2021.03.30
太陽光発電投資で地震が起きたら?被害例や予防策、対応策を知っておこう
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
災害が多い日本において太陽光発電投資をしていると、地震の被害を受けたらどうしようかと心配になりますよね。
地震をはじめ、さまざまな災害は未然に防ぐことができませんが、被害をできるだけ小さくしたり、受けた被害をカバーすることはできます。
今回は太陽光発電投資における地震での被害例や予防策、対応策について解説します。
目次
太陽光発電投資で地震や自然災害が起きた際の被害例とは?
日本で起こる災害として代表的なものには、地震、台風、大雨、津波、高潮、土砂崩れなどがあります。
地震の場合、実は直接的な被害は非常に少なく、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震は最大震度7を記録した大規模な地震でしたが、出力容量50kW以上の太陽光発電所において発生した事故は3件でした。
件数割合は、地震による地⾯の隆起、地割れ、液状化等に伴う、架台及びパネルの損傷が2件と、パワコンの短絡・地絡により運転機能喪失したものが1件です。
ちなみに住宅の屋根に設置されているソーラーパネルの場合、2016年に発生した熊本地震の際に、断層の真上に建つ住宅の屋根上に設置されたパネルの脱落や、パネルにねじれが生じたなどの被害が報告されています。
原因としては「上下に強い力が加わったことで、パネルが跳ね上げられたため」と考えられており、揺れで発生した力を建物がそのままソーラーパネルに伝えてしまったことがわかります。
逆に、同じ屋根上でも野立ての発電所のように、傾きの大きい架台を取り付けてパネルを設置している住宅では、被害があまり見られませんでした。
これらのことから、太陽光発電投資で使われる野立ての太陽光発電所は、地震に比較的強いつくりであると考えて良さそうです。
ただし、地震による直接的な損傷などの被害を受けなくても、売電ロスなどの間接的な被害が起こる可能性はあります。
先の北海道胆振東部地震ではエリア内で最も大きな苫東厚真火力発電所が停止し、電力供給のバランスが崩れて、ブラックアウトと呼ばれる全域停電が起こる事態となりました。
発電はできても送電ができない状態となり、この間生じる売電ロスも地震による被害と言えるでしょう。
電力が復旧するまでは約50時間、完全に送電が復旧し売電ができるようになるまでには約1週間を要したと言われています。
太陽光発電投資で地震以外で被害が出る災害
太陽光発電投資が災害で被害を受けた例としては、以下のようなものがあります。
- 台風…パネルの飛散、飛来物によるパネルの破損、飛散したパネルによる近隣への被害、防草シートが風によってまくられる
- 土砂崩れ…傾斜地に設置していた発電所が崩れて道路上に流出
- 大雨…設備の水没、河川が氾濫して流れてきた流木などにぶつかりフェンス損壊・設備倒壊
特に台風はソーラーパネルが飛散してしまう事例が多く、発電所そのものの損失になるばかりか、第三者にまで被害を及ぼしてしまうこともあります。
太陽光発電投資で地震への予防策としてできること
比較的、地震には強いと考えられる太陽光発電ですが、絶対に被害が出ないとも言えません。
予防策としてやっておくべきポイント4つをまとめました。
①架台を強化する
架台の強度は建築基準法をもとに決められています。
架台の強度が高くなるにつれて設備にかかる費用は高くなってしまいますが、工事の際は費用の安さだけで決めず、地震にも耐えうる強度であるかをチェックしましょう。
②設備設置前に地盤・土地の様子をチェックをする
地盤が割れてしまうと設備に大きな被害を与えてしまいます。
せっかく架台を強化しても、地盤が緩ければ台無しです。
設備を設置する前には地盤調査をしっかりしてください。
あわせて、ハザードマップで自然災害でどの程度の影響を受けるかを確認したり、近隣の建物や道路の状況を見て、被害を最小に留められる場所であるかなどをチェックすることも有効です。
③保険に加入する
太陽光発電投資では、保険に加入して自然災害に対応することができます。
機器の破損、第三者に損害を与えたときの補償が付いているものがおすすめです。
売電収入補償特約が付けられるものもあり、自然災害により売電不可となった収入分を補償してくれます。
④正しい知識を持つ業者に適切な工事を依頼する
例えば、風の通り道がないほどパネルをぎちぎちに敷き詰めてしまった発電所では、パネルが強風にあおられて飛散しても保険の補償対象外となってしまうことがあります。
理由は、正しい間隔で設置していれば風が抜け、飛散を防げたと考えられるからです。
災害時の危険性をきちんと進言できる業者に、適切な基準で施工してもらうのが大切です。
太陽光発電投資で地震によって壊れた場合の対応策
太陽光発電投資で万が一、地震によって被害を受けてしまった場合、対応を誤るとさらなる被害を招きかねません。
太陽光発電は「電気」を扱う危険な施設であるということを頭に入れておき、被害に遭った場合は次の3つの対応策をとりましょう。
①破損した太陽光発電設備は触らない
ソーラーパネルは破損していても日光に当たれば発電します。
素手で触ると感電してしまうため、一般の方は絶対に触らないようにしてください。
やむを得ず作業をする場合は、電気用ゴム手袋など絶縁性のある手袋を使用しましょう。
日の当たらない夜間においても同様の対応をしてください。
②販売・施工業者に連絡して適切な処置を依頼する
太陽光発電設備は、現在明確な廃棄物処理のガイドラインがありませんが、自分で勝手に処理してはいけません。
販売・施工業者に連絡をし、処置を依頼してください。
③被害拡大防止に努める
破損した太陽光発電設備には有害な物質も多数含まれます。
ブルーシートや段ボールなどで覆ったりして、流出を防ぐようにしましょう。
覆いをすることでパネルに光が当たって発電するのを防ぐこともできます。
太陽光発電投資で地震の被害を最小にするために予防策を講じておこう
日本で太陽光発電投資をするにあたり、自然災害は避けて通れない問題です。
台風や大雨、土砂崩れなどの災害がありますが、現在、太陽光発電が地震によって受けた被害は比較的少ないと言われています。
ただし、発電所の損傷といった直接的な被害はなくとも、ブラックアウトなどによる売電ロスが生じるといった間接的な被害を受ける可能性はあります。
今後も同程度の被害で済むかどうかは分からないため、地震に備えた対応が必要です。
設備に関しては、地盤や立地の確認、架台の強化、適切な工事が地震への備えになります。壊れてしまった後には保険での対応が可能です。
万が一、地震による被害を受けた場合は、安全を確保した適切な処置を行うようにしましょう。
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