2022.02.25
ベンチャー投資で節税になるエンジェル税制とは?投資のメリットも紹介
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの石井です。
ベンチャー企業に投資をする「ベンチャー投資」が節税になるのをご存知でしょうか?
チャレンジ精神あふれるベンチャー企業を支援・育成するために投資でき、さらに節税にもなるのは嬉しいですよね。
今回は、ベンチャー投資が節税になる仕組みや投資方法、シュミレーションもあわせて解説します。
目次
ベンチャー企業へ投資!節税になるエンジェル税制とは
ベンチャー企業へ投資をする人を「エンジェル投資家」と呼びます。
そして、そんなエンジェル投資家が受けられる所得税の税制優遇措置を「エンジェル税制」と言います。
通常、株式を購入したり、株式の売買によって損失が出た場合には、一切の税制優遇を受けることはできません。
しかし、エンジェル税制を使ってベンチャー企業に投資をした場合、株式の購入時に所得税控除が受けられたり、売却時に損失が発生した場合には、通常は控除ができない上場株の売却益と相殺したりすることができるのです。
一般の株式の売買は「投資」ですが、エンジェル税制が適用できれば「投資+節税」が同時に行えるケースもあるということになります。
ベンチャー投資で節税できるエンジェル投資の仕組みや節税例も確認
エンジェル税制には「優遇措置A:投資をした年に受けられる所得税の優遇措置」と「優遇措置B:株式を売却した際に損失が出た場合に受けられる所得税の優遇措置」の2種類の税制優遇措置があり、いずれかを選択することができます。
この2つの優遇措置について、それぞれ説明していきます。
優遇措置A:投資をした年に受けられる所得税の優遇措置
優遇措置Aは、投資をした年に所得税の優遇措置が受けられるもので、設立3年未満の企業が対象です。
【(対象企業への投資額-2,000円)をその年の総所得金額から控除】
※控除対象となる投資額の上限は、総所得金額×40%と1,000万円のいずれか低い方
優遇措置B:株式を売却した際に損失が出た場合に受けられる所得税の優遇
優遇措置Bは、株式の売却時に損をしたときに、他に所有している株式の売却益が発生していれば、それと相殺してよいというものです。
設立10年未満の企業が対象となります。
【対象企業への投資額全額を、その年の他の株式譲渡益から控除】
※控除対象となる投資額の上限なし
優遇措置Aと優遇措置Bはお得になる方を選択する
エンジェル税制を利用した優遇措置A・Bは、適用条件を満たしたうえでいずれかを選択できます。
実際にシミュレーション例を見てみましょう。
<条件>
- 総所得金額:800万円
- ベンチャー企業への投資:500万円、その後100万円で売却
- 他の株式の譲渡益:300万円
①ベンチャー企業への投資時点
・優遇措置Aの場合
総所得金額800万円×40%-2,000円=319万8,000円を総所得金額から控除
・優遇措置Bの場合
ベンチャー企業への投資金額500万円が他の株式の譲渡益300万円を超えているので、300万円全額を株式譲渡益から控除
この場合、優遇措置Aの方が控除額が大きいことになります。
②ベンチャー企業の株式を100万円で売却して損失が発生した時点
・優遇措置A
取得原価は、総所得金額から控除した319万8,000円を取得価額500万円から引き下げた180万2,000円です。
100万円で売却した場合、80万2,000円の損失が発生したことになります。
この損失をその年と翌年以降3年間、株式の譲渡益から繰り越しで控除できます。
・優遇措置Bの場合
株式譲渡益から控除した300万円を取得価額500万円から引き下げた200万円が取得原価です。
100万円で売却した場合、100万円の損失が発生したことになります。
この損失をその年と翌年以降3年間、株式の譲渡益から繰り越しで控除できます。
この場合、優遇措置Bの方が控除額が大きいことになります。
エンジェル税制の対象の企業を探す方法や投資方法もチェック!
エンジェル税制対象の企業を探す方法をご紹介します。
直接投資する方法
中小企業庁のホームページにはエンジェル税制対象企業一覧が掲載されているので、そこから自力で探す方法です。
しかし、事業内容の詳細がわからない他、事業者数も限られているので、将来性あるベンチャー企業を効率良く探し出すのは難しいかもしれません。
認定投資事業有限責任組合または証券会社経由に投資する方法
株式投資型クラウドファンディングを利用する投資法のことです。
クラウドファンディングサービスを株式投資に落とし込んだ方法で、投資家はクラウドファンディングサービスが提供する情報から、ベンチャー企業の事業内容や将来性を見極めたうえで投資をすることができます。
エンジェル税制の税制手続き方法とは
エンジェル税制を利用するには「投資を受けた企業」と「投資家」それぞれ手続きが必要です。
- 投資を受けた企業…「確認書」の発行申請を行う
- 投資家…企業からの「確認書」を受け取り、確定申告をする
「確認書」の発行には、投資を受けた企業が自社がエンジェル税制適用企業であることを確認し、経済産業省に必要書類を沿えて申請する必要があります。
ベンチャー企業が経済産業省へ申請する際に必要な書類は、以下の通りです。
- 申請書
- 定款
- 登記事項証明書
- 株主名簿
- 従業員数を証するもの
- 投資をした個人と企業との間の投資契約書の写しなど
(場合により必要なもの) - 直前期のBS、PL、CFなど
- 確定申告書別表二の写し
- 税理士が署名した確定申告書別表ー(ー)の写し
- 法人事業概況説明書の写し
- 事業計画書
- 法人設立届出書など
経済産業省からベンチャー企業へ確認書が交付された後、企業から投資家へ確認書を送付します。
その際に交付する書類は、以下の通りです。
- 経済産業大臣からの確認書
- 投資をした個人が減税対象要件を満たしていることの確認書(企業作成)
- 株式異動状況明細書
投資家は、企業から受け取った以上の書類を持って確定申告を行うことで、エンジェル税制が適用されます。
ベンチャー企業への投資はエンジェル税制で節税しよう
ベンチャー企業へ投資する投資家のことを「エンジェル投資家」と呼び、株式の購入時・損失発生時に投資家が受けられる所得税の税制優遇措置のことを「エンジェル税制」と言います。
エンジェル税制には優遇措置A・Bがあり、利用要件が異なります。
いずれか一方を選択できるので、ご自身の条件に合わせ、より控除の条件が良いほうを選ぶことができます。
エンジェル税制適用の企業に投資する方法は、自分で中小企業庁のホームページから探す方法と、株式投資型クラウドファンディングを利用する方法があります。
個人投資家の場合、株式投資型クラウドファンディングを利用する方法が一般的です。
エンジェル税制を受けるためには、投資された企業側は経済産業省への申請、投資家は確定申告が必要です。
節税対策には太陽光発電投資や環境事業投資もおすすめです!
ご興味がある方は、ぜひお気軽にアースコムへお問い合わせください。