2023.12.05
不動産投資で節税できる?仕組みや効果を出すポイント、注意点も
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
サラリーマンの方でも多くされている不動産投資が、節税になると聞いたことはありませんか?
結果から言うと、不動産投資は節税になります。
ただし、節税になるケース・ならないケースがあるので、よく検討したうえで条件に合う方がすべき投資法です。
今回は不動産投資の節税の仕組みや、注意すべきポイントについてご紹介します。
目次
不動産投資が節税になる仕組みとは?
冒頭でもお伝えしたとおり、不動産投資で節税は可能です。
ただし条件があり、節税だけを目的に始めるとリスクが大きいとも言えます。
その点については後ほどご説明しますが、まず不動産投資で節税可能な「所得税・住民税」と「相続税」についてお話します。
「所得税・住民税」は、住民税は所得税を元にしているので、所得税が少なくなれば住民税も下がることに。
日本は累進課税制度が取られているので、収入が高ければ高いほど所得税率も高くなります。
つまり、節税のポイントは所得税を下げること。
ここで利用するのが「不動産投資によって生まれた赤字」です。
赤字と本業での収入をぶつけることで、見かけ上の所得を少なくすることができます。
例えば本業での収入が900万円、不動産投資での収益が100万円、不動産投資にかかった経費200万円だった場合、(900万円+100万円)ー200万円=800万円となり、その年の課税所得は800万円に下がることになります。
課税所得額が下がるため所得税が下がり、それに伴って住民税も下がるという仕組みです。
「不動産投資によって生まれた赤字」は「減価償却」のことです。
減価償却は資産価値があり、かつ資産価値が年々減少していくものに対して、支払った初年度に一括で経費として計上するのではなく、毎年少しずつ経費として計上していくもの。
実際に支払いはしていなくても、定められた減価償却期間内は毎年経費として計上することができます。
次に節税できるものとして「相続税」があります。
例えば5,000万円を相続する場合、現金で5,000万円相続するより、5,000万円の物件を購入したときの方が相続税が安くなります。
不動産投資で節税を始めるときに考えておくべきポイント
不動産投資は節税になるといえますが、節税効果が高くなるケースには条件があります。
その条件とは「年収900万円以上で高額納税している人」「物件は築古の木造を選ぶこと」です。
なぜそのような条件が必要になるのかを解説しましょう。
年収900万円以上の高額納税者でなければ節税効果を実感しにくいのは、900万円未満の年収だと所得税も住民税もさほど高くなく、カットできる税金がもともと少ないからです。
また、本業での収入と不動産投資での赤字をぶつけて節税を狙う、いわゆる損益通算をするため、本業があることが前提となります。
所得税・住民税率が高くない場合は、節税を目的とせず、収益性を重視して計画したほうが良いでしょう。
ただし、900万円未満の年収でも5棟10室以上の「事業的規模」になると、青色申告ができるので最大65万円の特別控除を受けることができ、節税が可能になります。
その場合は、不動産所得で赤字が出ていると青色申告の特別控除を受けられないため、注意が必要です。
また、高い節税効果を狙うなら、築古の木造物件を選ぶのがおすすめです。
木造建築は他の建築物に比べて法定耐用年数が短く、短期間で減価償却できます。
また、築古で法定耐用年数を過ぎている場合は、法定耐用年数の20%の年数で減価償却できるため節税効果が大きくなります。
一方で減価償却期間が長くなる新築のマンションは、年間で計上可能な減価償却費が少なくなるため、節税効果は薄いでしょう。
不動産投資による節税の注意点
不動産投資では節税効果が期待できますが、注意点もあります。
まず、他のローンを組む際に融資が受けにくくなる可能性があることが挙げられます。
会計上とはいえ「赤字」を出している状態になると、金融機関に悪い印象を与えてしまう可能性があります。
他にも事業を展開していきたいという場合は、よく考えておくべき問題でしょう。
また、節税には減価償却費を利用しますが、減価償却期間は法定耐用年数が基準となっており、法定耐用年数を超えると減価償却できません。
黒字経営になると税金がアップしてしまう可能性があるため、節税効果があるのはあくまでも一定期間と考えておきましょう。
不動産投資で減価償却できるうちは節税効果がありますが、時期を逃すと黒字に転じて税金が上がってしまったり、逆に空室を抱えて資金繰りに困る状況に陥ったりすることも。
節税ばかりにとらわれ過ぎず、収益と節税のバランスを考えて投資を行うことが大切です。
不動産投資で節税できる金額のシミュレーション
不動産投資でどのくらいの節税ができるのか、給与収入900万円の方を例にしてシミュレーションしてみましょう。
【例】
- 給与収入:9,000,000円
- 基礎控除:480,000円
- 給与所得控除:1,950,000円
- 社会保険料:900,000円
※合計所得額24,000,000円以下:基礎控除額480,000円、収入金額8,500,001円以上:給与所得控除額1,950,000円(上限)、社会保険料:年収 × 10.0%(保険料率全国平均)
<課税される所得金額>
9,000,000円ー(480,000円+1,950,000円+900,000円)=5,670,000円
<所得税額>
5,670,000円×20%(所得税率)ー427,500円(控除額)=706,500円
※所得金額3,300,000円以上6,950,000円以下:税率20%、控除額427,500円
このように収入が給与所得のみの場合は、所得税額が706,500円です。
不動産投資での赤字が500,000円の場合は、課税される所得税額からその金額を引き、損益通算します。
5,670,000円ー500,000円=5,170,000円(課税所得額)
この場合の所得税額は、5,170,000円×20%ー427,500円で606,500円となるため、給与所得のみの所得税額706,500円から損益通算した所得税額606,500円を引いて、所得税は100,000円の節税が可能となります。
<住民税>
給与収入から住民税の基礎控除、給与所得控除、社会保険料を差し引いて、課税対象所得額を算出します。
9,000,000円-(430,000円+1,950,000円+900,000円)=5,720,000円
※合計所得額240,000円以下:基礎控除額430,000円
住民税の所得割は10%で、東京都の例にすると個人住民税は1,500円、市町村民税の均等割は3,500円なため、5,720,000円×10%+1,500円+3,500円という計算で給与所得のみの住民税は577,000円になります。
不動産投資での赤字が500,000円の場合は、課税対象所得額は5,720,000円-500,000円で5,220,000円。
住民税は5,220,000円×10%+1,500円+3,500円で527,000円となるため、給与所得のみの所住民税額577,000円から損益通算した住民税額527,000円を引いて、50,000円の節税となります。
シミュレーションでは、所得税と住民税合わせて15万円が節税できました!
不動産投資は条件を見極めて節税
不動産投資で節税可能なのは、所得税、住民税、相続税です。
なかでも所得税と住民税はセットで節税でき、本業の収入が900万円以上ある高額納税者は高い節税効果を実感できます。
逆に、それ以下の年収の方は節税効果はあまり得られないので、節税対策だけを目的として不動産投資をするのはオススメしません。
節税対策には減価償却を利用します。
高い償却率が挙げられる築古の木造物件を選ぶなど、より節税効果が高いものを選びましょう。
ただし、減価償却期間を過ぎてしまうと黒字が出て税金が増えてしまう可能性があるため、収益とのバランスも考えなければいけません。
節税対策には太陽光発電投資もオススメです。減価償却で節税しつつ、売電収入を得ることもできます。
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