2023.12.04
太陽光発電の蓄電池の仕組みは?蓄電池の役割や種類、寿命も解説!
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
太陽光発電における「蓄電池」は、最近はソーラーパネルと同時に設置される方も増えていますよね。
蓄電池は「非常用」に使うものというイメージがあるかもしれませんが、日常的に使うこともでき、発電した電気を家庭内で効率よく使うのに役に立つシステムなんです。
今回は太陽光発電における蓄電池の仕組みや役割、蓄電池の種類や寿命について解説。
なぜ今、蓄電池が注目されているのかもわかりますよ!
目次
太陽光発電と蓄電池の仕組み
蓄電池は二次電池やバッテリーとも呼ばれ、繰り返し充放電ができます。
対して、使い切りの電池のことを一次電池と呼びます。
蓄電池というと馴染みがないように聞こえるかもしれません。
でも実はスマホやパソコン、車など、生活のさまざまな場面で使われている、私たちのくらしにはなくてはならないものなんです。
太陽光発電と蓄電池を組み合わせるようになったのは最近のことで、産業用蓄電池が先行し、最近は家庭用にも蓄電池を備えるケースが増えてきました。
ソーラーパネルは発電するだけで電気を貯めておくことができません。
そこで、パワーコンディショナーに送って変換して家庭内で使ったり、電力網に送電したりします。
その中に蓄電池を組み込むことで、家庭内に電気を貯めておくことが可能になるのです。
日中に発電した電気を蓄電池に貯めておくことで、発電量は落ちるのに電力使用量が増える朝・晩に電気を回すことができます。
また、ピークカットと呼ばれる、発電し過ぎて余った電気を貯めることもできます。
貯めた電気は自家消費した後、余剰分は売電もできるため無駄がありません。
蓄電池は「一般負荷分電盤」と「重要負荷分電盤」の2つに分かれて、家庭内や電力網に送電されています。
通常時は両方の分電盤に送電されますが、停電時は電線で作業する電力会社の人への感電を防ぐため「一般負荷分電盤」への送電はストップされ、電力網と一般負荷分電盤から電気が供給されている家電は使えなくなるという仕組みになっています。
停電時には蓄電池とつながっている家電は使え、日光が出ている間は発電と蓄電池への充電も可能です。
太陽光発電そのものの仕組みについてはこちらのコラムで詳しくご紹介しています。
太陽光発電の蓄電池の種類や寿命
太陽光発電の蓄電池の種類は主に4つあります。
それぞれの特徴や寿命などについて見ていきましょう。
NAS電池
世界で唯一、日本ガイシのみが生産している、今後普及が期待されている蓄電池です。
運転のために高温が必要になりますが、大規模な電力貯蔵が可能なので工場施設など大きな施設に向いています。
寿命:15年(サイクル数:4,500回)
ニッケル水素電池
安全性が高いため、近年では主に乾電池型二次電池やハイブリッドカーの動力源として用いられている蓄電池です。
リチウムイオン電池の登場までは、モバイル機器のバッテリーにもよく利用されていました。
寿命:5~7年(サイクル数:2,000回)
リチウムイオン電池
充放電のロスが少ないため、スマホなどのモバイル機器のバッテリーや電気自動車に利用されている、暮らしに欠かせない蓄電池です。
ニッケル水素電池よりも小型で、軽量かつ高容量の電池として活躍の幅を広げるようになりました。
寿命:10年(サイクル数:3,500回)
鉛蓄電池
二次電池の中で最も長い歴史を持つ蓄電池です。
安価で使用実績が高く、車のバッテリーになどに使われています。
使用回数が上がるにつれ劣化が激しくなり、電池寿命が著しく短くなる特徴がありますが、使いやすいため今後も引き続き自動車のバッテリーなどに使用されると考えられます。
寿命:17年(サイクル数:3,150回)
太陽光発電の蓄電池が注目されているのはなぜ?今後の市場予測
オール電化住宅が増えているなか、停電時の電力供給源が断たれるケースは未だ少なくない状況です。
蓄電池を備えていた企業・家庭は、周りが停電しているなかでも最低限の電気を使うことができ、業務や生活に支障をほとんど出すことなく停電を乗り切った、という話が多く上がっています。
「ガスがあれば何とかなるのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、台風時に部屋を閉め切った状態での灼熱地獄下で、必要なのはガスではなく扇風機です。
異常気象などにより、大きな災害が起こることはもはや珍しいことではありません。
災害時におけるリスクヘッジとして、蓄電池を備えておくという選択も必要ではないでしょうか。
蓄電池導入に対して補助金を出す自治体も近年増加しており、国や自治体としてもエネルギーの自給自足を進めようとしていることが見てとれます。
また、産業用太陽光発電でも蓄電池の導入の増加が予想されます。
FIT制度において、2020年度には10kW以上50kW未満の小規模事業用発電に求める「地域活用要件」が新設されました。
このことにより、「発電した電力の30%以上は自家消費をすること」と「災害時に活用できること」が求められるようになったのです。
災害時に活用するためには、蓄電池の設置は必須です。
停電時の太陽光発電に関するお話は「太陽光発電投資で停電が起こったら?予想される損失や備える方法」でもご紹介しています。
今後もFIT制度では自家消費を増やしていくという予測もあり、産業用でもますます蓄電池の必要性は高まりそうです。
産業用蓄電池については「太陽光発電の産業用蓄電池とは?導入のメリットデメリットも解説!」で詳しく解説しております。
ぜひ参考にご覧くださいね。
太陽光発電の蓄電池の仕組みは電気の有効活用につながる
蓄電池とは繰り返し充放電ができる二次電池のことで、スマホや車など暮らしに欠かせないものです。
近年、太陽光発電と合わせて使われることが多くなりました。
発電量が落ちる朝・晩にも電気が使えたり、ピークカット時の余剰電力も貯めておけたりと、無駄になる電力を少なくすることができます。
蓄電池の種類には主に4つあり、用途や寿命に合わせてさまざまな場面で使われています。
停電時にも活躍するため、オール電化住宅が増えている今、蓄電池はますます需要が高まることでしょう。
蓄電池の購入において、補助金を出している自治体も増えてきています。
また、産業用太陽光発電においてもFIT制度の改正により、自家消費率が上がることが予想されます。
災害時に非常用電源として使えることはすでにFIT認定の条件となっていますので、蓄電池の必要性は確実に上がっています。
福島をはじめとする太陽光発電投資物件をもつアースコムでは、太陽光発電に関する情報を多角的に発信中です!
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