2021.04.19

ソーラーシェアリングで稲作!実際の事例や収益の目安をご紹介

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株式会社アースコム 代表取締役の丸林です。

 

日本の食卓を支える稲作ですが、日本人一人あたりの米消費量は1962(昭和37)年度の118.3kgをピークに、その後は一貫して下降し続け、2018(平成30)年度には53.5kgと、56年間で半分以下にまで落ち込んでいます。

 

さらに、わが国においては米価も長期的に低下の傾向にあり、米農家は苦戦を強いられている状況が続いています。

農業就業人口の高齢化や後継者不足が進むなか、稲作一本で収入の柱を支えるのは限界を迎えているといっても過言ではありません。

 

そこで、国も主体的に農地で営農と太陽光発電を行うソーラーシェアリング事業を推進しています。

 

今回は、ソーラーシェアリングで稲作を行っている事例や収益の目安などをご紹介します。

また、稲作以外にもソーラーシェアリングにおすすめの農作物がありますので、合わせてご検討いただければと存じます。

 

 

ソーラーシェアリングで稲作はどう?事例から学ぼう

ソーラーシェアリングではさまざまな作物が栽培されています。

稲作はその中でも3番手にくる作物で、日本各地で水田でのソーラーシェアリングが行われています。

 

建設会社×地元工業専門学校の共同研究

建設会社と地元の工業専門学校による共同研究・開発では、用地面積は2,983㎡、ソーラーパネルは320枚を設置して、遮光率30%の条件のもと水田での実証実験が行われています。

 

支柱の間隔は4.9m、架台の最低地上高は2.7mとし、稲作に必要なコンバインなどの機械を使っての農作業も支障なく行われ、耕作も順調です。

支柱は台風などの強風に強いものを使用しています。

 

実証実験を通して分かった稲への影響は以下の通りです。

  • ソーラーパネルで発生した日陰部分では1週間ほどの生育の遅れが見られた
  • 収穫時には大きな影響はなく、減収は2割未満に抑えられた

 

こちらの発電所では、年間130万円以上の売電収入を得ることに成功しています。

 

地元の農家を衰退させてはならないと、こちらの建設会社では農家から依頼を受けてソーラーシェアリングの支援事業も行っており、同市内において約10ヶ所でソーラーシェアリングが行われています。

 

稲作と耕作放棄地を利用したソーラーシェアリング

日本の米どころ、山形県の稲作農家ではソーラーパネルを312枚設置しています。

発電容量は合計約30kWです。

農地の約4分の1にあたる部分にソーラーパネルが設置されており、生育状況も問題なく収穫量が確保できているとの報告があります。

水田の周りは開けているため、影になる要因はソーラーパネルのみ。

パネルの形状は細長く間隔もあけて設置しており、日が差す方向も一日の間で常に変化するため影による影響は少ないようです。

 

さらに、耕作放棄地を利用してワラビのソーラーシェアリングも開始されています。

ソーラーシェアリング参入にあたっては、設備費用で躊躇される農家さんも多いかと存じますが、こちらのケースではワラビのソーラーシェアリングの設備費用では寄附金制度を導入されています。

 

寄附金の口数により、寄附をされた人には米やさくらんぼなどの農作物が送られる仕組みになっており、少ない資金でも参入できるというモデルケースを示されています。

 

ソーラーシェアリングで稲作を行うなら、収益の目安は?

ソーラーシェアリング参入を具体的に検討するにあたり、重視する点は収益でしょう。

 

農林水産省のデータによると、米の平年収量(令和2年)は1反(約10a)あたり535㎏、玄米1俵(60㎏)当たりの全銘柄平均価格(令和2年)は15,143円となっています。

水田1反では約8.9俵が収穫できることになり、15,143円×8.9俵=約134,773円となります。

 

水田1反であれば容量50kWのソーラーパネルが設置できると考えられ、予想される年間発電量は50,000kWh。

2020年度の売電価格は1kWhあたり12円+税なので、50,000kWh×12円=600,000円となります。

 

134,773円(米の収穫量)+600,000円(年間売電収入)=734,773円となり、FIT期間では20年間固定価格での売電が可能ですので、734,773円×20年間=14,695,460円の収入が期待できます。

ただし環境や天候にもよるため、あくまで目安として考えましょう。

 

 

稲作の他にもソーラーシェアリングでおすすめな農作物は?

先にご紹介した、稲作でソーラーシェアリングを始められてからワラビの栽培を始められた農家さんのように、他の農作物でも成功例はたくさんあります。

 

現在、日本のソーラーシェアリングで最もたくさん育てられているのはミョウガで、次に榊(さかき)、水稲となっています。

 

太陽光発電投資をサポートするアースコムでも、福島の耕作放棄地を利用した榊のソーラーシェアリング実例がございます。

 

農林水産省によると、ソーラーシェアリングでよく育てられている、または向いている農作物としては、ミョウガ、榊、米のほかに、大麦、小麦、大豆、キャベツ、レタス、ニラ、ショウガ、白菜、ピーマン、ナス、ブドウ、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、明日葉、小松菜、イチゴ、ブルーベリー、ミカン、ニンニク、落花生、大根、人参、茶、梨、牧草などもあります。

 

ソーラーシェアリングはあくまでも営農メインですので、ソーラーシェアリングに向いている作物を選ぶことも大切ですが、営農スキルがあり、確実に収穫量が確保できるという点を重視してご検討ください。

 

 

ソーラーシェアリングで稲作は実績多し

太陽光発電と営農を同時に行うソーラーシェアリングではさまざまな作物の栽培が行われていますが、稲作は全国各地で取り組まれている農作物の1つです。

 

地元の農業衰退を防ぐために現地の建設会社が主体的に実地研究をしている例や、農家の方が稲作のソーラーシェアリングの後、新たな農作物のソーラーシェアリングを始められる例など。

ソーラーシェアリングがさまざまな形で広がりを見せていることがわかります。

 

環境や天候にもよるため、あくまで目安ではありますが、水田1反あたりの予想される収入は、134,773円(米の収穫量)と600,000円(年間売電収入)を合わせて年間734,773円ほど。

FIT制度が適用される20年間にわたって同水準の収入が期待できます。

 

また、ソーラーシェアリングでは稲作以外にもさまざまな作物が育てられています。

ソーラーシェアリングに向いている作物を育てることも大切ですが、営農経験がある作物を選ぶなど、営農面でしっかりとした実績が上げられるもので参入するという視点も重要です。

 

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