2026.10.19

大胆な投資促進税制は系統用蓄電池に使える?対象外になるケースと規模の考え方

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大胆な投資促進税制は系統用蓄電池に使える?対象外になるケースと規模の考え方のメインビジュアル

大胆な投資促進税制(特定生産性向上設備等投資促進税制)は、経済産業大臣の確認を受けた投資計画にもとづく設備投資について、即時償却か最大7%の税額控除を選べる税制です。業種の限定はほとんどなく、系統用蓄電池も業種を理由に外れることはありません。

ただし、投資計画に載せる設備の合計額が5億円以上(中小企業者等)または35億円以上であることが条件で、中古資産や貸付用の設備は対象外です。本記事では、系統用蓄電池への投資でこの税制が使えるかを判断するための要件と、申請の順番を整理します。

この記事でわかること

  • 系統用蓄電池がこの税制の対象になる条件と、対象外になるケース
  • 5億円と35億円のどちらが自社に当てはまるかの判定方法
  • 確認申請の流れと、設備を発注する前に済ませておくこと

大胆な投資促進税制は、即時償却か税額控除7%を選べる大型投資向けの税制

対象は、令和11年3月31日までに経済産業大臣の確認を受け、確認日から5年以内に取得・事業供用した設備です。確認から取得まで5年の幅があるため、建設に時間がかかる投資でも使えます。

優遇内容|設備ごとに即時償却か税額控除を選べる

優遇は2種類あり、対象設備ごとにどちらかを選べます。

措置 内容
即時償却 取得価額の全額を、取得した事業年度に償却できる
税額控除 取得価額の7%(建物・建物附属設備・構築物は4%)を法人税額から控除できる。上限は法人税額の20%

参照元:大胆な投資促進税制 申請要領(経済産業省)

即時償却のしくみや、税額控除との選び方は「即時償却のメリットとは?税額控除との違いや即時償却が可能な制度も」で解説しています。

適用の要件|投資利益率・下限額・意思決定・対象設備

確認を受けるには、次の要件を満たす必要があります。青色申告書を提出していれば、法人だけでなく個人も対象です。

要件 内容
投資利益率 年平均15%以上
投資下限額 投資計画に載せた設備の取得価額の合計が35億円以上(中小企業者等は5億円以上)
意思決定 取締役会等の適切な機関の意思決定にもとづく投資計画であること
対象設備 生産等設備を構成する機械装置・工具・器具備品・建物・建物附属設備・構築物・ソフトウエア(建物のみの投資計画は対象外)

参照元:大胆な投資促進税制 申請要領(経済産業省)

系統用蓄電池は対象になる?業種では外れないが、設備と使い方で外れることがある

系統用蓄電池は業種では対象外になりませんが、中古の設備や貸付用の設備は対象外です。

対象外となる業種は風俗営業等のみで、電気業は含まれない

申請要領が対象外としている業種は、風俗営業等の用に供する場合のみです。発電や電力の販売を行う電気業を除外する規定はありません。

ただし、系統用蓄電池を名指しした記載もありません。蓄電池であれば自動的に対象になるわけではなく、投資計画が要件を満たしているかを経済産業局が個別に確認します。

参照元:大胆な投資促進税制 申請要領(経済産業省)

中古資産・貸付用資産は対象外|蓄電所の買い取りや貸付型の契約に注意

投資の形によって、税制上の扱いは次のように分かれます。

投資の形 税制上の扱い
新品の設備を取得し、自社の事業に使う 対象になりうる(投資計画の確認が必要)
稼働中の蓄電所など、中古の設備を買い取る 対象外(中古資産)
取得した設備を第三者に貸して使わせる 対象外(貸付の用に供する資産)
運用をアグリゲーターなどに委託する 申請要領に明示的な記載はなく、契約内容の確認が必要

運用を委託する場合は、設備の所有者と、市場で得た収益の帰属先を契約書で確かめたうえで、貸付に当たらないかを税理士に確認してください。

どの規模なら使える?5億円か35億円かは投資計画の合計で決まる

投資下限額は、設備1つごとではなく、投資計画に載せた設備の取得価額の合計で判定されます。合計額が下限に届かなければ、ほかの要件を満たしていても対象になりません。

参照元:大胆な投資促進税制 申請要領(経済産業省)

5億円が適用されるのは「中小企業者等」のみ

資本金1億円以下でも、大企業の子会社などは中小企業者等に含まれず、下限額は35億円になります。主な区分は次のとおりです。

区分 下限額
資本金1億円以下の法人(下の2区分に当たらないもの) 5億円以上
常時使用する従業員が1,000人以下の個人 5億円以上
同一の大規模法人に、発行済株式の2分の1以上を所有されている法人 35億円以上
複数の大規模法人に、発行済株式の3分の2以上を所有されている法人 35億円以上
資本金1億円超の法人 35億円以上

※大規模法人:資本金1億円超の法人など

参照元:大胆な投資促進税制 申請要領(経済産業省)

複数の設備・拠点を1つの投資計画にまとめられる条件

投資計画は、投資の効果を正確に算出できる単位で作ります。申請要領では工場単位や店舗単位が想定されており、合計額を増やすために関連の薄い設備を束ねることはできません。

ただし、離れた場所への投資でも、共通の投資があり相乗効果が生じる場合は、1つの投資計画にできます。複数の拠点に設備を置くなら、次の3点を整理して、本社所在地を管轄する経済産業局に事前相談しましょう。

  • 各拠点に共通する投資(設備・システムなど)は何か
  • 共通の投資で、どのような相乗効果が生じるか
  • その効果を投資利益率の計算に反映できるか

参照元:大胆な投資促進税制(経済産業省)

申請はどう進める?確認書が出る前に設備を取得すると対象外

確認書が発行される前に取得した設備は、この税制の対象になりません。申請の受付から確認書の発行までは30日程度(休日等・補正の日数を除く)かかるため、発注の前に申請を済ませておく必要があります。

投資利益率15%の計算方法|営業利益と減価償却費の増加額で見る

投資利益率は、次の式で求めます。

投資利益率 =(営業利益+減価償却費)の増加額/年 ÷ 設備投資額 ≧ 15%

  • 減価償却費は、会計上の金額を使う
  • 算定期間は、取得する設備のうち最長の減価償却期間までで、その平均で判定する
  • 営業利益は5〜10年の任意の期間を設定し、最終年度の額をそれ以降の年度に横置きする

参照元:大胆な投資促進税制 申請要領(経済産業省)

計算用のExcelシートは、経済産業省の制度ページで公開されています。

意思決定から確認書までの手順と、申請前に決めておくこと

申請から税務申告までの流れは次のとおりです。

手順 内容
① 意思決定 取締役会等で投資計画を決議する(令和7年12月26日以降の決議が対象)
② 事前確認 公認会計士または税理士が投資計画を確認し、事前確認書を発行する
③ 確認申請 事前確認書を添付し、本社所在地を管轄する経済産業局へGビズフォームで申請する
④ 確認書の発行 内容が適切であれば、経済産業局が確認書を発行する
⑤ 取得・事業供用 確認日から5年以内に設備を取得し、事業に使い始める
⑥ 適合証明・税務申告 事業供用した年度に適合証明書を受け、確認書とあわせて税務申告時に提出する

参照元:大胆な投資促進税制 申請要領(経済産業省)

申請前には、次の2点も確認しておきましょう。

  • パートナーシップ構築宣言:取引先との適切な関係構築の方針を宣言し、公表まで済ませていることが必要です
  • ほかの税制との関係:確認を受けると、投資計画の実施期間中は中小企業経営強化税制・地域未来投資促進税制・カーボンニュートラルに向けた投資促進税制が事業者単位で使えなくなります。どの税制を使うかは申請前に決めてください

中小企業経営強化税制の概要は「中小企業投資促進税制と中小企業経営強化税制の違いは?」で解説しています。

税制ありきにしない系統用蓄電池投資|数千万円から始められる低圧パッケージ

高圧の系統用蓄電池は数億円規模の投資になるため、予算が合わず検討が止まっている方もいるでしょう。また即時償却は、本来は複数年に分けて計上する減価償却費を初年度にまとめる仕組みで、翌年度以降はその設備の減価償却費を計上できません。税制の可否より先に、事業として収益が見込めるかを確かめることが大切です。

アースコムでは、初期投資を抑えて始められる低圧の系統用蓄電池パッケージを用意しています。

高圧の数億円に対し数千万円から|49.5kWの低圧系統用蓄電池パッケージ

項目 高圧の系統用蓄電池 アースコムの低圧パッケージ
初期投資 数億円〜十数億円 数千万円〜
系統連系 送配電網との連系協議に数年以上かかるケースもある 高圧に比べて連系手続きが進めやすい

容量は217kWh、放電時間は約4.36時間です。蓄えられる電力量が多いほど、価格の高い時間帯に放電できる量も増えます。

なお、低圧パッケージ1基の投資額は、単独では大胆な投資促進税制の下限額(中小企業者等で5億円)に届きません。税制の活用を前提にする場合は、投資計画の組み方も含めて税理士とご検討ください。

土地探しから保守まで任せられる|3つの電力市場をAIが自動で運用

土地選定・各種申請・設置工事・AIによる自動運転・保守メンテナンスまで、アースコムが一括で対応します。参入する市場と収益の仕組みは次のとおりです。

市場 収益の仕組み
需給調整市場(一次調整力) 電気の周波数を保つために待機していること自体に報酬が支払われる
容量市場 将来の供給力を確保する対価として、落札後は毎年決まった収入が得られる
卸電力市場(JEPX) 電気代の安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電して差額を得る

入札や充放電のタイミングはアグリゲーターのAIが判断するため、専門知識や日々の手間をかけずに、本業と切り離して運用できます。

15年間の収益の見込みや、税制を含めた検討の進め方は、収益シミュレーション資料や個別のオンライン相談でご確認いただけます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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