2021.02.27
ソーラーシェアリングの申請手続きを詳しく!営農計画書の内容も
株式会社アースコム 代表取締役の丸林です。
日本のこれからの農業の新しい形として注目を集めている「ソーラーシェアリング」。
ご興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ソーラーシェアリングをするためには「農地の一時転用許可」の申請が必要です。
一時転用をするためにはいくつかの条件を満たさなければなりません。
今回はソーラーシェアリングの申請に必要な書類、手続き方法についても詳しくご説明いたします。
目次
ソーラーシェアリングは「一時転用許可」申請が必要!一時転用許可とは
ソーラーシェアリングは営農をしつつ、そこに支柱を立ててソーラーパネルを設置し、営農と太陽光発電を同時に行います。
通常、農地で太陽光発電をするには以下の2パターンが考えられます。
- 野立ての太陽光発電…農地転用し、地目を「農地」から「宅地」や「雑種地」に変更する
- ソーラーシェアリング…一時転用をするが、地目は「農地」のまま
通常、農地にはビニルハウスなど、農業に関連する施設しか建てられません。
そのため、ソーラーパネルの設置をするには、農地の「一時転用許可」の申請が必要になるのです。
ソーラーシェアリングの場合は2021年現在、以下の条件を満たす場合は10年に1回、一時転用許可申請を行います。
- 担い手が、自ら所有する農地または賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する農地等を利用する場合
- 荒廃農地を再生利用する場合
- 第2種農地または第3種農地を利用する場合
上記以外の場合は3年に1回の申請が必要になりますが、通常は農地転用が難しい農用地区域内農地・甲種農地・第1種農地でも一時転用許可を受ければ、ソーラーシェアリングが行えます。
ソーラーシェアリングの一時転用許可に必要な条件には、以下のようなものがあります。
- 構造が簡素で、撤去可能な設備であること
- 一時転用許可を受ける面積が必要最小限であり、適正と認められること
- 作物に適した日照量が確保できる設計であること
- 支柱の高さが2m以上あり、支柱の間隔も含め、トラクターなどの農業機械が利用可能になっていること
- 設備を撤去するときの支払いに必要な資金や信用があること
農地の一時転用許可を受けるためには、「営農がしっかりと行われること」「太陽光発電の撤退時にすみやかに対応できる体力があること」が大切です。
また、営農の条件として「収穫された作物が同年・同地域の平均的な単収と比較して8割以上であること」も挙げられており、これが満たせない場合は撤退を勧告される可能性があります。
ソーラーシェアリングでの一時転用許可申請で必要書類や手続きは?
ソーラーシェアリングで必要な一時転用許可申請における、必要書類や手続き方法についてご説明いたします。
一時転用許可の申請書の提出先は、設置先の近隣自治体の農業委員会となります。
申請に必要な書類は以下の4つです。
- 営農型発電設備の設計図
- 発電設備の下部の農地における営農計画書
- 営農型発電設備の設置による下部の農地における営農への影響の見込み及びその根拠となる関連データ、必要な知見を有する者の意見書又は先行して営農型発電設備の設置に取り組んでいる者の事例
- 営農型発電設備を設置する者(以下「設置者」という)と下部の農地において営農する者(以下「営農者」という)が異なる場合には、支柱を含む営農型発電設備の撤去について、設置者が費用を負担することを基本として、当該費用の負担について合意されていることを証する書面
「ソーラーシェアリングのメリットとは?手続き方法や費用を解説」では、一時転用許可の手続きや、ソーラーシェアリングのメリット・デメリットなどについてお話しております。
どうぞご参照ください。
ソーラーシェアリングの一時転用許可申請で必要な営農計画書を詳しく!
ソーラーシェアリングでは営農が計画的に行われることが大前提です。
一時転用許可申請にも、今後の営農について具体的に示した「営農計画書」を提出しなければなりません。
営農計画書は農林水産省 再生可能エネルギー発電設備を設置するための農地転用許可の「営農型発電設備の下部の農地における営農計画書及び当該農地における営農への影響の見込み書」を用います。
営農計画書には、次のような内容を具体的に示していく必要があります。
- 毎年のソーラーシェアリングに要する農地面積と発電設備以外で同時に農業を行う土地の面積
- 営農者の属性
- 作付予定の作物名と作付面積
- 営農に必要な農作業の期間
- 利用する農業機械
- 農作業に従事する者の農作業等の従事経験
- 生育に適した日照量が確保できる根拠
- 支柱の高さと間隔
- 収穫量見込
今後の営農について、非常に細かく計画を示す必要があります。
これまでの農業経験などからしっかりとしたデータを出すことが、FIT期間の20年という長期の農業と太陽光発電の事業を成功への鍵となるでしょう。
ソーラーシェアリングは農地の一時転用許可申請が必要!
ソーラーシェアリングでは、農業と太陽光発電を同じ土地で行います。
通常、農地にはビニルハウスなどの建設物しか建てられないため、一時転用許可申請をして、地目は農地のままで太陽光発電設備の設置ができるようにします。
一時転用許可の条件として「営農がしっかりと行われ、問題がある場合は速やかに撤去ができること」が挙げられます。
その条件の根拠となる書類が営農計画書等の書類です。特に営農計画書では今後の農業方針について細かく記載する必要があります。
ソーラーシェアリングでは、FIT期間の20年という長期間に渡って営農と発電所運営を行いますので、明確なビジョンが要求されます。
福島の太陽光発電投資物件が豊富なアースコムでは、ソーラーシェアリングへの取り組みも行っております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。