2024.06.21
定額減税とは?対象経費と活用のポイントを詳しく解説
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
2024年6月より政府から「定額減税」の施策が導入されました。
定額減税は、特に企業や個人事業主にとって重要な節税対策の一つです。
近年の物価上昇による国民の負担を軽減するため、政府は税収の一部を国民に還元する制度として2024年6月より1年間実施することを決定しました。
今回は、定額減税について詳しく解説します。
目次
2024年6月に開始する定額減税とは?わかりやすく解説!
定額減税の制度の概要や目的、制度の背景についてそれぞれ解説していきます。
定額減税の概要
定額減税とは、2024年6月より1年間実施される納税者全員に対して一定の金額を税額から直接控除する税制措置です。
具体的には、所得税3万円+住民税1万円の計4万円の一定金額が控除され、その結果、納税者の負担が軽減されます。
この制度は、所得の多寡に関係なく、一律の金額を控除するため、特に低所得者層にとって大きな恩恵があります。
定額減税の目的
定額減税の主な目的は、景気刺激、所得再分配、そして社会保障の補完です。
まず、景気刺激の面では、家計の可処分所得を増やすことで消費を促進し、経済を活性化させることが狙いです。
経済が停滞している時期には、消費の低迷が続くことでさらなる景気悪化を招く恐れがあり、定額減税はこの悪循環を断ち切る手段となります。
次に、所得再分配の観点からは、特に低所得者層への支援を強化し、所得格差の是正を図ることが目的です。
一定の金額を一律に控除することで、低所得者層にとっては実質的な税負担の軽減効果が大きくなり、経済的な格差を縮小する役割を果たします。
最後に、社会保障の補完としての役割も重要です。
既存の社会保障制度ではカバーしきれない部分を補完するために、定額減税が実施されることがあります。
経済的に困難な状況にある人々の生活を支えるための補助として機能し、社会全体の安定に寄与します。
定額減税の導入背景
定額減税が導入される背景には、さまざまな経済的・社会的要因があります。
まず、経済不況の時期には、消費が落ち込み、それがさらなる景気悪化を招く悪循環に陥ることがあります。
定額減税はこの循環を断ち切るための一手段として用いられます。
また、近年の経済構造の変化に伴い、所得格差が拡大している現状も見逃せません。
高所得者と低所得者の間の経済的な隔たりが広がる中で、低所得者層への支援を強化し、格差を是正する必要性が高まっています。
さらに、社会保障制度の補完としての役割も重要です。
既存の社会保障制度ではカバーしきれない部分を補完するために、定額減税が実施されることがあります。
経済的に困難な状況にある人々の生活を支えるための補助として機能し、社会全体の安定に寄与します。
定額減税の対象者と具体的な減税額について
定額減税は、税制の中でどのように運用されるかによって、その効果が大きく変わります。
定額減税の対象者
いかに該当する方は、定額減税の対象になります。
- 令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下の人
- 給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)の人
(注)子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。
引用:「国税庁 定額減税について」
さらに、今回導入された定額減税では、納税者本人のほかに同一生計配偶者や扶養親族も対象となります。
所得の多い少ないに関わらず一律の金額が控除されるため、低所得者にとっては実質的な税負担の軽減効果が大きくなるのです。
具体的な減税について
定額減税では所得税と住民税所得割が減税となりますが、減税額は以下のとおりです。
所得税の定額減税額
- 納税者本人(居住者に限る):30,000円
- 同一生計配偶者または扶養親族(いずれも居住者に限る):1人につき30,000円
住民税の定額減税額
- 納税者本人(居住者に限る):10,000円
- 控除対象配偶者(*1)、同一生計配偶者(*2)または扶養親族:1人につき10,000円
(*1)控除対象配偶者とは同一生計配偶者のうち、納税者本人の前年の合計所得金額が1,000万円以下
(*2)控除対象配偶者を除く同一生計配偶者は、令和7年度の住民税から控除
所得税と住民税をあわせて、1人あたり合計40,000円が減税されます。
なお、定額減税が実施される時期は、給与所得者の場合、所得税では2024年6月1日以後で最初に支払われる給与等からになります。
住民税に関しては、定額減税の対象者に対して定額減税後の年税額を、2024年7月分から2025年5月分までの11ヶ月に分割して徴収します。
定額減税の実施方法とその他控除との兼ね合い
定額減税を効果的に活用するためには、押さえておきたいポイントがいくつかございます。
必要な手続きとは?
実は、定額減税を受ける際には特別な手続きは必要ないのです!
給与所得者の場合は、通常では勤務先が手続きを行ってくれます。
自営業や個人事業主など事業所得がある人は、確定申告を実施していれば定額減税を受けられ、住民税は普通徴収から減税されます。
個人事業主の定額減税の実施方法
個人事業主の場合は定額減税の方法が給与所得者とは異なっております。
なお、不動産所得など複数所得がある場合は2024年度の確定申告ですべての所得を申告することで定額減税を受けることが可能です。
所得税の定額減税の実施方法
事業所得や不動産所得など給与所得とは別で所得が発生した場合に関しては2024年度分の確定申告で申告した所得税額から定額減税の控除額が差し引かれます。
しかし、その年の5月15日時点で予定納税基準額が15万円以上になる場合、所得税の一部をあらかじめ納付するため定額減税控除前の納税額から計算した第1期分の予定納税額(2024年7月)から定額減税の控除額が差し引かれます。
住民税の定額減税の実施方法
住民税は2024年6月に第1期分、8月に第2期分、10月に第3期分、翌年1月に第4期分を口座振替や納付書で納めます。
また、1年分をまとめて払うことも可能です。
なお、控除しきれない分は、順次控除されます。
その他控除との兼ね合い
税額控除を利用している方にとっては今回の定額減税により受けられる控除額が減少してしますのではと疑問に思われる方もいらっしゃると思います。実際に影響があるのか確認していきましょう。
ふるさと納税への影響は?
令和6年度税制改正の大綱には、以下の記載があります。
(6)以下の額の算定の基礎となる令和6年度分の所得割の額は、特別控除の額を控除する前の所得割の額とする。
① 都道府県又は市区町村に対する寄附金税額控除(ふるさと納税)の特例控除額の控除上限額
出典:「総務省 令和6年度税制改正の大綱」
上記のようにふるさと納税の控除上限額は定額減税の控除分を差し引く前の所得割で判定するため、定額減税によるふるさと納税への影響はありません。
住宅ローンへの影響は?
定額減税では、定額減税の控除を行う前の所得税額から住宅ローン控除の控除額を差し引き、
そのあと定額減税の控除額を控除することになっております。そのため、
定額減税によるふるさと納税への影響はありません。
高所得の場合に副業などを利用して節税する方法についても詳しく解説しています。
あわせて参考にしてみてくださいね。
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定額減税は、景気対策や所得再分配を目的とした導入へ
今回の導入により低所得者層にとって大きな恩恵のある定額減税。
所得税や住民税に適用されることにより経済的に困難な状況にある人々の生活を支えるための補助として機能し、社会全体の安定に寄与します。
この恩恵を受けるにはまずは定額減税の制度をしっかりと理解し、対象となる経費を把握しておきましょう。
定額減税をうまく活用することで、経理業務の負担軽減と節税効果を両立させることができます。
特に個人事業主の皆様にとっては、非常に有効な手段となりますので、是非ご活用ください。
アースコムでは、太陽光発電投資・環境事業投資をサポートしています。
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