復興産業集積区域内において、「雇用機会の確保に貢献する事業(復興推進事業)」を実施する事業者に対し、税制上の特例措置を行うものです。
これまで、令和3(2021)年3月31日以降の申請期限延長は「確定していない」とされてきましたが、令和3年の税制改正により、令和6(2024)年3月31日までの延長が決定しました。
対象となる復興推進事業は以下の10業種です。
- 輸送用機械関連産業
- 電子機械関連産業
- 情報通信関連産業
- 医療関連産業
- エネルギー関連産業
- 食品・飲料関連産業
- 環境・リサイクル関連産業
- 地域資源活用型産業
- 農業関連産業
- 水産関連産業
また、農業関連産業・水産関連産業を除く上記の業種のために建築物を建築し、賃貸する事業(製造業等施設整備事業)も対象となります。
太陽光発電設備事業者は「エネルギー関連産業」に含まれます。
ふくしま産業復興投資促進特区の対象区域
福島県の15市町村(いわき市、相馬市、田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、新地町、飯舘村)の工業団地や工業地域など、産業集積が見込まれる地域が対象区域となっています。
対象区域の住所(地番)は、各市町村へお問い合わせください。
ふくしま産業復興投資促進特区における税制上の特例措置とは?
対象となる区域で「雇用機会の確保」に貢献する事業を行う事業者が、「設備投資」や「被災者雇用」を行った場合、税制の特例措置を受けることができます。
国税
国税の場合、特別償却ができるのは「設備投資にかかる特別償却等(37条)」「開発研究用資産に係る特別償却等(39条)」で、税額控除は「被災雇用者等を雇用した場合の税額控除(38条)」「新規立地促進税制(40条)」です。
太陽光発電設備の場合、利用できるのは「設備投資にかかる特別償却等(37条)」となり、以下のとおり、特別償却または税額控除を選択します。
- 機械・装置:「取得価格の50%の特別償却」または「取得価格の15%の税額控除」
- 建物・構築物:「取得価格の25%の特別償却」または「取得価格の8%の税額控除」
ただし、税額控除は税額の20%を上限とし、4年間は繰り越し可能です。
太陽光発電設備の場合、市町村の指定を受けた事業者が、令和6(2024)年3月31日(2023年度末)までの間に特定復興産業集積区域内において取得等をした設備が対象となりますが、新規設立のみが対象です。
中古の太陽光発電設備は対象外となりますので、ご注意ください。
地方税
特定復興産業集積区域内で、国税の特例の適用を受ける施設等の新設、または増設をした場合、福島県および市町村の条例で定めるところにより、事業税(県)、不動産取得税(県)、固定資産税(県・市町村)の課税免除を受けることができます。
なお、事業税、固定資産税は5年間が適用期間です。
特例を受けるための手続き方法
税制の特例を受けるためには、指定の手続きが必要です。
特定復興産業集積区域内で設備を導入するだけでは特例は受けられませんので、気をつけましょう!
以下が、手続きの流れです。
- 太陽光発電所を設置する市町村へ指定申請を提出する
- 市町村から指定を受け、指定書が交付される
- 事業年度終了後1ヶ月以内に、事業実施報告書を市町村に提出する
- 事業実施報告書をもとに市町村が認定書を交付する
- 税務署で税の申告を行って課税の特例を適用する
指定申請書や宣言書は、福島県のホームページ「復興特区(ふくしま産業復興投資促進特区)関連ページ」からダウンロードできます。
令和3(2022)年度の税制改正内容もチェック!
ふくしま産業復興投資促進特区は、平成24(2012)年4月20日に国から認定されたもので、その後何度かの税制改正などを経て現在に至っています。
最新の税制改正は令和3(2021)年度。
対象区域と適用条件が変更されています。
対象地域は、特に福島県沿岸地域等が重点化され、適用期限は令和3(2021)年3月31日から令和6(2024)年3月31日へ3年間延長されました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響も考慮された内容となっています。
内容としては、税制改正により令和3(2021)年4月1日以後に対象区域から外れる地域で認定を受けた事業者が、新型コロナウイルス感染症の影響で指定の期間内に設備の取得や事業を開始できなかった場合でも、令和6(2024)年3月31日までに事業を開始すれば適用を受けれるというものです。
新型コロナウイルス感染症の影響としては、具体的に以下のようなものが該当します。
- 海外から部材が届かないなど工事が進まない
- 出入国・渡航制限により海外から技術者が入国できない
- 感染症のまん延により従業員が出社できない
- 感染症のまん延により会社の営業ができない
景気の先行きが読めないため、設備投資を控えるといったケースは対象外。
新型コロナウイルス感染症により直接的な影響を受けた場合のみ適用となります。
また、令和3(2021)年3月31日までに事業者の指定を受けていることなど、所定の手続きが済んでいることも条件です。
ふくしま産業復興投資促進特区の税制改正では感染症の影響も配慮
福島県の指定の区域において、雇用の創出に貢献する事業を行う事業者に税制優遇を行う、ふくしま産業復興投資促進特区。
東日本大震災の影響を受け、震災直後から実施されているものですが、令和3年度に税制改正が行われ、令和6年度まで制度が延長されることとなりました。
税制改正では、指定区域の変更も行われ、特に沿岸部に重点的に置かれることに。
昨今の新型コロナウイルス感染症の影響もかんがみ、部品納期の遅れ等で指定期間内に事業開始ができなかった場合、税制改正後に指定区域を外れる場所であっても、条件を満たせば適用対象となることなども明記されています。
令和3年の税制改正前までは、申請期限の延長は未定とされていた税制優遇措置ですので、今後も同様の措置が受けられるかはわかりません。
設備投資をお考えの事業者様は、この機会にぜひご検討ください。
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