2021.05.21
太陽光パネルの単結晶・多結晶とは?その違いをさまざまな角度から比較
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
太陽光パネルの商品名を見ていると「単結晶」や「多結晶」と書かれていることがあります。
「単結晶と多結晶でどんな違いがあるんだろう?」と、疑問を抱かれた方もいらっしゃるでしょう。
今回は太陽光パネルの単結晶と多結晶の違いについて、それぞれの特徴や価格、発電効率などを比較しながら解説します。
目次
太陽光パネルの役割やパネルの種類は?
太陽光パネルは太陽電池とも呼ばれ、太陽光エネルギーを電気エネルギーへと変換して電気を生み出す「発電機」の役割をしています。
太陽光パネルの種類は大きく分けて「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3つで、シリコン系が主流となっています。
シリコン系はさらに次の2つに分類されます。
- 結晶シリコン系(単結晶シリコン、多結晶シリコン)
- 薄膜シリコン系(微結晶シリコン、アモルファスシリコン)
結晶シリコン系は、太陽光パネル開発時から使われてきた素材なので歴史が古く、現在も最も多く使われています。
太陽光パネルの素材について、さらに詳しくご覧になりたい方は下記のコラムをご参照ください。
太陽光パネル(ソーラーパネル)の種類ごとの特徴やメリットを紹介!
太陽光パネルの単結晶・多結晶の違いは?特徴や価格、発電効率を比較
太陽光パネルの半導体に使われているシリコンは「ケイ素」とも呼ばれます。
ケイ石という鉱物を加工するとシリコンになり、そのシリコンの使い方によって「単結晶シリコン」か「多結晶シリコン」に分類されます。
太陽光パネルの単結晶と多結晶の違いは、簡単に言うと「一枚板」か「合板」か、に似ています。
一枚板も合板も同じ「木」ではありますが、一枚板は木から切り出してきたもので、合板は細かい木片をプレスして一枚の木の板にしたものですよね。
一枚板の家具と合板の家具を思い浮かべてみられると、素材や価格の違いが分かりやすいかと思います。
単結晶シリコンは「一枚板」のように、単一のシリコンの塊から出来ていて、純度が高いのが特徴です。
シリコンの原子の並びに整合性があるので、パネルの表面が美しく、黒っぽい色をしています。
多結晶シリコンは「合板」のように、単結晶シリコンをつくるときに発生した端材や、規格外のシリコンを集めてつくったものです。
シリコンの大きさがバラバラなので、パネルの表面はまだら模様になっていて、青っぽい色をしています。
価格は、単結晶シリコンの方が多結晶シリコンよりも高いです。
単結晶シリコンの方が純度が高いことや、製造に手間がかかるのでコストが高いことが理由として挙げられます。
耐久性も、単結晶シリコンの方が多結晶シリコンよりも高いです。
ただし、それほど大きな差はない、というのが実際のところです。
どんな素材を使っても、太陽光パネルの劣化は年々進み、発電効率は落ちます。
太陽光パネルは20~30年と長い間使いますが、長期間使用すると単結晶シリコンも多結晶シリコンも同程度の劣化率に落ち着くと言われています。
最後に発電効率ですが、こちらも単結晶シリコンの方が高いです。
多結晶シリコンは純度が落ちるため、単結晶シリコンよりも発電効率は2~3%程度下がります。
太陽光パネルは多結晶シリコンではなく単結晶シリコンを選ぶべき?
比較してわかったのは、単結晶シリコンの方が多結晶シリコンよりも耐久性も発電効率も「上」ということです。
太陽光発電において重要なのは「いかに太陽光を効率良く当てて、より多量の電気を作り出すか」という点です。
だからといって、やみくもに設置費用を高くはできません。
設置費用と売電で得られるメリットの「コストバランス」も非常に重要です。
そのため設置枚数が限られており、効率良く発電をすることを目指す家庭用の太陽光発電には「単結晶シリコン」、設置コストは抑えて、大規模な面積でたくさんのパネルを設置する産業用の太陽光発電には「多結晶シリコン」が使われることが多いです。
ただし開発技術もどんどん進んでいて、今後は単結晶シリコンは「より低価格に」、多結晶シリコンは「より耐久性が高く、発電効率も高く」という状態になっていくことが予想されます。
太陽光パネルの単結晶と多結晶の違いは製造過程
太陽光パネルの素材の主流であるシリコン系の中には、単結晶シリコンと多結晶シリコンという分類があります。
単結晶シリコンは、シリコンの元であるケイ石を加工したものをそのまま切り出した状態なので、純度が高く発電効率や耐久性に優れていますが、コストがかかります。
一方、多結晶シリコンは単結晶シリコンをつくる際に出た端材や、規格外のシリコンを集めてつくったもの。
無駄が無いのでコストが抑えられますが、単結晶シリコンに比べると耐久性や発電効率は落ちます。
現在は、面積が狭くても十分に発電量が欲しい家庭用太陽光発電には単結晶シリコン、発電効率がやや低くてもコストと枚数でカバーできる産業用太陽光発電には多結晶シリコンが利用されることが多いです。
しかし今後は技術革新が進み、単結晶シリコンと多結晶シリコンの差はどんどん小さくなっていくことが予想されるでしょう。
太陽光発電投資をサポートするアースコムでは、福島をはじめ、各地の太陽光発電投資物件情報を掲載中です。
ぜひお気軽にお問い合わせください!