2022.10.21
インパクト投資の概要を詳しく!種類や他の投資との違いを解説
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの石井です。
投資にはリスクとリターンがつきものですが、ここにプラスして「インパクト」という第3の軸を取り入れて評価する投資を「インパクト投資」といいます。
今回は、近年注目されているこのインパクト投資について、その定義の確認と種類、ESG投資や社会的責任投資との違いについて解説していきます。
同時にインパクト投資の重要性や課題についても考えてみましょう。
目次
インパクト投資を基本から解説!他の投資との違いも確認
インパクト投資の定義や目的、他の投資との違いについて、まずは基本を確認していきましょう。
インパクト投資とは?
投資とは主に財務的リターンを求めるものですが、インパクト投資は、リターンの他に社会や環境に対してポジティブなインパクトを生み出す活動にも投資することをいいます。
そのため、投資の判断としては、リスクとリターンにプラスしてインパクトの軸も評価する三次元評価を採用します。
インパクト投資をすることで、財務的利益だけでなく社会的課題や環境問題も解決することを目的とする投資方法です。
ESG投資・社会的責任投資との違い
環境に配慮した企業に投資する方法として、インパクト投資の他に、ESG投資や社会的責任投資もありますが、それぞれどんな違いがあるのでしょうか。
ESG投資
「ESG」は、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字を取った用語で、環境問題や人権問題、ガバナンス(内部統制)に注力している企業を対象に投資していく手法です。
社会的責任投資(SRI)
「SRI」は、Socially Respomsible Investmentの略で、企業として倫理的な観点から社会的責任を果たしているかどうかを考慮して投資先を選定する手法です。
ESG投資や社会的責任投資とインパクト投資の違いは?
社会的責任投資(SRI)は、環境問題にも配慮するようになっていることから、近年ではESG投資とほぼ同じ意味として使われています。
異なる点としては、社会的責任投資は歴史が長く倫理面を重視しているのに対して、ESG投資は環境面とあわせて利益面についても重視している部分があげられます。
ESG投資とインパクト投資については共通する部分が多く、環境や人権問題に対しての責任を果たしながら、財務的リターンをもたらす部分は同じです。
違いとしては、ESG投資はESGに積極的に取り組む企業に投資や資金提供するスタイルに対し、インパクト投資は、投資先の企業がもたらす環境や社会面の課題解決に着目する部分があげられます。
インパクト投資とESG投資の違いについては「インパクト投資とは?特徴やESG投資との違いをわかりやすく解説」こちらの記事でも詳しく解説しています。
インパクト投資の種類にはどんなものがあるの?
インパクト投資は、多岐に渡っていますが大きくは次の6つに分類されます。
- プライベートエクイティ投資
- 上場株インパクトファンド
- サスティナビリティリンクローン・ボンド
- マイクロファイナンス等
- コミュニティ投資
- ペイフォアサクセス(PFS)
プライベートエクイティ投資
プライベートエクイティとは、非上場企業の株式のことを指し、そこに投資することをプライベートエクイティ投資といいます。
投資した企業の価値を高め、新規に株式を公開するIPOや、株売却をすることで利益を得ることが目的です。
たとえば、専門のファンドがスタートアップ企業を支援するなどがあげられます。
インパクト投資の具体的な事例としては、SIIF(社会改革推進財団)が新生企業投資・みずほ銀行と共同で、「はたらくファンド」を運営していることなどがあります。
上場株インパクトファンド
上場企業の株式に投資をし、利益だけでなく、企業価値を上げることも目的とします。
上場株を対象としたファンドとしては、代表的なものとして英国ブラックロック社の「BlackRock Global Impact Fund」があります。
社会・環境問題に取り組む世界の企業に投資するファンドです。
サスティナビリティリンクローン・ボンド
企業が事前に設定したサスティナビリティ目標に対して、その達成状況を融資後に報告することで透明性を担保し、達成状況に応じて内容が変化する可能性のある債権です。
この債権に対し、投資を行います。
マイクロファイナンス等
マイクロファイナンスは、発展途上国で誕生した、貧困者向けの小口金融のことを指します。
このマイクロファイナンスに対し、投資を行います。
コミュニティ投資
地域の活性化を目指し、低所得者層や地域に根ざす中小企業に資金を提供し、問題解決を目指す投資のことをいいます。
ペイフォアサクセス(PFS)
ペイフォアサクセスは、政府・自治体が中心となった成果連動型投資のことをいいます。
日本では、内閣府が作成した成果連動型民間委託契約方式を表し、医療、健康、介護分野で導入がされています。
インパクト投資の重要性と今後の課題点
今まで寄付や慈善事業などで対応してきた社会問題の解決にとって、インパクト投資はより多くの資金が集まる可能性があるという点で非常に重要な投資となります。
インパクト投資やESG投資が今後積極的に意識されることによって、社会問題や環境問題に対応する企業に資金が集まり、問題の改善が促進されることは十分に考えられます。
日本国内では、2022年1月に行われた岸田首相の施政方針演説でもインパクト投資について触れられ、官民連携での取り組みについて語られています。
インパクト投資の課題点
社会・環境問題の解決に多くのメリットがあるインパクト投資ですが、現状の課題点はどのようなものがあるのでしょうか。
日本でインパクト投資を積極的に進めているGSG国内諮問委員会が公開した「インパクト投資拡大に向けた提言書2019」では、インパクト投資をめぐる不足点として、次の3点を現状の課題としています。
- 認知と理解の不足
- 社会的基盤の不足
- プレーヤーの不足
まずは、一般市民や金融機関などでの認知不足、投資の影響に関する認識不足、起業家のリテラシー不足などがあげられます。
国際的枠組みや政府の制度的整備、資本市場への組み込みの不足なども課題です。
認知と理解、社会的基盤がまだ十分でないことも理由となり、プレーヤー自体も不足しています。
日本ではインパクト投資が始まったばかりなのでこのような課題点はありますが、今後は認知度が上がり、多くの投資家が参入することによって拡大していくことが期待されています。
また、一般の投資家もESG関連のファンドを市場で購入することでインパクト投資に参加できます。
今後インパクト投資が拡大することで、社会問題の解決が促進
インパクト投資は、環境問題や社会問題にポジティブなインパクトを与え、問題を解決していく投資方法です。
現状は認知度や情報が不足しており、参加しているプレーヤーも少ない状況ですが、まだ始まったばかりなため、今後期待ができる投資といえます。
企業に環境対応やガバナンスが求められている中、ESG投資と平行してインパクト投資もこの先注目度が上がっていくのは間違いないでしょう。
今のうちから投資対象として意識していくことが求められます。
アースコムでは再生可能エネルギーの活用を通じ、環境や社会に優しく、事業としても収益を上げていく、ESGの考え方を取り入れた太陽光発電投資・環境事業投資をサポートいたします。
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