2026.10.19
蓄電池の耐用年数は何年?法定耐用年数と実際の寿命、系統用の場合を解説

蓄電池の法定耐用年数は、事業用の建物に停電対策などで設置する蓄電池電源設備なら6年、電力市場で電気を売る系統用蓄電池なら電気業用設備として17年で扱うのが一般的です。ただし法定耐用年数は減価償却の期間を定めたもので、その年数のあいだ設備が使えることを示すものではありません。本記事では、6年と17年が分かれる仕組み、自分の設備がどちらに当たるかの目安、実際の寿命と運用期間の見極め方を整理します。
この記事でわかること
- 蓄電池の法定耐用年数が6年と17年に分かれる理由
- 系統用蓄電池を含む、設置形態ごとの区分の目安と償却額への影響
- 法定耐用年数と実際の寿命の違い、運用期間を見極めるポイント
蓄電池の法定耐用年数が6年と17年に分かれる仕組み
法定耐用年数は、蓄電池という機器の種類ではなく、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表で、その設備がどの資産区分に入るかによって決まります。同じリチウムイオン電池でも、建物の設備として使うのか、電気を売る事業の設備として使うのかで、当てはまる区分が変わります。
6年|建物附属設備の「蓄電池電源設備」は停電時の照明用などが前提
6年が適用されるのは、国税庁の通達で「蓄電池電源設備」とされる設備です。通達では、停電時に照明用に使用するなどのため、あらかじめ蓄電池に充電して利用する設備と定義されており、次の機器が含まれます。
- 蓄電池
- 充電器、整流器(回転変流器を含む)
- これらに附属する配線、分電盤など
参照元:耐用年数の適用等に関する取扱通達 第2節 建物附属設備(国税庁)
建物附属設備の電気設備のうち、照明設備などの「その他のもの」は15年で、蓄電池電源設備だけが6年と別に定められています。家庭用蓄電池の解説で見かける「法定耐用年数6年」は、この区分を指しています。なお、事業に使わない自宅用の蓄電池は、原則として減価償却の対象になりません。
17年|電気を売る事業の設備は「電気業用設備」に入る
17年は、省令別表第2の「31 電気業用設備」にある「その他の設備」のうち、「主として金属製のもの」に定められた年数です。
| 細目 | 法定耐用年数 | 該当する主な設備 |
|---|---|---|
| 主として金属製のもの | 17年 | 売電用の太陽光発電設備、系統用蓄電池(一般的な扱い) |
| その他のもの | 8年 | 主要な部分が金属製でない設備 |
参照元:別表第2 機械及び装置の耐用年数表(阿見町)、固定資産税(償却資産)のお知らせ~太陽光発電設備を設置された方へ~(常陸大宮市)
系統用蓄電池は、送配電網に直接つながり、電力市場での充放電によって収益を得る設備です。省令に「系統用蓄電池」という独立した項目はないため、電気を売る事業の設備として電気業用設備の区分を当てはめます。
コンテナや架台など主要な部分が金属製であることから、17年で扱うのが一般的です。8年の「その他のもの」に当たるのは主要な部分が金属製でない場合で、コンテナ型が中心の系統用蓄電池で該当するケースは限られると考えられます。
自分の蓄電池はどちら?設置形態ごとの区分と償却額への影響
区分の目安は、蓄電池で何をするかによって次のように分かれます。
| 設置形態 | 主な使い方 | 区分の目安 | 法定耐用年数 |
|---|---|---|---|
| 事業用建物の停電対策用 | バックアップ電源 | 建物附属設備(蓄電池電源設備) | 6年 |
| 工場などの自家消費用 | 本業で使う電気の貯蔵 | 本業の業種の設備区分 | 業種によって異なる |
| 系統用 | 電力市場での売電・調整力の提供 | 電気業用設備 | 17年が一般的 |
自家消費用が本業側の区分になるのは、設備から生まれる電気を専ら自社の製品づくりに使う場合、その製品に係る設備として区分を判定するという考え方を国税庁が示しているためです。国税庁の質疑応答では、自動車製造業の工場構内に設けた発電設備について、電気業用設備の17年ではなく、輸送用機械器具製造業用設備の9年を適用するとしています。
設備の構成や使い方で判断が分かれることもあるため、申告の際は顧問税理士に用途を伝えて区分を確認してください。
参照元:風力・太陽光発電システムの耐用年数について(国税庁)
耐用年数の違いは、毎年計上できる償却額に直結します。定額法の償却率で比べると、17年で1年に償却できる額は、6年のおよそ3分の1です。
| 法定耐用年数 | 定額法の償却率 | 取得価額に対して1年に償却できる割合 |
|---|---|---|
| 6年 | 0.167 | 約16.7% |
| 8年 | 0.125 | 12.5% |
| 17年 | 0.059 | 約5.9% |
参照元:減価償却資産の償却率等表(国税庁「青色申告決算書の手引き」)
実際の償却額は、定額法と定率法のどちらを使うか、いつ取得したかによっても変わります。収益シミュレーションで損金や税引後のキャッシュフローを見るときは、何年・どの方法で償却する前提になっているかを確かめると、資料ごとの数字の違いを読み解きやすくなるでしょう。
17年間使い続けられる?法定耐用年数と実際の寿命の違い
蓄電池は法定耐用年数の17年を過ぎても使い続けられますし、反対に17年を待たずに容量が大きく減ることもあります。どちらになるかを決めるのは、電池の劣化の進み方です。
実際の寿命を左右する2つの劣化|充放電の繰り返しと時間の経過
リチウムイオン電池の容量は、使い方と置かれた環境の両方の影響を受けて少しずつ減っていきます。劣化は大きく次の2種類に分けられます。
| 劣化の種類 | 起きる仕組み | 進みやすくなる条件 |
|---|---|---|
| サイクル劣化 | 充電と放電を繰り返すことで、ためられる電気の量が減る | 深い充放電、頻繁な充放電、大きな電流での充放電 |
| 保存劣化(カレンダー劣化) | 充放電をしていなくても、時間の経過とともに容量が減る | 高い温度、充電量が多い状態での保管 |
科学技術振興機構の調査報告書でも、充電状態、充放電の深さ、温度、電流の大きさといった条件ごとに劣化の進み方の違いが整理されており、同じ蓄電池でも運用ルールや温度管理によって寿命に差が出ます。
参照元:リチウムイオン電池の劣化挙動調査(科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター)
家庭用も含めた蓄電池の仕組みや、種類ごとの寿命の目安は、太陽光発電の蓄電池の仕組みは?蓄電池の役割や種類、寿命も解説!で解説しています。
運用期間を見極める確認ポイント|保証条件・機器の更新・保守体制
提案された運用期間が現実的かは、次の4点を資料で確かめると判断しやすくなります。
| 確認項目 | 見るべき中身 | 確認しないまま進めた場合に起きやすいこと |
|---|---|---|
| メーカーの保証条件 | 保証年数と、保証される残存容量の水準 | 容量が減っても保証の対象にならず、収益の低下をそのまま負担する |
| 蓄電池以外の機器の更新時期 | PCSや空調などの交換時期と費用が計画に入っているか | 運用の途中で想定外の交換費用が発生する |
| 劣化を織り込んだ収益計画 | 年数の経過とともに容量が減る前提で試算されているか | 初年度の収益が最後まで続く前提になり、実績とのずれが広がる |
| 監視と保守の担い手 | 異常の検知、点検、故障時の対応を誰が行うか | 停止に気づくのが遅れ、その間の収益を取りこぼす |
劣化と保守まで織り込んで15年の収益を見通す|アースコムの低圧系統用蓄電池
税務上の年数とは別に、その期間に収益を生み続けられるかは運用設計で決まります。当社の低圧系統用蓄電池パッケージは、15年間の安定運用を前提に設計しています。
15年の運用を前提にした設計|容量・市場参加・保守をまとめて任せられる
| 特長 | 内容 | 投資家にとっての変化 |
|---|---|---|
| 容量設計 | 217kWh、放電時間約4.36時間の大容量設計 | 電気の価格が高い時間帯に売れる量を確保しやすくなります |
| 市場参加 | 需給調整市場(一次調整力)・容量市場・卸電力市場の3つにAIが24時間自動で参加。容量市場では2028年以降、設備が確保されていることに対して毎年決まった額が支払われます | 1つの市場の価格変動だけに収益が左右されにくくなります |
| 運用・保守 | 土地選定、各種申請、設置工事、AIによる自動運転、保守・メンテナンスまで当社が一括で担当 | 劣化の監視や故障時の手配を、ご自身で行う必要がなくなります |
| 事業規模 | 出力49.5kWの低圧パッケージ | 数億円規模の高圧案件に比べて初期投資を抑え、連系の手続きも進めやすくなります |
15年間の収支の前提は、無料の収益シミュレーション資料でご確認いただけます。シミュレーションは一定の条件に基づく試算で将来の収益を保証するものではないため、劣化や保守の考え方を含めた前提は個別のオンライン相談でもご説明しています。


