2023.12.04
太陽光発電の名義変更に必要な手続きを解説!注意すべきポイントも
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
太陽光発電設備は、国への設備認定や電力会社との売電契約、メーカー保証など、さまざまな手続きをするため、設備設置者の名前が紐づけられています。
そのため、太陽光発電設備の持ち主が変わる場合には、名義変更が必要となります。
今回は太陽光発電に関して名義変更を行うケースについてや、その手続き方法、必要書類などについてご紹介します。
あわせて、名義変更の際に気をつけるポイントについても見ていきましょう。
目次
太陽光発電の名義変更はどんなときに行う?手続き方法や書類も詳しく
太陽光発電設備はさまざまな手続きと結びついているため、設備の持ち主の名義は非常に重要な情報です。
そのため、設備の持ち主が変わる事象が起きた場合には名義変更が必要です。
名義変更のタイミングとしては「相続」「生前贈与」「太陽光発電設備付きの中古住宅を購入したとき」「戸籍上の氏名が変わったとき」などです。
生前贈与のタイミングの一つとして、蓄電池導入時が挙げられます。
既存の太陽光発電設備に追加で蓄電池を付けるときには、国への申請が必要です。
そのため、名義変更も一緒にしてしまおうというケースが多いようです。
太陽光発電で名義変更の手続きが必要になる場面は非常に多いです。
以下の引き継ぎの際に必要となるため、漏れが無いよう確認していきましょう。
特に事業計画認定や土地登記簿、売電契約の際は確実に変更しておかなければなりません。
事業計画認定(旧設備認定)
経済産業省に申請する事業計画認定は所有者が変わるときに名義変更が必要です。
変更理由により、提出する書類が異なります。
①生前贈与(事業譲渡含む)の場合に必要な書類
- 譲渡契約書もしくは、譲渡証明書(原本)
- 個人の場合…譲渡する人とされる人の両方の住民票の写し、戸籍謄(抄)本(原本)もしくは住民票記載事項証明書(原本)のいずれか
- 法人の場合…譲渡する人とされる人の両方の履歴事項全部証明書(原本)
- 譲渡する人とされる人の両方の印鑑証明書(原本)
- 裁判所による破産管財人証明書(破産による譲渡の場合のみ)
- 土地の取得が伴う場合…土地登記簿謄本、不動産売買契約書など
②相続の場合に必要な書類
- 被相続人の戸除籍謄本(原本)(附票も必要。附票が無い場合は住民票の除票でも可)
- 法定相続人全員の戸籍謄本(原本)または法務局発行の法定相続情報(原本)
- 法定相続人全員の印鑑証明書(原本)
- 遺産分割協議書または相続人全員の同意書
事業計画認定の名義変更の手続き方法
以下の経済産業省のホームページから申請できます。
以下のステップで申請ができます。
- 再生可能エネルギー電子申請サイトに名義変更前の持ち主のログイン情報でログインする
- 該当の事業認定計画のIDを選択し「変更認定申請」を選ぶ
- 変更情報を入力し、添付書類をアップロードする
- 変更後の名義人に確認メールが届くので確認し、問題が無ければ「承諾」を選ぶ
- 審査完了通知のメールを確認して変更完了
審査完了までは数ヶ月かかることもあるため、心得ておきましょう。
売電契約
売電契約の名義変更をしておかないと、前の契約者に売電収入が支払われ続けることになります。
名義変更に必要な書類の一例として「口座振込依頼書」「電力受給契約申込書(低圧)」「名義変更前・後のそれぞれの個人情報」「発電所の設置場所」「電力会社から発行されているお客様番号」などがあります。
必要な書類は電力会社によって異なるため、必ず確認をしてください。
手続きは、電力会社のカスタマーセンターに電話で問い合わせて行うことが多いようです。
土地登記簿
土地登記簿とは、土地・建物などの所有者を示す書類のことです。
土地登記簿の名義変更は、名義変更の理由により手続きに必要な書類が異なります。
①生前贈与(事業譲渡含む)の場合に必要な書類
- 贈与者の印鑑証明書、登記済権利証、固定資産評価証明書、登記簿謄本(全部事項証明書)
- 受贈者の住民票
- 登記識別情報
- 登記原因証明情報(贈与契約書) など
②相続の場合に必要な書類
- 被相続人の戸籍謄本・除籍謄本、住民票の除票
- 相続人の戸籍謄本、住民票
- 登記申請書 など
土地登記簿の名義変更の手続き方法
必要な書類を揃えて、法務局に提出します。
書類はご紹介したもの以外にも提出を求められることもあるので、事前に確認をしてください。
また、土地登記簿の名義変更ではトラブル防止のため「抵当権設定」「地上権設定」「賃借権設定」などの登記設定を必ず確認しましょう。
土地登記簿の名義変更は手続き内容が複雑なので、太陽光発電業者、司法書士、不動産業者など、手続きにかかわる専門家に代行依頼することをおすすめします。
メーカー保証
太陽光パネル、パワーコンディショナーには、それぞれメーカー保証が付いています。
名義変更の方法はメーカーにより異なりますが「名義変更依頼書」「保証書」などが必要になることが多いようです。
会社によっては名義変更による保証引き継ぎを行っていないケースもあるため、事前に確認をしましょう。
メンテナンス契約
メンテナンス契約の名義変更は、前契約者が解約し、新契約者が新規で契約を結ぶという形になります。
そのため、新契約者は他のメンテナンス会社と契約を結んでもOKです。
トラブル防止のため、メンテナンス契約の名義変更前に業者に点検を依頼し、設備の不具合や故障が無いことを確認しておくことをおすすめします。
保険
太陽光発電の損害保険の名義変更は、変更理由によって異なります。
保険会社によっても手続きの方法や必要書類が異なりますので、確認をしてから行ってください。
①売買などによる名義変更の場合
前契約者は解約手続き、新契約者は新たに契約をします。
②相続による名義変更の場合
「権利継承」をすれば、満期まで契約を引き継げます。
償却資産申請
太陽光発電設備は償却資産なので、固定資産税(償却資産税)の名義変更が必要です。
手続き先は、該当の自治体になります。
償却資産申請が必要かどうかは太陽光発電設備の容量によって異なりますが、10kW以上であるなど、事業として行っている場合は申請が必要です。
10kW未満の場合は、申請を必要としないケースがあるものの、太陽光発電を事業として行うのであればほぼ必須です。
申請の方法や必要な書類は各自治体に問い合わせてください。
この他、太陽光発電の名義変更をしなければならないものはたくさんあります。
ここで紹介したもの以外にも太陽光発電に関して契約したものがあれば、すべて名義を変更することを忘れないようにしましょう。
太陽光発電の名義変更を行う際に気をつけるポイントも知っておこう
太陽光発電の名義変更を行うときには、気を付けておかないと損をしてしまうこともあります。
注意点も確認しておきましょう。
申請に時間がかかるものもあるため早めの準備を
特に事業計画認定は申請完了までには半年ほどかかるなど、完了までに長く時間がかかることがあります。
時間に余裕をもって手続きをしましょう。
また、手続き完了までには前契約者と新契約者が情報を共有する場面も多いです。
連絡がスムーズにいくような体制を整えておくと、作業も円滑に進みます。
売電契約は新規ではなく継続にする
売電単価は年々下落しています。
名義変更の際に改めて「新規」で契約をしてしまうと、その時点の売電単価が適用されてしまい、売電価格は確実に下がります。
名義変更では、以前の売電単価が引き継げる「継続」を必ず選んでください。
贈与税・相続税が発生するケースがある
親や子、祖父母などの親族間での名義変更を行う場合、それぞれの立場や関係性に応じた額の相続税や贈与税が発生することがあります。
祖父母から子・孫に贈与するケースでは「緑の贈与」制度を適用すれば、贈与税の節税が可能になります。
太陽光発電で名義変更が必要なものは多い!注意点も要チェック
太陽光発電の名義変更は、事業計画認定や土地登記簿、売電契約などの確実に変更しておかなければならないものに加え、メーカー保証やメンテナンス契約など、太陽光発電にかかわる契約はすべて手続きが必要です。
名義変更の理由により揃える書類が異なるものもあり、内容も複雑なので、間違いが無いよう、太陽光発電業者や不動産業者、司法書士などの専門家にお任せすると安心です。
申請完了までには長い時間を要するものもあります。時間に余裕をもった手続きが大切です。
前契約者と新契約者の両方の情報が必要になるものも多いので、連絡はしっかりと。
売電契約は新規で契約してしまうと売電収入が落ちてしまいますので気をつけましょう。
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