2021.02.24
太陽光発電の発電量の疑問を解決!収支例や発電量を上げる方法も参考に
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
太陽光発電の発電量がわかると収益が計算できるので、太陽光発電を行っている方は知っていて損はありません。
今回は太陽光発電における発電量の目安や、日本で平均どのくらい発電できるかなどの基礎的な知識とともに、発電量をアップさせる方法もご紹介します。
目次
太陽光発電の発電量はどのくらい?発電量の疑問を詳しく!
太陽光発電でよく使う単位に「kW」と「kWh」があります。
発電量の話の前に、まずは単位の違いをおさえておきましょう。
- kW(キロワット)…電力を表す単位。太陽光発電では発電能力のこと
- kWh(キロワットアワー)…1時間あたりの電力量を表す単位。太陽光発電では1時間あたりの発電量のこと
ソーラーパネル出力容量1kWあたりの日本の年間発電量の目安は、約1,000kWhと言われています。
つまり、1日あたりの発電量は1,000kWh÷365日=約2.7kWhとなります。
日本の一般家庭における太陽光発電のシステム容量は3~5kWが主流なので、日本の家庭における年間平均発電量は3,000~5,000kWhとなります。
発電量の計算がわかれば、発電所の導入前に具体的なシミュレーションをすることができ、年間の収益がわかります。
費用回収にかかる期間なども目途が付けられるので、長期的に運用を行う太陽光発電において重要な指標となります。
太陽光発電の発電量を計算しよう!計算式や収支例を参考に
年間発電量の計算では、太陽光の強さを示す「日射量」を使います。
日射量を調べるためには、NEDOや気象庁のポイントデータがあります。
年間発電量の計算式は「年間日射量×0.85(システム出力係数/損失係数)」で求められます。
どんなソーラーパネルを使っても、パネルからパワーコンディショナーに変換するときに電力損失が出るため、日本では0.85をシステム出力係数として計算することが多いです。
省エネルギーセンターのデータによると、4人家族の平均年間消費電力量は約5,500kWhです。
具体的な数値を例に出して、収支を計算してみましょう。
<4人家族(オール電化住宅)の電気料金収支>
一ヶ月の平均電気使用量:500kWh
一ヶ月の平均電気代:12,000円(基本料金1,650円と再エネ賦課金1,500円込)
一ヶ月の日中の平均電気使用量:150kWh(日中の電気使用割合30%)
屋根方位:真南
屋根角度:30度
ソーラーパネルのシステム容量:4kW
設置地点:福岡(平均日射量3.78kWh/㎡/日)
売電価格:21円
ソーラーパネル1kWあたりの年間予想発電量は次のように計算できます。
3.78kWh/㎡/日×0.85×1kW×365日÷1kw/㎡=約1,173kWh/年
ソーラーパネルはシステム容量が4kWなので、1,173kWh/年×4kW=4,692kWh/年
年間日中電気使用量は、150kWh×12ヶ月=1,800kWh
太陽光発電の売電収入は余剰売電なので、年間予測発電量から年間日中電気使用量を引きます。
(4,692kWh-1,800kWh)×21円(売電価格)=60,732円(一年間の売電収入)
年間の電気代は12,000円×12ヶ月=144,000円なので、電気代の約42%を削減できることになります。
システム容量10kW未満の住宅用太陽光発電は余剰売電なので、使用電気量を抑えるとさらにに節約が可能です。
太陽光発電の発電量を上げる方法と下げる要因
太陽光発電では、いくつかのテクニックを使えば発電量を上げることができます!
逆に発電量を下げる要因になるものもあるので、どちらにも気をつける必要があります。
太陽光発電の発電量を上げる方法
太陽光発電の発電量の鍵はソーラーパネルの角度と向きにあります。
最も効率良く発電できるのは、太陽光がソーラーパネルに直角に当たるときです。
日本の場合、一般的に「南向きで傾斜角を30度」になるように取り付けるのが理想的だと言われています。
ただし、最適な傾斜角は地域だけでなく季節によっても異なるため、設置地域に合わせた調整が必要です。
南向きに設置できない場合は、朝方か夕方にしっかりと太陽光が当たる方角に設置しましょう。
その際は、水平に近い角度で設置すると太陽光が長時間当たり、発電量が伸びます。
その他、パネルが両面に付いているものを選ぶ方法もあります。
両面のソーラーパネルは地面に垂直に設置するので、地面からの反射光でも発電ができて無駄がありません。
また、パネルが雪に積もるのを防ぐことができ、地表が白いほど発電効率が上がるので雪国にもピッタリです。
太陽光発電の発電量を下げる要因
パネルの向きや角度に気をつけていても発電量を下げてしまう要因がいくつかあります。
対策が難しい要因としては「熱損失」と「経年劣化」「パワーコンディショナー(パワコン)変換時の損失」があります。
ソーラーパネルは気温25度のときに最も発電効率が良くなるようにできていて、温度が1度上昇するごとに約0.5%ずつ発電量が低下するというデータがあります。
また、ソーラーパネル内の配線の劣化などによっても年々発電効率は落ちます。
パネルの種類によって異なりますが、一般的に毎年0.25~0.5%程度、発電効率が落ちると言われています。
パワコンは太陽光発電ではソーラーパネルで生み出した太陽光エネルギーを家庭用の電力に変換するために欠かせない装置ですが、変換の際に約5%のロスが出ます。
発電量を下げる要因にはコントロールできるものもある
ソーラーパネルの性能を損なってしまう原因には、「影」や「ソーラーパネルに付着した汚れ」といった「ソーラーパネルの性能が最大限発揮できない状態」もあります。
影については、周辺の建物や木による影以外にも、伸びた雑草が影を作ってしまうケースがあります。
また、ソーラーパネルは、砂ぼこりや黄砂、花粉、落ち葉や鳥のフン、ゴミなどさまざまな汚れが付着しやすいです。
少しの汚れなら雨で流れますが、鳥のフンのような汚れはパネルの洗浄をしないと取れません。
汚れがある部分には光がうまく当たらず、発電量を低下させる原因になります。
発電量を下げてしまうこれらの要因を解消できるのがメンテナンスです!
除草作業やパネル清掃などのメンテナンスは、発電量アップに高い効果が期待できるばかりでなく、故障や不具合の防止にもつながります。
福島の太陽光発電投資物件を豊富に扱うアースコムでは、太陽光発電メンテナンスパッケージも取り扱っております。
お気軽にご相談ください!
太陽光発電の発電量がわかれば売電収入が分かる
太陽光発電の発電量が計算できれば、年間の発電量が予想できるので売電収入もわかります。
太陽光発電は長期間運用するものなので、数年先まで収支が分かると資金返済の計画が立てやすくなりますよ。
発電量の計算は数値を当てはめていけばシミュレーション可能です。
住宅用の太陽光発電は余剰売電なので、消費電力を抑えれば抑えるほど節約効果が高まります。
発電量を上げる方法には、パネルの向きと角度が肝心です。
住宅の屋根に載せる予定であれば、建築段階でパネルの向きや角度もあわせてご検討されるといいでしょう。
逆に熱損失や経年劣化、パワコンへの変換時に生じる損失などは発電量が低下してしまう要因です。
メンテナンス不足も発電量低下の原因となりますので、定期的なメンテナンスはぜひ取り入れてくださいね。