2021.03.17

ソーラーシェアリングで榊はおすすめ!その理由や栽培方法

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株式会社アースコム 代表取締役の丸林です。

 

ソーラーシェアリングではさまざまな作物が育てられていますが、中でも「榊(さかき)」は今、注目すべき作物です。

 

ソーラーシェアリングとの相性が良く、需要も高い榊。

今回はソーラーシェアリングで榊の栽培がおすすめな理由やメリット、栽培方法についてお話します。

榊の羽

 

 

ソーラーシェアリングの作物はさまざま!榊もおすすめ

ソーラーシェアリングは営農型太陽光発電とも呼ばれ、農地に高い支柱を立てて太陽光パネルを設置して太陽光発電を行い、同時にパネルの真下で農作物の栽培も同時に行います。

 

農地を有効活用でき、農業収入だけでなく太陽光発電の売電収入を得ることもできるため、今後の農業の新しい形の一つになると考えられています。

 

ソーラーシェアリングではさまざまな作物が育てられており、実際にソーラーシェアリングで育てられている作物として「米、大麦、小麦、大豆、キャベツ、レタス、ニラ、ショウガ、白菜、ピーマン、ナス、ブドウ、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、明日葉、小松菜、イチゴ、ブルーベリー、ミカン、ニンニク、落花生、大根、人参、茶、梨、牧草、榊」などがあります。

 

ソーラーシェアリングでは真下の農地に日陰ができてしまうので、作物の生育に悪影響を与えると思われてしまうこともありますが、実は直射日光が当たり過ぎない方が生育や見た目が良くなる作物も非常に多いのです。

 

それでも日光が当たった方が生育が良くなる作物もあるため、そのような場合はパネルの間隔を空けて設置する必要があり、パネルの枚数を減らさなければなりません。

つまり、パネルをたくさん配置して太陽光発電の発電量を上げるためには、日陰でも育つ作物を育てたほうが有利になるということです。

 

そこで、ソーラーシェアリングで栽培できる作物としておすすめなのが「榊(さかき)」です。

 

ソーラーシェアリングで榊が注目されている理由とは

ソーラーシェアリングで榊が注目されている理由には、大きく分けて2つあります。

 

榊が注目されている理由①純国産品の需要が高い

ソーラーシェアリングで榊が注目される理由の一つとして「国産のものが少ないこと」が挙げられます。

 

榊は神事において「玉串」などに使われ、店先や家庭の神棚に飾ることも多い植物。

しかし、実はその約9割が主に中国産なのです。

 

ただ、海外産の榊は輸送に時間がかかることなどから鮮度が落ちてしまうため「やはり国産の榊が一番」と言われることも多く、こだわりの強い方は外国産は好まないこともあります。

 

工事現場の安全祈願や旅館や店の繁盛祈願として神棚に飾ることも多い榊は、縁起物であることから「質の良い国産の榊を」との声が高いのです。

 

榊が注目されている理由②日陰で生育し、育てやすい

榊は元々、半日陰の場所を好み、山に自生しているような植物です。

山の中では、日光が直接当たらないようなスギやヒノキの下など湿った場所に自生しています。

 

榊は日射しが強いと葉が乾燥してしまい、葉の色も悪くなってしまうので、ソーラーシェアリングの日陰は相性が良いのです。

 

また、榊は風と寒さに弱く、関東より北の地域では栽培が難しいと言われています。

ソーラーシェアリングはパネルが屋根のような役割を果たすので、寒い時期にも榊に霜が降りにくいというメリットもあるのです。

 

木の高さも5~10mとさほど大きくならないため、適度に刈り込んでいけばパネルの邪魔になることもありません。

 

「榊が山で自生するのであれば、わざわざ土地を割いて栽培する必要があるのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、傾斜があって足場も悪い山での農作業は労力が大きいうえに危険を伴います。

 

高齢化が進む日本の農業において「今から山で榊を育てる」のは現実的ではありません。

女性や高齢者の方でも作業がしやすい平地で、ソーラーシェアリングに向いている作物を育てつつ売電収入も得る。

日本の農業の新しい形が見えてきませんか?

 

 

ソーラーシェアリングで榊を栽培する方法も知っておこう

榊の実

榊をソーラーシェアリングで栽培する方法もご紹介しましょう。

 

ソーラーシェアリングでは、営農の状況も好調であることが発電所運営の条件にもなりますので、できるだけ早く農業を軌道に乗せることを考える必要があります。

そのため、本来ならば挿し木からでも育てることができますが、ソーラーシェアリングでは背の高さが40~60cmの苗木からスタートするのがおすすめです。

 

この大きさの苗から始められると、2~3年で出荷が可能になると考えられます。

 

榊は常緑樹のため1年に3回の収穫が可能ですが、肥料は年に1回で十分で、特別な手入れも不要です。

 

榊の基本的な栽培サイクルは以下のようになっています。

植え付け:5月

開花期:6~8月

収穫時期:3月、7~8月、11月(年3回)

肥料:2月

 

生育が比較的早く、適度な水分と日陰があればよく育ってくれる榊は、かける労力や肥料代などもあまりかからない点で、非常に参入しやすい分野と言えるでしょう。

 

 

榊はソーラーシェアリングに好適!国産榊は需要も高い

ソーラーシェアリングで育てられる作物は非常にたくさんありますが、日陰で湿った環境でも育つ作物は、パネルの枚数も増やせるため特に相性が良いと言えます。

 

なかでも、おすすめの作物が「榊」です。

榊は神事には欠かせない縁起物として重宝されていますが、実はそのほとんどを外国産に依存しているのが現状です。

 

しかし、縁起物ゆえ「国産の榊でなければ」という強いこだわりを持つ方もいらっしゃるため、国産榊の需要は非常に大きいと考えられます。

 

榊は直射日光の当たらない山に自生するような植物ですが、山中で栽培は難しいため、山中と同じような生育環境がつくり出せるソーラーシェアリングはぴったりです。

難しい栽培テクニックも不要なので、これからソーラーシェアリングへの参入を考えられている方にもおすすめできる作物と言えるでしょう。

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