2023.12.05
太陽光発電のエネルギー効率(変換効率)とは?その見方や影響される要因
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
太陽光発電の「エネルギー効率」や「発電効率」「変換効率」といった言葉を聞いたことはありませんか?
エネルギー効率は太陽光発電を行うのであれば、ぜひ気にしておいてほしいキーワードの一つです!
今回はエネルギー効率について、その意味やどんなときに活用するか、計算方法、エネルギー効率に影響する要因などを解説します!
目次
太陽光発電におけるエネルギー効率(変換効率)とは?
太陽光発電におけるエネルギー効率は「変換効率」や「発電効率」とも呼び、「太陽光のエネルギーをどのくらいの割合で電気エネルギーに変えることができるのか」を知るための指標のことを言います。
エネルギー効率が高いものほど、効率よく多くの電気を作ることができるというのがわかるため、太陽光発電設備の性能をわかりやすく比較することができます。
市販の太陽電池のエネルギー効率の平均は、約15〜20%ほどが目安です。
各メーカーの比較ポイントとしても、エネルギー効率を見ることで判断することができます。
近年、各メーカーそれぞれエネルギー効率向上のため開発を進めており、短い期間でもさらに性能アップした製品が発売されている可能性もあります。
太陽光発電を検討する際は、最新情報を常にチェックすることも重要です。
太陽光発電のエネルギー効率(変換効率)は2つの見方がある
太陽光発電のエネルギー効率(変換効率)の見方には、「モジュール変換効率」と「セル変換効率」の2つがあります。
「モジュール変換効率」はモジュール1平方メートルあたりの変換効率、「セル変換効率」は太陽電池セル一枚あたりの変換効率のことです。
それぞれの計算方法は以下のようになります。
- モジュール変換効率
モジュールの最大出力エネルギー÷(モジュールの面積×1000)×0.1 - セル変換効率
(セルの面積×セルの枚数×1000)÷モジュールの最大出力エネルギー×0.1
セル変換効率の方が数値が大きくなるため、性能が良いと誤って判断してしまう可能性があることから、実質的な性能を判断したいときにはモジュール変換効率を参考にすることをおすすめします。
また、一般的に太陽光発電のエネルギー効率を示す場合には、モジュール変換効率が使われていることが多いです。
太陽光発電のエネルギー効率(変換効率)はこんな要因が影響する
エネルギー効率(変換効率)は、製品の指標として出しているものより低くなるケースがあります。
エネルギー効率がメーカーの指標よりも大幅に下がる場合は何らかの不良が考えられ、メーカー保証で対応可能です。
製品の不具合以外で、エネルギー効率が左右される以下の要因があります。
エネルギー効率を下げないためにも知っておきましょう。
- ソーラーパネルの種類
- 経年劣化
- 気温
- 雪
- 雷、台風などの災害
- 塩害
- メンテナンス不足
それぞれについて、対策も含めて詳しくご説明していきます。
ソーラーパネルの種類
ソーラーパネルの素材にはさまざまで、シリコン系や化合物系、有機系、有機無機ハイブリッド系などがあり、種類によってもエネルギー効率は変わります。
ソーラーパネル市場の約9割を占めるのが結晶シリコン系で、なかでも「単結晶シリコンパネル」はエネルギー効率が高く、スペースが限られてしまう一般のご家庭での太陽光発電パネルにもよく使われる製品です。
経年劣化
太陽光発電設備の寿命は、ソーラーパネルが20~30年、パワーコンディショナーが10~15年が目安です。
性能としては、この時期を迎えたときにガタっと落ちるというわけではなく、1年に0.27%ずつエネルギー効率が落ちていくとされています。
高温
メーカー発表のエネルギー効率は気温25度のときを基準にしており、温度が1度上がるごとに0.4~0.5%下がると言われています。
高温になりやすい地域での導入には「HIT(ヘテロ接合型ソーラーパネル)」という、高温によるエネルギー効率低下を抑えたソーラーパネルなどを選ばれるのもいいでしょう。
雪
積雪の影響で太陽光がパネルに届かず、発電効率が落ちることも。
雪が多い国で施工実績が豊富なソーラーパネルを選んだり、雪が落ちやすいように設置角度を調整したりすると、雪の影響を少なくすることができます。
雷、台風などの災害
落雷や台風による機器トラブルで発電が行えなくなり、発電効率が落ちることがあります。
台風によるパネルの飛散や破損、土砂災害が起きてパネルが流出するなどの大きなトラブルだけでなく、台風の飛来物がパネルに載ってしまうだけでも日が当たらない状態になり、発電効率は落ちてしまいます。
飛来物を防ぐためには太陽光発電の周囲にフェンスを設置することで、ある程度はカバーできるでしょう。
雷に関しては、パワーコンディショナーの1台あたりの容量を小さくして台数を増やす「分散化」を行う、避雷針や避電器の設置をするなどの対策があります。
塩害
海に近い地域では塩害によって設備がダメージを受けて発電効率が落ちることがあります。
海岸からの距離が2㎞以内は塩害地域に指定されていますので、塩害対策が施されたソーラーパネルを設置した方がいいでしょう。
メンテナンス不足
多少の砂やホコリなら雨で流れますが、鳥のフンなどの汚れや落ち葉などはパネルに残りやすく、光を遮るために発電効率が落ちてしまいます。
太陽光発電はメンテナンスフリーと言われることもありますが、定期的なメンテナンスや清掃はエネルギー効率を上げてくれます。
また、不具合に早く気付くことができれば故障による発電ロスを少なくすることにもつながります。
太陽光発電のエネルギー効率(変換効率)は重要な指標
太陽光発電のエネルギー効率(変換効率)は、太陽光エネルギーをどのくらいの割合で電気エネルギーに変換できるかという大事な指標です。
エネルギー効率の見方には、モジュール変換効率とセル変換効率の2つがありますが、製品性能の実質的な評価を行うときにはモジュール変換効率がよく使われます。
エネルギー効率に影響を与える要因はいくつかあり、ソーラーパネルの種類によって変わることもあれば、経年劣化によって性能が落ちて変換効率が下がってしまうことも。
高温や災害、塩害、雪などの自然の力によるものは完全に防ぐことはできませんが、その地域の気候に適した設備を選んだり、設置方法を工夫したりすることで改善できることがあります。
また、どんな地域でもメンテナンスを欠かさないことで発電効率は良くなります。
不具合による売電ロスを無くすためにも、定期的なメンテナンスを行いましょう。
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