2025.10.01

10年目の太陽光発電に差をつける!収益アップに直結する「リパワリング」の実践法

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こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコム副代表の丸林です。

日本国内では、2012年のFIT開始から10年以上が経過し、初期導入設備の老朽化が進む中で「リパワリング」が注目されています。今回は、収益性を高めるためのリパワリング活用法について詳しく解説いたします。

 

 

リパワリングとは?10年目以降の発電設備が抱える課題

太陽光発電設備は、導入当初から10年を過ぎたあたりから、目には見えにくい“経年劣化”が表面化してきます。特にパワーコンディショナー(通称パワコン)は寿命が10~15年程度とされており、変換効率が低下しやすく、発電ロスの要因になります。

また、太陽光パネル自体も出力性能が数%ずつ低下しており、売電収入への影響は避けられません。このような状況を受けて注目されているのが「リパワリング」です。これは、劣化した設備を最新機器に交換・追加することで、発電効率を回復・向上させる手法であり、欧州では一般化しているメンテナンス戦略です。

単なる清掃や点検ではなく、設備そのものを再構築するこの取り組みは、国内でもようやく普及が進みつつあります。

 

 

リパワリングがもたらす具体的なメリット

リパワリングには、単に発電効率を回復させるだけでなく、さまざまなメリットが存在します。第一に挙げられるのは、「売電収入の改善」です。たとえば、旧型パワコンから最新機器に交換することで変換効率が5~10%改善され、年間で数万円〜十数万円の収入増が見込めるケースも報告されています。

次に、「事故リスクの軽減」です。老朽化したケーブルやコネクタ類の劣化を放置しておくと、発熱やショートによる火災リスクが高まります。リパワリングではこれらの不具合部品も総点検されるため、安全面でも大きな利点があります。

さらに、機器の更新は設備の「売却価値向上」にも寄与します。中古市場では、劣化した設備よりも、最新技術に更新されたシステムのほうが高評価で取引されやすいため、将来的な売却を検討している場合にも非常に有効です。

 

 

実践する際の手順と費用の目安

リパワリングを行う際には、以下のようなステップが基本となります。

  • 現地調査・診断
    まずは既存設備の状態を詳細に診断し、パネルやパワコンの劣化度、配線・架台の耐久性などを調べます。

 

  • 導入計画の策定
    調査結果に基づいて、交換対象機器と工事スケジュール、予算を明確化し、投資回収計画を立てます。

 

  • 機器交換・増設工事
    施工業者と連携して、発電停止リスクを最小限に抑えつつ、効率よく施工を実施します。

 

  • アフターサポートと運用再開
    導入後は、保証体制や保守計画の見直しも重要です。

費用面では、パワコンの一括交換でおおよそ100~300万円程度、パネル増設を含めると300〜600万円程度が一般的な目安です(規模や条件により上下します)。しかし、発電量の向上分で3〜5年程度での投資回収が可能というケースも多く、長期的には非常にコストパフォーマンスの高い施策となります。

 

 

 

 

補助金制度と今後の制度転換への対応策

近年では、リパワリングに対しても国や自治体、業界団体による補助金・支援制度が設けられており、これらを活用することで初期費用の負担を軽減できます。特に、エネルギー自立を推進する地域では最大で50%の助成が受けられる例もあり、導入前にしっかりと情報収集することが重要です。

また、10年目以降にはFIT(固定価格買取制度)の終了も視野に入ってきます。これに伴い、「FIP(市場連動型プレミアム制度)」や「自家消費+蓄電池」といった運用方法に移行するケースも増加傾向です。リパワリングは、こうした制度転換のタイミングにあわせて設備を最適化する手段としても非常に有効です。

たとえば、蓄電池を同時に導入すれば、発電した電力を市場価格の高いタイミングで売電する「ピークシフト」戦略も可能となり、収益のさらなる最適化が図れます。

 

 

 

まとめ:10年目以降の太陽光設備に「再投資」という選択

太陽光発電設備の収益性を長期にわたって維持・向上させるためには、「設置したら終わり」ではなく、10年目以降にこそ再投資としてのメンテナンスと設備更新が不可欠です。

リパワリングは、発電効率の向上、安全性の確保、将来の制度対応に備えるうえで、今後ますます必要とされる選択肢です。もし「最近発電量が落ちている」「10年目を迎えた」「将来の収益に不安がある」という方がいれば、今こそ現状の診断とリパワリング導入の検討をおすすめいたします。

 

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ご不明点があればお気軽にご相談ください。
アースコムでは、導入前の無料診断から機器選定、施工、アフターサポートまでワンストップで対応いたします。

 

次回のコラムでは「FIP制度移行後に収益を最大化する自家消費戦略と蓄電池の選び方」について詳しく解説予定です。どうぞお楽しみに!