2023.12.06
節税と脱税の違いとは?租税回避や脱税となる行為例、罰則など解説
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
事業者として知っておきたい税の知識に「節税」があります。
節税は決して違法なものではなく、税金を減らすテクニックの一つですが、節税というと「それって脱税なんじゃないの?」と誤解をされている方もいらっしゃいます。
節税と脱税は全く異なるものですが、節税をするつもりがうっかり脱税になってしまうこともあるので気をつけなければいけません。
今回は節税と脱税の違いと、関連するキーワードとして租税回避についても紹介し、脱税にあたる行為やペナルティについても解説します。
目次
節税と脱税の違いとは?租税回避とは
節税と脱税、租税回避について簡単にまとめてみました。
- 節税…法律にのっとって、経費や控除などを使って課税所得額を少なくするもの
- 脱税…本来課税されるべき所得を隠したり二重帳簿を作ったりするなど、課税を不法に免れようとするもの。違法行為なので、発覚した場合はペナルティや刑事罰などが課せられる
- 租税回避…税法の範囲外で課税所得額を少なくするもの。法の抜け穴を利用する形になるが、罪には問われない
罪に問われないのは「節税」と「租税回避」、罪になるのが「脱税」です。
節税は法にのっとって経費を漏れなく計上し、正しく処理をすることで事業にかかる税負担を少なくすることができます。
租税回避は罪にはならないものの、法の抜け穴を利用する形なので、おおっぴらにオススメできるものではありません。
現在は税金が課せられますが、以前は海外にある財産を海外在住者へ贈与する場合、贈与税がかかりませんでした。
そのため、一時的に住所を海外に移して贈与をするということがありました。
これが租税回避です。
脱税は故意に所得を隠して納税を免れようとするものなので完全にアウトです。
脱税にあたる行為については、次のブロックで解説していきます。
脱税にあたる行為とは?
脱税と指摘される行為の具体例を5つ紹介します。
① 売り上げを隠ぺいする
売り上げを隠して金庫などに移し、意図的に売り上げを減らす方法です。
② 二重帳簿をつける
事業主は、税務署の調査が入ることもあるため帳簿を作成しなければなりません。
このとき、税金申告用の過少に所得や売り上げを修正した帳簿と、本当の金額が書かれた帳簿を区別することを言います。
③ 架空の経費を計上する
経費を多く計上したほうが課税所得額が減るため、実際には購入していない物品代や交際費などをでっちあげる手法です。
たとえ実際に物品の購入などをしたとしても、本来は決算日以降の日付だったものを決算日前の日付に書き換えるといった行為も脱税になります。
④ 在庫を少なく申告する
在庫は資産とみなされるため、在庫が多いと納税額も高くなります。
そのため、実際の在庫量より少ない数を申告し、在庫を少なく見せかける手法です。
⑤ 仕入れを水増しする
経費として計上するため、原材料の仕入れや物品の仕入れの量を水増ししたり、金額を修正したりすることです。
脱税が発覚したらどうなる?ペナルティは?
脱税は違法行為なので、発覚すれば当然ペナルティが発生します。
脱税の罰則には、延滞税、加算税、刑事罰の3つがあります。
① 延滞税
税金を期限内に納付できなかったときや、修正申告をしたとき、期限後に申告をしたときに課される税金です。
② 加算税
申告期限内に申告したが納税額が少なかったときや申告期限内に申告しなかったとき、源泉徴収額を納付期限までに納付しなかったとき、事実を隠ぺいしていたときに税金が課せられます。
③ 刑事罰
脱税では「逃亡の恐れがある」「証拠隠滅の恐れがある」これらの2つを基準として逮捕に至るケースがあります。
確定申告書等を提出期限までに提出しなかった場合、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科せられます。
虚偽の申告や不正行為で課税を免れた場合には、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金が科せられます。
意図せず、誤って過少申告した場合なども「脱税」とみなされてしまいますが、内容が悪質でなければ修正申告で済むことも多いです。
もし誤りに気付いた場合は、早めに申し出て正しい金額を納付するようにしましょう。
節税は財テク、脱税は違法。誤って脱税にならないように気をつけよう!
節税は、事業の納税額を法律にのっとって正しい方法で圧縮するテクニック。
健全な事業経営のためにも節税は重要です。
租税回避は違法ではありませんが、法の抜け穴を利用するような形になるため、あまりオススメはできません。
脱税は違法行為なので完全にアウトです。
売り上げの過少申告や仕入れの水増し、二重帳簿など脱税には複数の手法があります。
節税のつもりで経費を計上しても、日付を偽ると脱税になってしまうケースもあるため気をつけましょう。
脱税が発覚すると、延滞税、加算税が追加で徴収されるほか、悪質と見なされれば逮捕されて刑事罰を受けることになります。
正しい税の知識を身につけ、税理士など専門家に相談して上手に節税をしましょう。