2021.03.01

太陽光発電の仕組みを詳しく!直流の電気を交流に変換するパワコンの役割

facebook

twitter

line

いつも当コラムをお読みいただき、ありがとうございます。

株式会社アースコム、取締役副社長の丸林です。

 

太陽光発電の設備を選ぶ際など、ついついソーラーパネルの性能にばかり目が向いていませんか?

 

ソーラーパネルで発電した電気はそのままでは使えず「パワーコンディショナー(パワコン)」という変換器を使って、やっと電気が使えるようになるんです。

実は、このパワーコンディショナーはとても大切な役割があるんですよ!

 

今回はなぜパワーコンディショナーが重要なのかを、太陽光発電の仕組みや電気の種類について交えながら解説します。

パワーコンディショナー

 

 

太陽光発電の仕組みはどうなっている?

太陽光発電システムは比較的シンプルなシステムの構成になっています。

各機器の説明を電気の流れを追って簡単にしていきますが、まず前提として「家庭で使われる電気は交流である」ことを押さえておきましょう!

 

・太陽電池モジュール(ソーラーパネル/太陽光パネル)

太陽の光を浴びて、光エネルギーから電気を生み出します。

このときの電流は直流です。

「太陽電池」と呼ばれますが、電池のように電気を蓄えることはできず、発電機の役割を果たしています。

 

・接続箱

作られた電気を集め、パワーコンディショナーに送ります。

 

・パワーコンディショナー(パワコン)

接続箱で集められた直流の電気を交流に変換します。

 

・室内分電盤

パワーコンディショナーから送られてきた電気を家庭内の配線に分けて送る機械です。

 

・電力量計(メーター)

売電用と買電用の2つの電力量計を付け、発電した電気を電力会社に売ったり、逆に電気が足りない時間は電力会社から電気を買ったりするときに流れた電気量を計測します。

 

パワーコンディショナーはソーラーパネルの補佐のようなイメージがあるかもしれませんが、家庭内で使うためにも、電力を売るために電線に流すためにも「直流から交流に変換」する必要があります。

そのため、太陽光発電システムにパワーコンディショナーはなくてはならない存在といえるでしょう。

 

太陽光発電において重要なパワーコンディショナーの役割を詳しく

太陽光発電システムを構成するにあたり、パワーコンディショナーが重要な設備であることはご理解いただけたのではないでしょうか。

 

パワーコンディショナーの主な役割は「電気を直流から交流に変換し、使える電気にすること」ですが、他にもさまざまな役割を持っていますのでご紹介をしていきましょう。

 

最大電力点追従制御(MPPT)機能

太陽光発電では天気に左右される部分があります。

一日の中でもくもりの時間であったり、お日様が良く出ている時間であったりと、発電量がまちまちになってしまい、発電できる電力量が不安定になりがちです。

 

その不安定な電力量を安定させて、可能な限り発電量が多くなるポイントで取り出せるようにする機能が、最大電力点追従制御(MPPT)機能です。

電力は「電圧×電流」で決まるため、この値が最大になるように調整をしてくれます。

 

系統連系保護機能

系統電力で停電が起きてしまった場合などに周波数や電圧の変化を検知し、太陽光発電システムと電気系統を遮断して、電気系統を保護します。

これにより、電線の保守点検などで一時停電にするときなどに、太陽光発電からの電気が流れてしまうのを防ぐことができます。

 

また、太陽光発電システムの故障時に、家庭内の電化製品や系統連系している電線に直流の電力が流れないように切り離す役割もあります。

 

 

最適なパワーコンディショナーを選んで太陽光発電の効果をアップ!

案内をする女性

パワーコンディショナーは太陽光発電システムにおいて、電力を変換したり、電力量を最大に調整してくれたり、トラブルから保護する機能を持っていたりと、非常に重要な設備です。

 

メーカーや機種によっても機能が異なりますので、パワーコンディショナー選びの際は機能や性能をしっかりチェックしてください!

 

パワーコンディショナーを選ぶときのポイントをいくつかご紹介します。

 

変換効率が高いものを選ぶ

ソーラーパネルで発電した直流の電気をパワーコンディショナーで交流に変換する際、電力のロスが生じます。

これはどんなパワーコンディショナーでも起こってしまうことなので、できるだけ変換効率が高く、ロスが少ないものを選ぶのがおすすめです。

 

長期保証が付いているものを選ぶ

パワーコンディショナーはメーカーの製品保証が付いています。

短いものは1年、一般的には5~10年間の無料保証期間があり、有償で保証期間を延長できることもあります。

メーカーの自信の表れでもあるため、できるだけ長い期間保証してくれる製品の方が安心です。

 

自立運転機能の有無

パワーコンディショナーは電力会社からの電力で動くため、停電してしまうと使えなくなってしまいます。

しかし自立運転機能があれば、約1,500Wまでなら家庭内での電力使用が可能になります。

自然災害による停電リスクが高い地域などでは付けておくと安心の機能ですが、やや割高になるので、よくご検討いただくことをおすすめします。

 

 

太陽光発電で発電した直流はパワーコンディショナーで変換する

太陽光発電システムは、ソーラーパネルで発電した直流の電気をパワーコンディショナーで交流に変換して、家庭内で使えるようにしたり、系統連系で電線に流して売電をしたりすることができるようになります。

 

そのため、パワーコンディショナーは太陽光発電システムになくてはならない存在なんです。

 

パワーコンディショナーの主な役割は直流の電気を交流に変えることですが、他にも「最大電力点追従制御(MPPT)機能」や「系統連系保護機能」など、安定した電力供給と安全に電気を使うための重要な役割を持っています。

 

パワーコンディショナーは、変換効率が高く、長期保証が付いているものがおすすめです。必要に応じて自立運転機能が付いているものを選ばれてもいいでしょう。

 

パワーコンディショナーは家庭用でも産業用でも重要な設備の一つです。

太陽光発電・太陽光発投資に関するお問い合わせは、アースコムにお気軽にご相談ください!

facebook

twitter

line

この記事を書いた人

丸林綾子(取締役 副社長)

2008年にアースコム創業して以来、「営業」「マーケティング」「土地調達」「開発」「メンテナンス」など、太陽光発電に関連するあらゆる業務を16年にわたり統括してきました。

現在は、太陽光発電事業だけでなく、「FIT-EASY」や「ミルクドドレイク」といった新規事業の責任者としても活動。これらの事業を成功に導く中心的役割を果たしています。

閉じる