2024.01.30
課税事業者・免税事業者とは?それぞれの条件、インボイス制度との関わりなど疑問を解決
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
事業において欠かせないのが「消費税」です。
事業者には、消費税を納めなければならない「課税事業者」と、消費税の納付が免除される「免税事業者」があります。
さらに2023年10月から導入されたインボイス制度により仕組みが大きく変わりました。
これにより、課税事業者と免税事業者の区分がより明確になります。
今回は課税事業者と免税事業者について、基礎知識やインボイス制度との関わり、注意点をまとめました。
目次
「課税事業者」と「免税事業者」の違いやインボイス導入後の影響は?
まずは課税事業者と免税事業者の違いをおさえましょう。
課税事業者は、国に消費税を納める義務を負っている事業者のことです。
課税事業者は消費者から「商品代+消費税」を受け取り、消費税分を国に納めます。
ただ、課税事業者も仕入れ時に消費税を支払っている側なので、国に納付する消費税は「商品を売ったときに得た消費税-仕入れ時に支払った消費税」となります。
この「仕入れ時に支払った消費税」の支払いが免除されることを、仕入税額控除といいます。
免税事業者は、消費税の納付を免除されている事業者のこと。
一定の要件を満たすと免税事業者となります。
免税事業者は売上時に、得た消費税を収益にできます。
小規模の事業者を対象にした、消費税や事務負担を減らすための措置です。
インボイス導入後どう変わる?
2023年10月より導入となったインボイス制度は、仕入税額控除を受ける際に適格請求書(インボイス)の交付・保存が必要となる仕組みです。
この適格請求書を発行できるのは、消費税の課税事業者かつ適格請求書発行事業者の登録申請を行なっている事業者のみで、免税事業者は適格請求書を発行できません。
そのため、課税事業者は、適格請求書発行事業者以外の取引先から仕入れをした場合、消費税の免除を受けることができず、従来よりも多くの消費税を払うことになります。
課税事業者は、取引先が課税事業者の登録申請をしているか精査する必要があります。
課税事業者・免税事業者の判定方法や注意点とは
課税事業者・免税事業者になるためには、判定基準があります。
また、その際の注意点やインボイス制度導入後の影響も確認しておきましょう。
課税事業者・免税事業者の判定方法
課税事業者か免税事業者になるかには、主に2つの判定基準があります。
- ①基準期間における課税売上高が1,000万円を超えるか
- ②特定期間における課税売上高が1,000万円を超え、給与支払額が1,000万円を超えるか
①で1,000万円を超えるときは課税事業者、超えなければ免税事業者となります。
①の条件を満たしていなくても、②の条件を両方満たしていれば課税事業者です。
その他の条件として、新規設立などで基準期間がない法人で、資本金額または出資額が1,000万円以上であったり、消費税課税事業者選択届出の手続きを行なったりしている場合は課税事業者となります。
①における「基準期間」とは、その事業年度の前々事業年度を指します。
そのため、設立2期目までの個人事業主・法人に基準期間はありません。
黒字経営であっても消費税納付の必要はありません。
②における「特定期間」とは、個人事業主の場合、納税義務を判定する年の前年の1月1日〜6月30日を指します。
法人の場合は原則として、その事業年度の前事業年度開始日から6カ月間をいいます。
免税事業者になるためには、①と②両方の判定基準を超えないことが要件です。
例えば、新規事業者で開業2年目までは「基準期間」の取り扱いを満たさないため黒字でも消費税納付の義務はありませんが、2年目に1,000万円を超える売り上げがあった場合は課税事業者になります。
ただし、インボイス制度導入で、適格請求書発行事業者に登録している場合は、①、②の両方を満たしていなくても課税事業者となります。
課税売上高は課税事業者と免税事業者で条件が変わる
課税事業者か免税事業者かを判定するために必要な課税売上高ですが、立場によって条件が変わるため注意が必要です。
<課税売上高が指すもの>
- 課税事業者…消費税が課税される税抜きの売上高
- 免税事業者…税込みの金額
免税事業者になるためには「課税売上高が1,000万円以下であること」が条件ですが、税抜きで1,000万円になっていると、消費税をプラスしたときに1,000万円を超えてしまうので注意しましょう。
課税事業者・免税事業者に関する注意点
実は新しく事業をはじめた法人や個人事業主は、免税事業者になるための手続きは不要です。
基準期間の取り扱いなどから自動的に免税事業者となります。
届出を税務署に提出する必要があるのは「免税事業者から課税事業者になるとき」「課税事業者が免税事業者に戻るとき」です。
手続きが行われていないと、免税事業者の要件を満たしていても消費税納付の義務が発生します。
免税事業者から課税事業者になった場合、その後は2年間、免税事業者になることができません。
また、課税事業者になって2年間で、卸資産と調整対象固定資産の仕入れに1,000万円以上かかった場合は、課税事業者になってから3年経過していることが条件となります。
免税事業者と課税事業者のメリットやデメリット、インボイス制度との関係も確認
免税事業者になったからといって、必ずしもお得になるわけではありません。
免税事業者と課税事業者のそれぞれのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
あわせて、インボイス制度導入による影響にも注意しましょう。
免税事業者のメリット・デメリット
免税事業者のメリットは、消費税の納税をしなくて良いことでしょう。
しかしながら、インボイス制度導入により、取引先が適格請求書を要望してくることがあります。
対応できない免税事業者は、取引を打ち切られるリスクがあることや、納入金額の減額を要求されるなどのデメリットが発生する可能性があります。
課税事業者のメリット・デメリット
課税事業者には「支払った消費税が預かった消費税よりも高いとき」還付が受けられるメリットがあります。
「支払った消費税が預かった消費税よりも高いとき」のケースとしては、設備投資や仕入れの支払いが多く、支払った消費税も高いのに売上が少なかったときが挙げられます。
ほかには、輸出が多い企業も課税事業者のほうがお得なケースが多いです。
輸出するために国内で仕入れた金額は消費税が含まれますが、海外では免税取引なので消費税はかかりません。
このような場合も、課税事業者として申告したほうが良いといえるでしょう。
また、インボイス制度導入により適格請求書発行の申請を行えば、適格請求書が発行できるため、取引先からの要求にも答えることができます。
課税事業者のデメリットとしては、消費税の納付が必要なこと。
基準期間の売上が1,000万未満の場合は、免税事業者も選択できるのでどちらのほうがメリットがあるか十分考える必要があります。
サラリーマンの場合、節税方法はさまざまあります。
高所得サラリーマンが節税する方法については、こちらのコラムで詳しく紹介しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
高所得のサラリーマンが節税するなら?おすすめの節税方法を解説
課税事業者か免税事業者かはインボイス制度との関係も考慮しよう
事業者は商品を仕入れる際には消費税を支払う側で、商品を受け取る際には消費税を預かる側になります。
支払う消費税が多くなり過ぎないように、条件を満たしている事業者は消費税の納付を免除される免税事業者になれます。
免税事業者は預かった消費税を収益にできるためお得に感じますが、課税事業者は消費税納付を行うと還付を受けられるため、必ずしも免税事業者が良いとも言い切れません。
さらにインボイス制度の導入により、取引先が課税事業者の場合は、適格請求書の発行も求められることや、発行できない免税事業者との取引を減らすなどの影響も考えられます。
ただし、一度課税事業者になると免税事業者に戻るのは難しいため、経営状況などを見極め、慎重に判断しましょう。
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