2021.03.02
固定価格買取制度とは?仕組みや問題点をわかりやすく解説!
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
アースコムではこれまで幾度となく「固定価格買取制度」「FIT制度」というキーワードを発信してきました。
しかし、実は意外と認知度が低かったり、なんとなくは知っていても詳しくは知らなかったり誤解があったりと、世の中には正しい情報が行きわたっていないように感じています。
そこで今回は、太陽光発電における重要なキーワードである「固定価格買取制度」について、詳しくわかりやすく解説します!
目次
固定価格買取制度とは?わかりやすく仕組みから解説!
固定価格買取(FIT)制度とは、再生可能エネルギーの普及を目的とし、再生可能エネルギーで発電した電力を一定期間、固定価格で電力会社が買い取ることを義務付けた制度のことです。
対象となる再生可能エネルギーは、太陽光発電、地熱発電、水力発電、風力発電、バイオマス発電の5つです。
制度開始は2012年7月で、2017年に制度改正が行われ、毎年売電価格や売電条件の見直しもされています。
地球温暖化が世界中で問題になる中、再生可能エネルギーの普及は国全体で取り組むべき課題とされ、固定価格買取制度では電力会社の電力買取にかかる費用の一部を、国民全体が「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」として負担することとなっています。
再エネ賦課金は電気を使っている人からは必ず徴収され、オール電化であるかどうかや家庭用か商業用の電力であるかなどは無関係です。
電力会社からの「電気使用量のお知らせ」の明細を見てみると「再エネ賦課金」の文字が必ずあるはずです。
固定価格買取制度、現在の買取価格とは?
固定価格買取制度では、毎年電気の買取価格が変更されています。
再生可能エネルギーの中でも一般家庭にも広く普及している太陽光発電において、買取価格の推移を見てみましょう。
※出力制御対応機器設置義務の有無などにより、価格に幅がある年度があります。
<10kW以上(産業用太陽光発電)調達価格1kWhあたり>
2012年度:40円+税
2013年度:36円+税
2014年度:32円+税
2015年度:27~29円+税
2016年度:24円+税
2017年度:21円+税
2018円度:18円+税
2019年度:14円+税
2020年度:12~13円+税
<10kW未満(家庭用太陽光発電)調達価格1kWhあたり>
2012年度:42円
2013年度:38円
2014年度:37円
2015年度:27~35円
2016年度:25~33円
2017年度:25~30円
2018円度:25~28円
2019年度:24~26円
2020年度:21円
2017年以降はシステム容量10kW以上(産業用太陽光発電)の場合、容量によって売電価格が入札制度により決定されることになりました。
2017年・2018年は2,000kW以上、2019年は500kW以上、2020年は250kW以上となっています。
システム容量10kW以上(産業用太陽光発電)と10kW未満(家庭用太陽光発電)のいずれも、買取価格は年々下落していることがわかりますね。
年々2~3円ずつ下がっていることから、2021年度は10kW以上で10~11円+税、10kW未満で18~19円ほどになると予測されます。
買取価格は太陽光発電の設備費用なども加味して決定されるため、太陽光発電の普及により設備費用が値下がりし、買取価格も下がるといった構図になっています。
つまり、初期費用が安くなっているので費用回収にかかる期間は変わりません。
逆に、電力会社からの電気の購入価格の方が高くなっている今、発電した電力は自家消費した方が経済的メリットは大きいとも言われています。
固定価格買取制度の問題点とは?わかりやすく疑問を解決!
固定価格買取制度でよく耳にする問題や、将来的な疑問点についても解決していきましょう。
よく聞く「2019年問題」とは?
固定価格買取制度の開始は2012年ですが、電力の買取自体は2009年から行われていました。
10kW未満の家庭用太陽光発電の固定価格での買取期間は10年間なので、2009年に売電を始めた人たちの買取期間が終了するのが2019年だったのです。
固定価格での買取が終わった後は、電力会社がそれぞれ独自の買取プランをつくり、新たに契約を結び直して売電が可能になっています。
どの点が問題だったかというと、買取期間終了後にどうなるかといった情報が全く出ておらず、買取期間満了の直前に発表されたことにありました。
そのため、「太陽光発電はもう売電ができない」といった憶測や誤解が飛び交う事態となってしまったのです。
再エネ賦課金の負担額増加問題とは?
電力を使っている人は否応なしに負担している再エネ賦課金、実は年々負担額が増えているという問題があります。
再エネ賦課金は全国一律で、電気使用量に比例して請求されるものです。
再エネ賦課金の単価は買取価格などをふまえ、年間の再生可能エネルギー導入量を推測して、毎年経済産業大臣によって決定されます。
再生可能エネルギーの一部は電力として家庭に送電されることから、再エネ賦課金は電気を使うすべての人に負担してもらうべきという位置付けです。
ただ、年々増加する再エネ賦課金はやはり問題視されており、国民の再エネ賦課金の負担を減らすためにも、買取価格の見直しなどは行われなければならないでしょう。
2021年度以降の固定価格買取制度はどうなる?
日本における太陽光発電と言えば「家庭での電気代がまかなえて、余った電気は売れるからお得」といったイメージがないでしょうか?
固定価格買取制度開始時は設備費用があまりに高額で、一般家庭では「環境のため」といった理由では導入しにくい状況であったことから、費用が回収できる見通しを持たせることで日本での再生可能エネルギーの普及を目指しました。
そのため、年々下がる買取価格を見て「もう太陽光発電は儲からない」「太陽光発電は損」といった言葉が出てくるのではないかと思います。
日本における固定価格買取制度スタートの目的は「再生可能エネルギーの普及」だったはずですし、もちろん現在もそうであることに変わりません。
再生可能エネルギーの普及は、環境問題だけでなく、日本の電力自給率の低さを改善するためにも必要です。
固定価格買取制度において、10kW以上50kW未満の発電所はそれまでは全量売電が可能でしたが、2020年度では地域活用案件を満たすことが新たに条件として加えられ、30%以上を自家消費して残りを余剰売電とすることが決定されました。
また、経済産業省は2030年半ばには、新車のすべてを「脱ガソリン車」にして電気自動車のさらなる普及を目指すなど、ますます電力需要は高まると考えられます。
そのため、今後は「電気を売る」よりも「使う電気は自分でまかなう」時代へとシフトしていくことが予想されます。
固定価格買取制度においては、さらに自家消費を求める動きが出ていくと思われます。
「売るよりも使った方がお得」といったイメージになる日もそう遠くはないかもしれません。
固定価格買取制度とは、わかりやすく説明すると「再エネ普及を目指す制度」
固定価格買取(FIT)制度とは、再生可能エネルギーの普及を目的とし、再生可能エネルギーで発電した電力を一定期間、固定価格で電力会社が買い取ることを義務付けた制度のことです。
固定価格買取制度では買取価格の下落が話題になりますが、設備費用の価格と連動しているため、費用回収にかかる期間は変わりません。
再エネ賦課金の負担が増大していることや2019年問題など、まだ制度が成熟していない印象は否めませんが、今後は「電気を売る」時代から「自分が使う電気は自分で生み出す」時代へとシフトしていくと予想されます。
太陽光発電投資では、クリーンなエネルギーである太陽光発電のメリットを十分に活かした投資が可能です。
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