2023.12.06
太陽光パネル(ソーラーパネル)の種類ごとの特徴やメリットを紹介!
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
太陽光パネルには、実はいろいろな種類があるのをご存知でしょうか。
私たちが普段使う乾電池にもアルカリ電池やマンガン電池などがあるように、太陽光パネル、いわゆる太陽電池も異なる素材があり、それによって発電効率なども変わってきます。
今回は、太陽光パネルにはどんな種類があるかを紹介するとともに、メリットやデメリット、パネルの選び方についても解説します。
目次
まずは基本!太陽光パネル(ソーラーパネル)の仕組みから
太陽光パネルは、ソーラーパネルや太陽電池モジュール、太陽電池と呼ばれます。
「電池」という名前が入っていますが、太陽光パネル自体が電力を保持することはできません。
太陽光パネルは太陽光による光エネルギーを電気エネルギーに変換する、発電機のような役割を果たしています。
発電する仕組みは、太陽光パネルに内蔵されている半導体にあります。
太陽光がパネルに当たると、パネル内の半導体の電子が動かされ、その作用によって電力が発生します。
半導体の種類には「シリコン系」「化合物系」「有機物系」などの種類があり、素材の違いによって発電効率が異なります。
発電効率とは、太陽光をどのくらい電気エネルギーに変換できるかという指標のことです。
発電効率が高ければ高いほど、効率よくたくさんの電気を生み出すことができます。
太陽光パネル(ソーラーパネル)の種類を詳しく紹介
太陽光パネルの素材(ソーラーパネル)は、大きく分けて「シリコン系」「化合物系」「有機物系」の3つがあります。
それぞれの特徴をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
シリコン系
シリコン系の中でも以下のようにさらに細かく分類され、それぞれに特徴があります。
- 結晶シリコン系(単結晶シリコン、多結晶シリコン)
- 薄膜シリコン系(微結晶シリコン、アモルファスシリコン)
結晶シリコン系
結晶シリコン系は太陽光パネル開発時から使われている素材で、現在最も多く流通しています。
単結晶シリコン
ソーラーパネルの元祖的存在。
歴史が古く、世界でも最も使われているタイプで、非常に信頼感の高い素材と言えます。
小さな面積でも発電効率が高いのが特徴で、耐久性もあるので家庭用のソーラーパネルに使われることが多いです。
デメリットとしては、気温が高い日には変換効率が落ちてしまうことや、コストが高いことが挙げられます。
多結晶シリコン
単結晶シリコンを作る際に発生した端材や、規格外のシリコンを集めて作るので、多結晶シリコンと呼びます。
発電効率は単結晶シリコンに劣るものの、その分コストが安いので産業用太陽光発電など、大規模な面積で発電を行う際によく使われます。
薄膜シリコン系
薄膜シリコン系の特徴は、名前の通り「薄い」ことにあります。
その薄さは結晶シリコン系の100分の1ほどで、薄いため柔軟に加工しやすいのが特徴。
軽いので、設置が難しかったトタン屋根など荷重制限のある建物にも設置できるというメリットがあります。
微結晶シリコン
多結晶シリコンよりも細かい結晶で作られていて、さらに結晶が細かくなるとアモルファスシリコンと似た性質になります。
アモルファスシリコン
特定の結晶構造を持たないため、非結晶シリコンとも言います。
光を反射せず、弱い光でも電力を発生させるという特徴があり、身近なところでは電卓や時計に使われています。
変換効率があまり高くないというデメリットがあるものの、気温が高くても変換効率が落ちにくく、光を反射しないため住宅地内での光が反射するトラブルを防ぐことができるというメリットもあります。
HIT太陽電池
ヘテロ接合型、ハイブリッド型とも呼ばれる、単結晶シリコンとアモルファスシリコンを組み合わせ、それぞれの長所を生かしたパネルです。
変換効率が高く、熱に強いので気温が高くなっても変換効率が落ちにくいのが特徴です。
化合物系
シリコンを含まない素材で作られた化合物系パネルは、宇宙空間にも使うことができ、実際に人工衛星などにも採用されています。
化合物系には主にCIS太陽電池とCIGS太陽電池の2種類があります。
銅、インジウム、セレンから成るものがCIS太陽電池、それにガリウムが加わったものがCIGS太陽電池です。
開発途上のため、更に発電効率を上げていく必要があるなどの課題があるものの、シリコン系のパネルに比べ低コストで作れるため、今後はさらに流通することが予想されます。
有機物系
有機物を使ったパネルで、有機薄膜と色素増感の2種類があります。
いずれもまだ研究段階にあるという点はデメリットですが、実用化に大きな期待が高まっている素材です。
有機薄膜は軽くて薄い素材で、低コストで実現可能と考えられているため、プリンターのようなもので作ったり、着色したりといったことが可能になると言われています。
たとえば、農業に使うビニールシートを太陽電池で作るといったことができると考えられており、実用化すれば太陽光発電の常識を大きく変える技術になります。
色素増感は色素の色を変えられることで、デザイン性が高いパネルが作れるのが特徴です。
コストも低く、さまざまな分野での活用が期待されています。
また、近年はパネルの種類の一つとして、裏面にあたった反射光なども電力にできる「両面パネル」の需要も高まっています。
片面だけのパネルより発電量を大きく上げることが可能なため、効率よく太陽光を捉えるために検討してみても良いでしょう。
太陽光パネル(ソーラーパネル)の種類、どう選ぶべき?
太陽光パネル(ソーラーパネル)の種類は、設置する場所やコストに合わせて選ぶのがおすすめです。
いくつか例を挙げてみましょう。
住宅など狭い面積に設置する場合
発電効率が高い単結晶シリコンがおすすめです。
メガソーラー、産業用太陽光発電など大規模な面積に設置する場合
コストバランスのよい多結晶シリコンがおすすめです。
発電効率は単結晶シリコンには劣りますが、枚数が多くなるので費用回収しやすくなります。
荷重が気になる建物に設置する場合
軽量化されたパネルを選ぶのがコツです。
軽い素材でできたパネルは、屋根だけでなく壁にも取り付けが可能なので、設置場所が限られているケースにも有効です。
暑い地域に設置する場合
気温が高くなり、発電効率が落ちてしまうのを防ぐため、年間平均気温が20度を超える地域では熱に強いHIT(ハイブリッド型・ヘテロ接合型)が向いています。
雪国に設置する場合
パネルに雪が積もると発電できなくなってしまうため、雪国ではパネルを立てた状態で設置する両面パネルがおすすめです。
パネルが両面にあるので雪が降らない季節でも発電効率が高いだけでなく、雪に当たった反射光でも発電可能です。
パネルに雪が積もるのも防ぐことができるので、発電ロスを抑えられます。
海に近い場所に設置する場合
塩害対策がされているパネルを選びましょう。
地域に合ったパネルを選ぶためには、その土地で施工実績のある業者を選ぶというのも大切なポイントです。
パネルの種類だけでなく、設置方法なども地域の特性に合わせる必要があります。
太陽光パネル(ソーラーパネル)の種類は設置場所に合ったものを
太陽光パネル(ソーラーパネル)の種類は大きく分けて、シリコン系、化合物系、有機物系の3つ。
現在最も主流なのがシリコン系で、住宅地やメガソーラーなどで活用されています。
化合物系と有機物系は研究段階のものや実用化に向けてのコストダウンなどの課題が残っているものが多いのがデメリットですが、化合物系は宇宙空間にも採用される素材であったり、有機物系は加工性に優れていて太陽光発電の常識を変える可能性を持っている素材。
実用化に大きな期待が持たれている分野です。
設置場所によって、熱に強いもの、パネルが軽いもの、コストが安いものなど、特性を生かしたパネルを選ぶのがおすすめです。
発電量とコストのバランスも併せて考えましょう。
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