2021.03.08
ソーラーシェアリングは固定資産税がほとんどかからない!その理由とは
株式会社アースコム 代表取締役の丸林です。
農業と太陽光発電を同じ土地で同時に行い、W収益構造が造り出せるソーラーシェアリング。
固定資産税が気になられる方も多いかと存じます。
実はソーラーシェアリングにおいて、固定資産税はほとんどかかりません。
今回は、なぜ固定資産税があまりかからないのか、その理由についてお話させていただくとともに、改めてソーラーシェアリングのメリットについてもいくつかご紹介させていただきたいと思います。
目次
まず「固定資産税」とは?
まず、そもそも固定資産税というのはどのような税金なのかをおさらいしましょう。
固定資産税とは、長期的に所有・使用する資産に対して市町村が課税する地方税のことです。
固定資産は以下の2つに分けられます。
- 有形固定資産…土地・建物・機械
- 無形固定資産…特許権、営業権 など
有形固定資産のうち、土地・建物以外の事業用に使用できる資産のことを償却資産といい、例えばパソコンやコピー機などが挙げられます。
太陽光発電の場合、10kW以上の太陽光発電設備は事業用と見なされ、償却資産となります。
固定資産税は「評価額×1.4%(標準税率)」で計算します。
償却資産の評価額は資産ごとの耐用年数と取得価額から導かれますが、固定資産税評価額の最終決定権は各市町村長にありますので、全て同一ではありません。
また、課税対象となる設備についても、市町村の判断が分かれる場合があります。
太陽光発電設備では、ソーラーパネル、パワーコンディショナー、架台、送電設備、電量計などの各種設備がありますが、どこまでが課税対象になるかは明確な決まりはありません。評価額を調べておきたいときは、管轄の市町村に問い合わせていただくと良いでしょう。
ソーラーシェアリングは固定資産税がほとんどかからない?
ソーラーシェアリングでは、農地に支柱を立ててソーラーパネルを設置します。
通常、農地に野立ての太陽光発電を設置する場合、農地転用をして地目を「農地」から「宅地」や「雑種地等」に変更しなければなりませんが、固定資産税は農地のときに比べて高くなってしまいます。
しかし、ソーラーシェアリングの場合はソーラーパネルの支柱が立っている部分の農地を一時転用するため、地目は「農地」のまま。
もともと農地にかかっていた固定資産税しかかかりません。
もちろん、先ほどご説明差し上げたように太陽光発電設備等と土地の固定資産税はかかってきます。
そのため「ソーラーシェアリング=固定資産税ゼロ」というわけではありませんが、野立ての太陽光発電を設置する場合に比べると固定資産税が抑えられるという点は、税金の面で大きなメリットと言えるでしょう。
ソーラーシェアリングには他にもメリットがいろいろ!
ソーラーシェアリングは、営農面でも収益を上げなければ撤退の可能性あることや、高い支柱を必要とするため設備費用が高くなりがちなどのリスクがありますが、固定資産税の面で大きなメリットがあります。
その他にも多くのメリットがありますので、ぜひ検討の際の参考にしてください。
代表的なメリットを4つご紹介します。
メリット①農業とのW収益構造
ソーラーシェアリングでは、太陽光発電と農業でW収益構造を作ることができます。
太陽光発電は太陽の光があれば収益をあげることができ、もともと農地の場合、日当たりが良いケースがほとんどなので太陽光発電にとても向いています。
日本の農業は後継者不足が問題となっており、現在の担い手においては高齢化が進んでいます。
外国産の安い農作物の増加や、災害や農作物の病害で大きな損害を受けると回復が困難であることなどから、農業からの撤退を常に考えられているという農家の方は非常に多いことと存じます。
農業による収益は不安定で、災害時の補償もほとんど期待できない現状では無理もないことでしょう。
こうしたなか、太陽光発電ではFIT制度によって10kW以上の発電所では20年間、固定価格で電力の買取が保証されています。
太陽光発電による長期間の安定した収益は、日本の農業の問題に切り込む一助となると考えられます。
メリット②適度な日陰の発生
ソーラーシェアリングは農地の上に高い支柱を立ててパネルを設置しますので、適度な日陰が生じます。
真夏は直射日光にさらされずに農作業ができるので作業効率が良くなり、熱中症のリスクも低減できます。
作物の中には日照量を抑えたほうが生育が良くなるものも多いので、育てる作物によっては、より育てやすい環境となります。
メリット③育てられる作物の種類が豊富
ソーラーシェアリングで育てられる作物は非常に豊富です。
すでに日本で取り組まれている実例も多いので、参考になるケースも多いでしょう。
ソーラーシェアリングでは農作物の収穫高も、ある程度の基準を満たしておかなければなりません。
そのため、すでにノウハウを持っている作物を育てつつ、ソーラーシェアリングを始めるのがベストです。
育てられる農作物が豊富なのは大きなメリットでしょう。
メリット④休耕地の活用
後継者不足などから休耕地となってしまっているものの、他に利用することも難しく、放置されている土地は非常に多いです。
耕作地に戻したいものの、農業だけでは採算が取れないため、なかなか踏ん切りがつかないという農家の方もいらっしゃるでしょう。
ソーラーシェアリングでは農業収入+αの収益が見込めます。
太陽光発電は年間の発電量や売電収入のシミュレーションができ、FIT期間の20年間の収益もかなり高い精度で予測できます。
「あと少し」の収入で迷われていらっしゃるのであれば、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
ソーラーシェアリングの固定資産税の負担は野立て太陽光発電よりも軽い
農地に支柱を立て、農業と太陽光発電を同時に行うソーラーシェアリングでは、農地を一時転用するだけなので地目が変わらず、固定資産税が高くなるということはありません。
もちろん土地や太陽光発電設備には固定資産税がかかるため、「固定資産税が全くかからない」というわけではありませんが、農地転用して野立ての太陽光発電を行うよりも金額が抑えられるのは大きなメリットです。
ソーラーシェアリングは固定資産税のメリットの他にも、農業+αの収益が長期間にわたって見込めること、太陽光発電の安定した収益によって農業収入の不安定な部分がカバーできること、休耕地が活用できることなど、メリットが非常に多い事業といえます。
ソーラーシェアリングのご相談は、アースコムにお気軽にお問い合わせください。