2021.03.12
船舶リースで節税!その仕組みやメリットデメリット、リスクを知ろう
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
「船舶リース」は、多額の資金を投入して損金を大きく計上でき、高い節税効果が上げられます。
実は、船舶リースは日本では1960年代から行われている歴史の長い投資法ですが、その中身をしっかりと理解されている方は多くはありません。
今回は、そんな船舶リースについてのお話です。
船舶リースは多額の資金を投入する必要があるため、節税の仕組みや、メリット・デメリット、リスクを正しく理解しておきましょう。
目次
船舶リースはどう節税になる?効果的に活用できる法人の条件
まずは船舶リースの基本的な仕組みと節税の仕組み、どんな法人におすすめかといった点を解説します。
船舶リースの仕組み
船舶リースは「オペレーティングリース」とも呼ばれる、「出資者」「匿名会社(ファンド)」「リース会社」「海運会社」「金融機関」が関わる投資法です。
匿名組合は複数の出資者から資金を集め、不足がある場合は金融機関からも借り入れを行い、その資金で船舶を購入します。
ここで言う船舶とは小型の船ではなく、大型のタンカーを指します。
船舶は海運会社に匿名組合の償却資産となり、毎年減価償却を行います。
匿名組合は船舶を海運会社へ貸し出すリース契約を結び、リース料が投資額に応じて出資者へ振り分けられると同時に、減価償却も出資額に応じて分配されます。
船舶のリース期間終了後は、海運会社に中古として船舶を買い取ってもらうのが一般的です。
それが出来ない場合は中古市場に売却をし、売却益を出資者に分配します。
船舶リースが節税になる仕組み
船舶リースでは船舶の保有者である匿名組合が毎年、減価償却を行います。
船舶は非常に高額であることから、リース開始初年度から数年はリース料よりも減価償却費が上回り、一時的に大きな赤字を出している状態になります。
リース初年度は出資額の5割程度、出資商品によっては8割を減価償却でき、大きな損金が計上ができるという仕組みです。
船舶リースの仕組みでも述べたように、減価償却による匿名組合の損失は出資者にも反映されます。
出資額が高額なので損金も大きく計上できることが多く、本業で突発的な利益が発生してしまったときにも利益を相殺することが可能なため、高い節税効果が期待できます。
船舶リースはこんな法人におすすめ
船舶リースはどんな人が行っても節税効果抜群!というものではありません。
節税対策として有効に活用できる法人には条件があります。
- キャッシュで余裕資金が1億円以上ある
- 突発的に大きな利益が出て、経常利益が3,000万円以上である
- 事業承継による自社株対策、相続税対策が必要な法人
出資額が3,000万円以上からと高額で、中途解約は基本的に難しいことから、キャッシュで余裕資金が1億円以上ある法人以外は参入するのはやめておいた方がいいでしょう。
オペレーティングリースはあくまでも「利益の繰り延べ」に過ぎず「お金を増やすこと」を目的にしたものではありません。
リース期間はあらかじめ決まっているので、事業承継に合わせて自社株評価額を下げたいときに有効な対策となります。
船舶リースをさらに詳しく!メリットとデメリット
船舶リースの仕組みや利用するのに向いている法人の特徴などを押さえたうえで、メリットとデメリットについても理解を深めましょう。
船舶リースのメリット
大きな損金が計上できること以外の船舶リースのメリットをご紹介します。
支払いは1回のみ
支払いは出資時に1回だけなので、毎年の出資額を気にする必要がありません。
益金が発生する時期があらかじめ分かる
リース期間はあらかじめ決まっているので、リース期間終了後の船舶の売却益が出るタイミングも分かります。
売却益が出るタイミングを事業承継や新規事業進出と合わせれば、利益が相殺できるので節税を効果的に行うことができます。
船舶リースのデメリット
船舶リースは注意したいデメリットもいくつかあります。
元本保証はない
船舶の中古市場の下落などにより、想定した価格よりも安い値で売却される可能性があります。
また、外貨建ての商品がほとんどなので、為替レートによっては手にする日本円が少なくなってしまうことも。
世界情勢に左右される恐れがある
オペレーティングリースには船舶リースのほか航空機リースという方法があります。
航空機リースも高い節税効果を上げられる投資法としてメジャーでしたが、昨今の新型コロナウイルスによる航空業界の業績落ち込みを受け、非常に不安定な市場として認識されるようになってしまいました。
新型コロナウイルス関連の影響ほどはいかなくとも、中古市場価格などに影響を及ぼす出来事が起こる可能性はあります。
船舶リースのリスクも知っておこう
船舶リースの節税効果は非常に魅力的ですが、リスクもありますので十分な検討が必要です。
リース先やリース会社が倒産するリスク
リース先の海運会社が倒産すると、それ以上のリース料金が得られません。
また、中古での売却先を他で見つける必要があり、当初の想定よりも売却額が下がる可能性もあります。
リース会社や匿名組合(ファンド)が倒産してしまった場合、他のリース会社が引き継いで投資家には被害が及びにくいことが多いですが、場合によっては運営を継続させるための追加徴収が行われる可能性もあります。
為替の変化によるリスク
船舶リースのほとんどが外貨建ての商品なので、リース終了時の為替レートがリース開始時に為替レートよりも円高になっていると、円に換算した場合は損になります。
中途解約ができないリスク
船舶リースでは基本的に中途解約は不可能です。
会社の経営悪化などによりどうしても中途解約をしなければならない状況の場合、リース契約の売却という形での中途解約も可能ですが、出資額の5~8割程度しか戻らないと考えたほうが良いでしょう。
また、売却先も自分では決められず、リース会社の決定に従う形になります。
船舶リースは条件が合えば高い節税効果を実感できる
船舶リースはオペレーティングリースという投資法。
多額の資金を匿名組合に出資し、匿名組合が購入した船舶を海運会社にリースし、リース料を得つつ終了後には売却益も得る仕組みです。
船舶リースが節税に効果があるのは、減価償却費も出資者に分配されるため。
出資額が大きいので、リース初年度から多ければ8割を経費として計上できます。
事業で一時的に大きな利益が出た年や、事業承継における自社株対策として活用すれば高い節税効果が実感できるはずです。
ただし、船舶リースはデメリットやリスクも大きいため、活用できる法人の条件は厳しめです。
他の投資方法などとも十分比較・検討されることをおすすめします。
節税対策には太陽光発電投資という方法もあります。
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