2020.09.07

ソーラーシェアリングのメリットとは?手続き方法や費用を解説

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株式会社アースコム 代表取締役の丸林です。

 

太陽光発電が普及するなかで、近年話題になっているのが「ソーラーシェアリング」です。

農業と太陽光発電を同時に行うという画期的な方法であり、ご検討いただいている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今回はソーラーシェアリングについて、メリットやデメリット、手続きの方法から費用まで、皆さまの疑問を解決できるようお話してまいります。

ソーラーシェアリングのイメージ

 

 

ソーラーシェアリングとは?仕組みを解説

ソーラーシェアリングとは、2m以上の支柱を立てて太陽光発電設備を農地に設置し、農業と太陽光発電を同時に行う仕組みのことです。

 

通常、大規模な野立ての太陽光発電を行う場合は、耕作放棄地などを利用して農地転用をしたうえで太陽光発電設備を設置します。

 

一方、ソーラーシェアリングでは今ある農地はそのままに、農地転用はせずに太陽光発電設備を設置します。

新たに土地を用意する必要が無く、「農業収入にプラスアルファの収入ができる」「収入が不安定な農家を支える手段となる」可能性を秘めた方法として注目を集めているのです。

 

ソーラーシェアリングのメリットとデメリット

農地を有効活用できるソーラーシェアリングですが、メリットもデメリットもあるのが現状です。

「太陽光発電をする“ついで”に農業をする」といった考えでは、不利益を被るリスクが高くなることもあります。

 

メリットデメリットを詳しく知り、利益を想定できそうか始める前によく検討することをおすすめします。

 

メリット1:農業との二重収益構造

農業収入は、天候に左右されやすく不安定です。

 

一方、太陽光発電は日光さえ当たっていれば常に発電でき、確実に売電収入が得られます。

新たに土地を取得する必要がなく、プラスアルファの収入を見込むことができます。

 

メリット2:土地の固定資産税が高くならない

農地に野立ての太陽光発電設備を設置するときには「農地転用」で地目を「農地」から「宅地」に変更しなければなりません。

宅地は農地よりも固定資産税が高く、太陽光発電設備は住宅ではないため、税金の軽減措置もありません。

 

その点、ソーラーシェアリングでは農業を行いながら発電を行うため、一時転用を行いますが地目は農地のままなので固定資産税が抑えられます。

 

メリット3:適度な日影が生まれる

支柱でソーラーパネルを設置するので、必然的に日影が発生します。

適度な日影が生まれることにより、夏の暑い日でも直射日光にさらされ続けることがなく、農作業の効率アップが期待できます。

 

また、日が当たり過ぎない方が良い作物もありますので、育てる物によっては収穫量を増やせる可能性もあるのです。

 

メリット4:育てられる作物の種類は少なくない

ソーラーシェアリングで育てられる作物に規定はありません。

 

実際にソーラーシェアリングで育てられている作物として「米、大麦、小麦、大豆、キャベツ、レタス、ニラ、ショウガ、白菜、ピーマン、ナス、ブドウ、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、明日葉、小松菜、イチゴ、ブルーベリー、ミカン、ニンニク、落花生、大根、人参、茶、梨、牧草」などがあり、実にバリエーション豊かです。

 

ソーラーシェアリングでは、農作物の生産量も一定のレベルをキープする必要があるため、農業の技量が高いことも重要な鍵となっております。

 

 

デメリット1:一時転用のリスク

ソーラーシェアリングを行うためには、農地の一時転用許可が必要です。

 

2020年現在、以下の条件を満たす場合は10年に1回申請を行います。

  • 担い手が、自ら所有する農地または賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する農地等を利用する場合
  • 荒廃農地を再生利用する場合
  • 第2種農地または第3種農地を利用する場合

 

上記以外の場合は3年に1回の申請が必要です。

 

一時転用では「営農が行われていること」が前提条件ですので、条件を満たしていないと判断された場合、売電は中止となり設備は撤去しなければなりません。

営農が行われていないと判断されるケースには、以下のものがあります。

  • そもそも営農が行われていない
  • 農地における単収(面積当たりの収穫量)が、同じ年の地域の平均的な単収と比較しておおむね2割以上減少している
  • 農作業に必要な機械等を効率的に利用することが困難であると認められる

 

そもそも農業を行っていないといったケースのみならず、設備を設置したことで農業に悪影響を及ぼしていると判断されるケースについても申請が下りないというのは、かなり厳しい条件だと言えるでしょう。

 

デメリット2:太陽光発電設備の長期運用について綿密な計画が必要

太陽光発電の固定価格買取期間は20年です。

太陽光発電設備は寿命が長いので、通常の野立ての発電所であれば、買取期間終了後に中古に出すことも可能です。

 

しかしながら、ソーラーシェアリングでは農地があるので中古として売り出すのは難しく、「20年間も農業と太陽光発電を並行して運営できるのか」といった、長期的な計画が必要になります。

20年間続けていけそうか、後継者がいる場合は農業とソーラーシェアリングの両方をしっかりと継続できる状態に持っていけるか、を判断しなければなりません。

 

デメリット3:金融機関の融資が下りにくい

一時転用のリスク、長期運用の計画が必要といったデメリットから、金融機関は「ソーラーシェアリングは長期的に安定して収入を得るにはリスクが高い」と考えます。

また、架台を高くする必要があるため設備費も通常より高く、初期費用の回収に時間がかかることも融資が下りにくい原因のひとつです。

 

ソーラーシェアリングでは、農業の生産量がしっかりと確保できているなど、収入の基盤が農業で確立されていることが重要なのです。

 

 

ソーラーシェアリングの必要書類や手続き方法

チェックリスト用紙

ソーラーシェアリングでは一時転用許可を申請しなければなりません。

一時転用許可の申請書の提出先は、設置先の自治体の農業委員会です。

 

申請書類は以下の4つです。

  • 営農型発電設備の設計図
  • 発電設備の下部の農地における営農計画書
  • 営農型発電設備の設置による下部の農地における営農への影響の見込み及びその根拠となる関連データ、必要な知見を有する者の意見書又は先行して営農型発電設備の設置に取り組んでいる者の事例
  • 営農型発電設備を設置する者(以下「設置者」という。)と下部の農地において営農する者(以下「営農者」という。)が異なる場合には、支柱を含む営農型発電設備の撤去について、設置者が費用を負担することを基本として、当該費用の負担について合意されていることを証する書面

 

一時転用の許可が下りたら、毎年都道府県知事などの許可権者に対して、収穫量や売り上げについての報告書(営農報告)を提出する必要もあります。

 

ソーラーシェアリングに必要な費用

50kWの太陽光発電をソーラーシェアリングで設置する場合、1,200万円~1,700万円程度かかると言われています。

 

土地代はかかりませんが、遮光率も考えて、架台に間隔を空けてパネルを設置しなければならなりません。

そのため、通常の野立て発電所よりも広い面積が必要になります。

 

 

ソーラーシェアリングとは農業と発電所が目指す新しい形

ソーラーシェアリングは、営農型太陽光発電と呼ばれ、農地を生かして農業と発電の両方を同じ場所で行います。

 

農業収入プラスアルファの収入が見込めるなどメリットも多いですが、デメリットも多いのが実情です。

農業での基盤や専門性がしっかりしていないと、なかなか難しいといえるでしょう。

 

ただし、これからの農業の形を変える新たな選択肢であることは確かです。
メリットデメリットを見極め、長い目で見て利益を想定できそうであれば検討してみてください。

 

ソーラーシェアリングを含め、太陽光発電投資に関する疑問やご相談がございましたら、私たちアースコムへお気軽にお問い合わせください。

気になる物件がございましたら、オンラインでのご提案も可能でございます。

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