2023.12.07
法人税の計算方法とは?法人税率や申告方法についても解説!
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
法人が必ず納めなければならないのが「法人税」。
ただ、法人税率の見方や法人税の計算方法は、少しややこしいので勉強が必要です。
今回は、法人税の詳しい計算方法や法人税率についてのお話。
法人税の申告方法についても触れてご紹介していきます!
目次
法人税の計算方法とは?
法人税は法人の所得に課せられる税金なので、計算式としては【課税所得額×法人税率】となります。
「課税所得」と「利益」は同じものと間違いやすいため、まずは両者の違いを知って、課税所得について理解しましょう。
課税所得額とは?
- 課税所得…税法上で使用する金額。【益金ー損金】で求められます。
- 利益…会計上で使用する金額。【収益ー費用(仕入れや経費等)】で求められます。
課税所得の計算にある「益金」「損金」についても補足します。
- 益金…企業会計上の売上高や販売等の収益の額に相当するもの。商品の売上額や固定資産の譲渡による利益などがあります。
- 損金…売上原価、販売費、一般管理費等の費用、及び災害等による損失の額に相当するものなどがあります。
益金・損金に算入すべき金額として、法人税法やその他の法令で「益金の額に算入するかどうか」が細かく定められています。
所得金額が会計上使用する金額と異なるのは、適正・公平な税負担のために調整する必要があるからです。
「益金算入」できるものとして上記より詳しく説明すると、会社更生計画に基づいて行う評価益や無償での商品の販売やサービスの提供など、法人税法上益金と計上できるものがあります。
また、逆に「益金不算入」という、受取配当金等の益金不算入など収益として計上しているが、法人税法上の益金としては計上されないものもあります。
同じく損金にも算入・不算入があり、仕入れなどの原価や人件費・光熱費・家賃等、災害で生じた欠損金額など損金として計上できるものを「損金算入」、減価償却資産の過大分や役員報酬、一定の金額を超える寄附金など、経費として認めないものを「損金不算入」とします。
法人税率とは?
法人税率は法人の規模や課税所得によって異なり、最高税率は23.2%です。
法人の種類によって税率が変わりますが、普通法人の法人税率は以下のようになっています。
【資本金規模1億円超の普通法人】
- 開始事業年度が平成28年4月1日以降:課税所得×23.4%
- 開始事業年度が平成30年4月1日以降:課税所得×23.2%
【資本金規模1億円以下もしくは出資金等のない中小法人】
- 開始事業年度が平成28年4月1日以降
・課税所得の年800万円超の部分…23.4%
・課税所得の年800万円以下の部分…15% - 開始事業年度が平成30年4月1日以降
・課税所得の年800万円超の部分…23.2%
・課税所得の年800万円以下の部分…15% - 開始事業年度が平成31年4月1日以降
・課税所得の年800万円超の部分…23.2%
・課税所得の年800万円以下の部分…15% - 開始事業年度が平成31年4月1日以降で適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等)の場合
・課税所得の年800万円超の部分…23.2%
・課税所得の年800万円以下の部分…19%
法人税率は社会情勢などによって変更されます。
最新の税率は国税庁のホームページでも確認してくださいね。
法人税と、法人住民税や法人事業税との違いとは?
法人税と名称が似ているものに「法人住民税」と「法人事業税」があります。
それぞれ特徴と計算方法を解説します。
◆法人税
法人の所得にかかる税です。
【計算方法】課税所得×法人税率
◆法人住民税
法人の設置場所にある公共サービス等の経費を一部負担させる目的で課せられる税です。
利益とは関係なく、法人が存在しているだけで税金がかかります。そのため、赤字の年でも納税義務が発生します。
【計算方法】法人税割+均等割
◆法人事業税
地方税で、法人の所得に課せられるものです。納税額は損金に算入できます。
【計算方法】課税所得×法人事業税率
法人税と法人事業税は、計算方法からもわかるように「課税所得」が関係して、赤字の年など収益が出なかった年には負担がありません。
しかし、法人住民税は法人があるだけで発生してしまう税金のため、最低でも年間7万円は税金がかかります。
法人税の申告方法も知っておこう
法人税の申告に必要な手続きは以下の3つです。
- 決算手続き
- 申告書の作成・提出
- 法人税の納付
それぞれの内容について見ていきましょう。
① 決算手続き
決算手続きは法人の収益状況や財務状況を明らかにして、正しい納税額を計算することが目的です。
領収書・請求書の整理や、在庫管理、資産や負債の実査などを行います。
決算手続きは専門知識を要するため、プロにお任せすることが多いです。
② 申告書の作成・提出
法人税の申告書を作成し、管轄内の税務署に提出します。
提出方法は郵送、持参、e-Taxの3種類です。
申告書の提出には以下の書類も求められます。
- 別表書類
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
- 科目明細書
- 事業概況書
③ 法人税の納付
法人税の納付には、現金、クレジットカード、e-Taxやインターネットバンキングを利用した電子納税が選べます。
法人税の納付期限は「事業年度終了の翌日から2ヶ月以内」となっています。
期限を過ぎてしまうと延滞料などのペナルティが課せられてしまうため、申告の流れや必要な手続きなどを押さえて、期限内に申告するようにしましょう。
法人税の計算は難しくないが時間が必要!
法人税率は社会情勢に応じて改訂されることもあり、法人の種類や事業開始年度、資金規模などによって若干の計算方法の違いが生じることはありますが、法人税の計算は【課税所得額×法人税率】が基本的な考え方です。
課税所得の計算で必要となる「益金」「損金」の、それぞれの算入・不算入項目についても把握しておきましょう。
また、法人税としてくくられることの多い、法人住民税と法人事業税。
個人の住民税と同じように、法人住民税は利益に関係なく法人が存在するだけで所在地に税金を納める必要があります。
法人税の申告は、決算手続きを経て、申告、納税となります。
決算手続きには時間を要するので早め早めの準備が肝心です。
申告方法、納税方法は数種類用意されていますので、納税期限に遅れないように手続きをしましょう。
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「法人の太陽光発電はどう節税する?節税方法を詳しく解説します!」もぜひご参考ください!