2022.03.11

中小企業経営強化税制は太陽光発電も対象?その条件や概要を詳しくチェック!

facebook

twitter

line

こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの石井です。

 

中小企業の「稼ぐ力の向上」を支援するための「中小企業経営強化税制」は、課税対象価額を大幅に減らせる「特別償却」、または設備投資に関する税負担が軽くなる「税額控除」のいずれかを選択可能です。

 

大きく太陽光発電設備は中小企業経営強化税制の対象となるのか、気になっている方も多いと思います。

 

実は、太陽光発電設備は対象となる場合とならない場合に分かれます。

 

今回は中小企業経営強化税制の概要や、太陽光発電設備が対象となるかも含めた適用対象・条件などについて解説します。

TAX

 

 

まず、中小企業経営強化税制とは?

中小企業経営強化税制は「中小企業の稼ぐ力の向上」を支援するための税制優遇措置です。

 

課税対象価額を大幅に減らすことができる「特別償却」、または設備投資に関する税負担が軽くなる「税額控除」のいずれかを選択できます。

 

中小企業経営強化税制を受ける条件

制度の対象となるのは以下の条件を満たす法人または個人事業主です。

  • 青色申告を行っている
  • 中小企業者等(資本金額1億円以下の法人、農業協同組合、商店街振興組合等)
  • 従業員数1,000人以下の個人事業主
  • 中小企業等経営強化法に規定する経営力向上計画の認定を受けていること

 

「商店街振興組合等」は税制改正により追加されたものになるため、令和3(2021)年4月1日前に取得等をした対象資産について制度の適用を受ける場合には、商店街振興組合は除かれます。

 

なお、条件を満たしていても出資金1億円を超える大規模法人とグループ会社関係にある場合は、出資金比率などによって対象から外れることもあります。

 

対象となる業種も以下のように指定されています。

 

「製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、採石業、砂利採取業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、小売業、料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業にあっては、生活衛生同業組合の組合員が行うものに限ります。)、一般旅客自動車運送業、海洋運輸業、沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、こん包業、郵便業、情報通信業、損害保険代理業、不動産業、駐車場業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、映画業、教育、学習支援業、医療、福祉業、協同組合(他に分類されないもの)及びサービス業(他に分類されないもの)」

 

映画業を除く娯楽業、性風俗関連特殊営業に該当する事業は対象外です。

 

中小企業経営強化税制における期限

中小企業経営経営強化税制は複数回、制度の期限が延長されており、現行の制度では2023(令和5)年3月31日が期限となっています。

 

この期限は「申請までの期限」ではなく「認定までの期限」であるため注意しましょう。

 

つまり、2023年3月31日に申請をしても間に合わないということです。

 

認定までには約3ヶ月かかると言われているので、余裕をもって2022年12月末までには申請を完了しておくことをおすすめします。

 

中小企業経営強化税制の税制優遇内容

中小企業等経営強化法の認定を受けた計画に基づく投資について、即時償却または、10%の税額控除のいずれかを適用できますが、税額控除限度額は資本金3,000万円超の中小企業者等は7%が上限となっています。

 

即時償却を選ぶメリットは、設備を取得した年度に全額経費として計上でき、課税評価額を大幅に減らすことができることです。

 

通常、価値が年々減っていく資産は「減価償却」といって、定められた年数で割って少しずつ経費として計上していきます。

そのため、一年当たりの経費として計上できる金額は少なくなります。

 

即時償却は突発的に事業の収益が上がった年などに利用すると、高い節税効果が期待できるでしょう。

また、設備投資にかかった費用を早く回収することにつながり、次の事業を始めやすいといったメリットもあります。

 

ただし、即時償却は納税の繰り延べであるため、短期的な節税効果しか得られません。

長期的な節税効果を狙うのであれば、納税額自体が少なくなる税額控除を選ぶのがいいでしょう。

 

 

中小企業経営強化税制は太陽光発電も対象になる?

中小企業経営強化税制では、太陽光発電装置は制度の対象となる場合と、対象外となる場合があります。

 

対象外となるのは、FIT認定を受けて全量売電を行っている太陽光発電設備です。

 

中小企業経営強化税制の対象業種に「電気業」がないため、発電した電気をすべて売ってしまう事業を行っている場合は税制優遇を受けられません。

 

対象となるのは、工場や事務所の屋根等に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を自家消費しているケースなどです。

もちろん、事業とは関係のない自宅等に設備を設置し、私的な使い方をしている場合は対象外です。

 

中小企業経営強化税制を活用した太陽光発電の節税方法については「法人の太陽光発電はどう節税する?節税方法や計算方法を詳しく解説」も併せてご覧ください。

 

中小企業経営強化税制には対象となる設備の分類があるので、太陽光発電設備がどこに分類されるのかを次で見ていきましょう。

 

 

中小企業経営強化税制には分類がある!太陽光発電の場合は?

ソーラーパネル

中小企業経営強化税制ではいずれの設備も、以下の条件を全て満たす必要があります。

  • 生産等設備を構成するものである(建物の付属設備や福利厚生施設ではない)
  • 国内への投資である
  • 新品である
  • 貸付資産でない
  • 経営力向上計画を実施するために必要不可欠な設備

 

対象となる設備の種類はA~C類型に区分され、2021(令和3)年の税制改正により、D類型も新たに新設されました。

  • 生産性向上設備(A類型):生産性が旧モデル比平均1%以上向上する設備
  • 収益力強化設備(B類型):投資収益率が年平均5%以上の投資計画に係る設備
  • デジタル化設備(C類型):遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかを可能にする設備
  • 経営資源集約化設備(D類型):修正ROA(純資産利益率)または有形固定資産回転率が一定以上上昇する設備

 

太陽光発電設備はA類型とB類型に分類され、「機械装置」という扱いで、A類型・B類型でそれぞれ以下のように規定されています。

  • A類型:機械装置(160万円以上/10年以内に販売開始された設備)
  • B類型:機械装置(160万円以上)

 

どちらを選んでも受けられる税制優遇は同じですが、「10年以内に販売された設備」という条件を満たしている場合、多くの事業者がA類型で申請・認定を選ばれます。

 

理由としては、A類型の方が手続きの面で有利だからです。

 

認定を受けるためには、A類型は工業会等による「工業会証明書」、B類型は経済産業省による「経産局確認書」がそれぞれ必要です。

B類型は経済産業省に申請をするため、手続きが煩雑になる傾向にあります。

 

申請の流れを簡単に説明すると以下のようになります。

 

<A類型>

  1. 証明書の発行を事業者からメーカーに依頼
  2. メーカーが工業会等に発行手続き
  3. 工業会等が「工業会証明書」を発行
  4. 事業者が計画申請をする
  5. 業種の担当省庁が計画認定
  6. 事業者が設備取得し、税務申告する
  7. 定期的な状況報告は工業会等が行う

 

<B類型>

  1. 事業者が申請書作成
  2. 公認会計士または税理士が事前確認書を発行
  3. 事業者は修正書類を添付し、経産省へ説明に行く
  4. 経産省が「経産局確認書」を発行
  5. 事業者が計画申請をする
  6. 経産省が計画認定をする
  7. 事業者が設備取得し、税務申告する
  8. 事業者自らが経産省へ定期申告をする

 

B類型は申請のステップが多く、事業者自らが動かなければならない部分もA類型に比べると格段に多いです。

 

他にもA類型は同じく税制優遇措置である「固定資産税の特例」を同じ手続きで受けられるため、メリットが大きいのです。

 

固定資産税の特例ではA類型と同じ条件の設備を導入した際に、固定資産税が3年間、最大で2分の1になります(市町村によって異なる)。

 

10年以内に販売が開始された設備を取得した場合は、A類型を選ばれる事業者が多いことがご納得いただけたのではないでしょうか。

 

 

太陽光発電で中小企業経営強化税制を受けるには条件をチェック

中小企業経営強化税制は、中小企業の生産力向上のための設備投資を応援する目的で整備された税制優遇措置です。

 

購入費用の即時償却または、10%の税額控除除(資本金3,000万円超の法人は7%)が選べます。

 

対象事業は幅広いですが、全量売電を行う「電気業」は対象外です。

しかし、工場等の屋根に太陽光発電設備を設置し、自家消費しているケースなどは対象に含まれます。

 

対象となる設備の分類はA~D類型の4種類があり、太陽光発電設備はA類型、B類型に含まれます。

違いはA類型の「10年以内に販売が開始されたもの」という条件で、他は同じです。

 

受けられる税制優遇措置も同じなので、手続きが煩雑で注意が必要なB類型よりも、A類型で申請をするのがおすすめです。

 

A類型であれば同時に固定資産税の特例も手続きができるので、しっかり使って節税効果を高めましょう。

 

未来を守るクリーンエネルギーはこれからの事業に必要不可欠です!

アースコムなら特措法を用いた太陽光事業投資で即時償却も可能ですよ。

 

太陽光発電投資や環境事業投資のことならアースコムにお気軽にご相談ください!

facebook

twitter

line

この記事を書いた人

石井錬 マーケティング部

メルマガの配信など広告担当の役割をしつつ、シミュレーションなど営業ツールの作成を担当している。

閉じる