2023.12.05
太陽光発電の架台の高さは?高くするメリットや注意点も解説
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
野立ての太陽光発電の架台の高さは、どのくらいが理想的なのかご存知ですか?
架台を高くすることで、効率よく発電ができるメリットがたくさんあります。
架台を高くするときの注意点もあるので、メリットと合わせて考えていきたいですね。
目次
太陽光発電の架台の高さはどのくらいがいい?
太陽光発電の架台の高さは地面からパネルの最も低い部分までの距離を指しており、高さの目安は60~100cm、低くても50cmはあったほうが良いとされています。
雪国など積雪が多い地域では低くても100cm、可能ならば180cmほどの高さが確保できると安心です。
なかには地上高が10cmといったかなり低い物件もありますが、パワコンのメーカー保証は30cm以下は対象外としているメーカーがほとんどで、架台が低すぎると保険も対象外になってしまいます。
パネルの下を人が通りやすいよう地上高を200cm以上取っているところもあり、架台を高くするメリットは多いです。
一方、あえて低く設置しているところもあるので、架台を高くするメリットや注意点について詳しく見ていきましょう。
太陽光発電の架台を高くするメリットは?
太陽光発電の架台を高くするメリットをご紹介します。
影の影響を受けにくい
太陽光発電で重要なのは影です。
影ができるとその分、発電量が落ちてしまうので、できるだけ影が当たる時間を減らさなければなりません。
架台を高くすることで、雑草が伸びてきたときに発生する影の影響を受けにくくなります。
また、南側に建物がある場合、架台を高くすることで影の影響を減少させることができます。
周辺環境を変えることは難しいですが、架台の高さの変更は自分でできる発電効率アップの方法として有効です。
砂やほこり汚れの影響を受けにくい
パネルが地面に近いほど砂やほこりをかぶりやすく、パネルが汚れて発電量が少なくなってしまいます。
特に無舗装の地面は雨天時の跳ね返りも多く、非常に汚れやすいです。
積雪時に雪を逃しやすい
雪が降ると、パネルに積もった雪は地面へと落ちて積もっていきます。
パネルの位置が高ければ、雪が積もってもパネルの高さまで到達するのに時間がかかるので、発電への影響を少なくすることができます。
メンテナンスが容易
太陽光発電には除草や清掃、機器の点検などのメンテナンスが必須です。
点検時は架台が高いほうが移動しやすく、便利です。
除草時に草刈り機を使う場合は小石が飛ぶとパネル破損の原因になりますが、架台が高ければパネル破損のリスクを減らせます。
雑草が生えるスピードはとても早いので、パネルが低いとあっという間に影が落ちてしまいますが、架台が高ければ雑草が追いつくのに時間がかかるため、除草の頻度を落とすこともできます。
雑草がパネルの裏面からパネルに刺さり、パネルを故障させてしまうこともあるので、パネルはできるだけ高いほうが安心です。
パネルの表面温度の上昇を抑える
太陽光パネルは熱を取り込む機器のため、熱さに強いのではないかというイメージがありますが、実はパネルの性能の基準は表面温度が25度とされています。
表面温度が25度以上のとき、1度上がるごとに約0.4%の熱損失が発生します。
夏は地面の表面温度が非常に高くなるため、パネルが低ければそれだけ影響を受けやすくなります。
架台を高くすることで風通しも良くなるので、熱を逃しやすくなるでしょう。
太陽光発電の架台を高くする時の注意点
太陽光発電の架台を高くすることでのデメリットもあります。
ただし、デメリットも立地条件を考慮したり必要なランニングコストと考えれば、必ずしも悪影響というわけではありません。
以下の注意点を踏まえたうえで検討してみましょう。
風の影響を受けやすい
パネルの架台が高くなると風通しが良くなる分、下からの風でパネルがあおられる可能性も高くなります。
強風対策のためパネルの架台をあえて低く設置しているケースもあるので、立地状況をふまえた高さの調整が必要です。
コストが高くなる
架台を高くした分だけ、単純に架台の機材費がかかります。
また、強風にあおられるリスクを減らすため、材質を強度が強いものに変更したり、筋交いを設置したりする必要があるのでコストは増えます。
ただしコストはかかりますが、架台が低いことによる発電量の低下による損失や故障のリスクを考えると、十分にやる価値のある措置だと言えるでしょう。
周辺の土地所有者とのトラブルの種になる
架台が高くなれば、発電所周辺の土地に落ちる影の面積も増えます。
特に発電所北側の土地は影の影響を受けやすいため、農作物を栽培をしている場合などはトラブルになりやすいため、高さや設置場所には気をつける必要があります。
太陽光発電の架台の高さは周辺状況もふまえて設定しよう
太陽光発電の架台の高さは低くても60cm、できれば100cmが理想的ですが、積雪地域は最低100cm以上はあったほうが安心です。
ただし、架台が高くなるとパネルが強風にあおられやすくなるため、あえて低く設置しているケースもあります。
架台を高くすると雑草の影響を受けにくかったり、パネルの汚損防止になったりと、発電効率を妨げないメリットがたくさんあります。
ただ、コストが高くなったり、周辺の土地に影響を与えてしまったりとデメリットも少なからずあるため、周辺状況をふまえた架台の高さが大切です。
注意点を踏まえたうえで、架台の高さを検討してみましょう。