2026.10.19

リパワリングの費用相場と回収年数|FIT残存期間で元が取れるかを判断する方法

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リパワリングの機器代は、経済産業省がまとめた新設時の平均単価で見ると、太陽光パネルが1kWあたり6.3万円、パワコンが2.2万円ほどです。実際の費用はここに工事費や撤去費が加わり、交換する範囲と容量によって大きく変わります。

費用に見合うかどうかは、費用を「年間の手取りの増加額」で割った回収年数をFIT残存期間と比べると判断できます。この記事では、費用の目安と回収年数の出し方、試算で見落としやすい買取価格のルールを整理します。

この記事でわかること

  • リパワリング費用の目安と、新設時にはない上乗せ費用
  • 回収年数の計算方法と、手取り増加額に含めるべき項目
  • パネル交換で出力が増えたときの買取価格の扱いと、着手時期による差

リパワリングの費用はいくら?kW単価で見る機器代と上乗せされる費用

リパワリングの費用は、「交換する機器のkW単価×容量」で出る機器代に、工事費とリパワリング特有の費用を足すとおおよその見当がつきます。

機器代の目安|新設時の平均単価と容量別の試算

経済産業省の資料によると、2025年に設置された事業用太陽光(地上設置・10kW以上)のシステム費用は平均20.3万円/kWで、内訳は次のとおりです。

費目 平均単価(万円/kW)
太陽光パネル 6.3
パワコン 2.2
架台 3.1
工事費 6.7
設計費 0.8
その他の機器 1.7
値引き ▲0.3

参照元:経済産業省 調達価格等算定委員会(第110回)資料1「太陽光発電について」p.39

この単価を容量に掛けた機器代の目安は、次のとおりです。新設時の平均値による概算なので、実際の見積もりとは差が出ます。kWは交流側の出力を基準にしているため、パネルを多めに載せている発電所ではパネル代がさらに増えます。

発電所の規模 パワコンのみ交換 パネル+パワコンを交換
低圧(50kW) 約110万円 約425万円
高圧(1,000kW) 約2,200万円 約8,500万円

2013年に設置された発電所の平均は、パネルが18.0万円/kW、パワコンが5.2万円/kWでした。パネル費用は2025年までに65%下がっており、高FIT単価の時期に建てた発電所ほど当時との価格差が大きくなります。

参照元:経済産業省 調達価格等算定委員会(第110回)資料1「太陽光発電について」p.32

リパワリングで上乗せされる費用|撤去・処分から発電停止中の売電ロスまで

新設時の統計には、既存設備があるために発生する次の費用が含まれていません。見積もりにこれらが入っているかを確認しておきましょう。

費用 内容 確認のポイント
撤去・処分費 外したパネルやパワコンの撤去・運搬・処分 機器代と別の項目になっているか
架台の確認・加工費 新しいパネルの寸法や重さに合わせた強度確認、金具の加工 パネルを交換する場合に発生する
手続き費用 変更認定の申請など 申請を誰が行い、費用がどこに含まれるか
発電停止中の売電ロス 工事期間中に止まる売電収入 見積書には載らないため、停止期間と売電単価から自分で見込む

リパワリングの回収年数はどう計算する? 年間の手取り増加額で割る

回収年数は「リパワリング費用÷年間の手取り増加額」で計算します。割る側を売電収入の増加額だけにすると、支出の変化が抜け落ち、回収年数を長めに見積もることになります。

項目 含めるもの
リパワリング費用 機器代+工事費+上乗せ費用
年間の手取り増加額 売電収入の増加額+支出の減少額

年間の手取り増加額に入れるのは増収だけではない|修理費・保守費・保険料の変化

設備を新しくすると、支出の側では次の項目が変わる可能性があります。

  • 修理費と故障停止中の売電ロス:保証が切れた古いパワコンを使い続けると、故障のたびに修理費がかかり、修理を待つ間は売電も止まります
  • 保守費:点検や部品交換の頻度が変わります
  • 保険料:設備の状態や盗難対策の有無によって、保険の条件が変わることがあります

どれも発電所ごとの差が大きいため、保守契約書、保険証券、過去の修理記録から年額を拾い出しておくと試算の精度が上がります。増収側の中身、とくにパワコン交換で変換効率がどれだけ改善するかは、「10年目の太陽光発電に差をつける!収益アップに直結する「リパワリング」の実践法」で解説しています。

パネル交換で増えた出力分は、買取価格が最新単価に変わる

パネル交換で出力が増えると、増えた分の電気には元のFIT単価ではなく、最新の調達価格が適用されます。2024年度からのルールでは、発電量を出力の比率で按分し、次のように単価を分けて計算します。

区分 適用される単価 FIT単価40円の発電所の場合
当初設備に相当する分 元のFIT単価 40円
増えた出力の分 変更時点の最新の調達価格 2026年度の地上設置区分は9.6〜9.9円

参照元:SOLAR JOURNAL「太陽光パネルの増設・更新を促進!2024年度にルール見直し」(原典:資源エネルギー庁)、資源エネルギー庁「買取価格・期間等」

以前は出力が増えると設備全体が最新価格に切り替わり、例外は増加分が3kW未満かつ3%未満の場合だけでした。現在は元の単価を維持したままパネルを交換できますが、増えた分まで40円で計算すると増収を大きく見積もってしまいます。なお、地上設置の事業用太陽光は2027年度以降、新規認定の対象外になります。それ以降に増出力分へ適用される価格は、変更認定を申請する時点で最新の情報を確認しましょう。

パワコンだけか、パネルまで替えるか?回収を分けるのは発電ロスの原因

交換範囲は、費用の安さではなく、発電ロスがどこで起きているかで決めます。判断材料になるのは、過去数年分の発電データと現地での機器診断です。

パワコンの交換で回収しやすいケース|変換ロスや故障停止が主な原因

旧型パワコンの変換効率の低さや、故障・停止の多さが発電ロスの主な原因であれば、パワコンの交換で回収を狙いやすくなります。機器代はパネルより小さく、出力を増やさない交換なら買取価格の按分も起こりません。

ただし、パネルの出力低下が原因の場合は、パワコンだけ新しくしても入ってくる電気の量は変わらず、増収は限られます。

パネルまで替えたほうが回収しやすいケース|パネル劣化が主な原因

パネルの劣化が発電ロスの主な原因であれば、パネルまで替えたほうが増収の幅は大きくなります。費用も増えるため、増収の見込みと並べて回収年数を比べてください。出力が増える場合は、買取価格の按分と説明会の要否も試算に含めます。

パワコンとパネルのどちらを交換すべきかの見極め方は、「【裏技】パワコン?パネル?どっちを交換すべき?リパワリングで発電量を最大化する秘訣」で解説しています。

FIT残存期間で元は取れる?着手が遅れるほど手元に残る額は減る

事業用太陽光の調達期間は20年間で、リパワリングで設備を更新しても延びません。そのため、回収が終わってからFITが終わるまでの「FIT残存年数−回収年数」が、リパワリングで収入が上乗せされる期間になります。

参照元:資源エネルギー庁「買取価格・期間等」、SOLAR JOURNAL「太陽光パネルの増設・更新を促進!2024年度にルール見直し」

計算例|着手が1年遅れると、回収後の上乗せ期間も1年減る

回収に5年かかる計画の場合、着手時の残存年数による違いは次のとおりです(数字は仕組みを示すための仮の値です)。

着手時のFIT残存年数 回収後に上乗せが続く年数
12年 7年
10年 5年
8年 3年
6年 1年

残存年数が回収年数を下回る場合は、FIT期間中に費用を回収しきれません。その場合は、FIT終了後の売電先や運用方針まで含めて検討することになります。

出力を20%以上増やす場合は、説明会の準備期間も見込む

パネル交換で太陽電池の合計出力を20%以上、または50kW以上増やす場合は、変更認定を申請する前に説明会の開催または事前周知が必要です。原則として、高圧(50kW以上)の発電所では説明会、低圧の発電所ではポスティングなどによる事前周知が求められます。

参照元:FIT/FIP代行申請センター「説明会及び事前周知措置について」

準備に時間がかかるぶん着工が遅れ、回収に使える残存期間は短くなります。出力をどこまで増やすかは、増収の幅とあわせて準備期間も見込んで決めてください。高圧発電所での進め方は、「【高圧対応】太陽光発電所を最大活用!リパワリングで収益を伸ばす方法とは?」で解説しています。

自分の発電所で回収できるかを数字で確かめる|アースコムのリパワリング

相場や計算式がわかっても、「自分の発電所は残りの期間で元が取れるのか」は、容量・FIT単価・直近の発電量を入れて試算しない限り答えが出ません。当社では、ご所有の発電所の情報や過去の発電量をもとに、リパワリング後の発電量と売電収入を試算しています。

たとえば、2012年に運転を始めたFIT単価40円・1,000kWの高圧発電所では、稼働10年後のリパワリングで年間発電量が次のように変わり、年間売電収入は約1,092万円増えました。

項目 リパワリング前 リパワリング後 増加分
年間発電量 1,126,126kWh 1,399,286kWh 273,160kWh

高圧では、約3年で投資を回収できた事例もあります。自社で所有する発電所については、電力会社が発行した売電明細も公開しています。

パネルが原因でも交換まで踏み込める|強度計算・書類手続きまで一括対応

発電ロスの原因がパネルにあっても、パネル交換には架台の強度計算や経済産業省への書類提出が伴います。そのため、手続きの負担を理由にパワコン交換だけで済ませてしまうケースも少なくありません。当社は両面発電パネルへの交換から、既存架台の強度計算、ストリング設計、書類手続きまでを一括で行うため、手続きを理由に交換範囲を狭める必要がありません。

さらに、盗難対策「サンキーパー」の導入で年間保険料を最大30%削減できる場合もあり、増収と支出の両面から手取り増加額を積み上げられます。

回収年数を、ご自身の発電所の数字で出す|無料診断から正式見積もりまで

無料診断では、容量やFIT単価、直近の発電データをもとに、リパワリング後の発電量と売電収入を試算します。現地調査のあとに、正式な見積もりとシミュレーションをご提示するので、「費用はいくらで、残りのFIT期間で何年分上乗せできるか」を具体的な数字で判断できます。診断は、資源エネルギー庁の支援で創設された民間資格「太陽光発電事業評価技術者」の保有者の知見に基づいて行います。

FITの残り期間は、検討しているあいだにも1年ずつ短くなっていきます。リパワリングをするかどうかを決めるのは、試算の結果を見てからでも遅くありません。まずは無料相談で、ご所有の発電所が残りの期間で元を取れるのかを確かめてみてください。

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