2022.11.10
高まるESG投資需要!ESG経営を中小企業が行うメリットを解説
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの石井です。
近年、投資や企業経営において「ESG」という概念が注目されています。
ESG投資とは、環境・社会・企業統治の要素を取り入れた企業に投資をすることであり、
「ESG経営」とは、環境への配慮や人権問題への取り組み、企業統治などを重要視した経営のことを指します。
ESG投資に注目が集まる中、近年はESG経営が大企業だけでなく中小企業にとっても重要性が高まっているのをご存じでしょうか。
今回は、ESG投資についてや中小企業がESG経営を行うメリット、ESG経営への取り組み方法を解説していきます。
投資家にとっても、企業がESG経営を重視しているかは重要な投資判断材料となっています。
中小企業に対するESG経営の動向を確認していきましょう。
目次
ESG投資・ESG経営の概要から解説!広まっている背景とは
まずは、ESG投資の概要や近年広まっている背景、ESGの概念と似ているSDGsとの関係性についてお話ししていきます。
ESG投資とは?
ESGとは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の頭文字を取った略語です。
Environment(環境):二酸化炭素排出量の削減や再生可能エネルギーの使用など、環境問題に対しての取り組みをこなっていること
Social(社会):ハラスメントの防止、女性の社会進出、多様性を認めるなど人権問題に対する取り組みや地域貢献などへの取り組み
Governance(企業統治):健全な企業経営、内部統制の構築、積極的な情報開示などをしながら不正が行われないような企業経営を行うこと
この3つの要素に配慮した企業経営を行っていくことを「ESG経営」と呼び、ESG経営を行っている企業に対して積極的に投資を行っていくことを「ESG投資」といいます。
ESG投資が拡大している背景やSDGsとの関係性
2006年に、国連のアナン事務総長が投資に対してESGの要素を組み入れるよう提唱し、責任投資原則(PRI)が策定されました。
これを機に、海外を中心に各企業や投資家がこのESGを取り入れた経営・投資に注目するようになり、拡大を続けています。
2021年の段階では、このPRIに賛同する機関や企業が3,800を超えており、その資産総額は120兆ドルに達しました。
日本国内でも、2015年にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がPRIに署名したことで話題となり、認知が拡大している状況です。
また、ESG経営が企業で導入される・ESG投資が広まるきっかけとなったものには、もう1つあります。
国連が2015年に定めた、持続可能な開発のための2030アジェンダ「SDGs」です。
SDGsとは、環境や社会問題を解決してすべての人が持続可能な社会を作っていく取り組みのこと。
2030年までに地球環境改善のために17の目標が掲げられ「持続可能性」という概念が企業の経営においても重視されるようになりました。
SDGsを取り入れた企業経営をすることで、ESG投資を行う投資家から資金を集めることにつながり、企業経営にとってもメリットがあるとの認識が広がっています。
ESG投資の種類やメリットについては「ESG投資とは?種類やメリット、現状まで詳しく解説!」のコラムで詳しく解説していますので、ぜひご確認ください!
ESG投資のメリットやESG経営を中小企業が行うメリット
投資家にとって、市場が拡大しているESG投資を行うことは「長期的な成長が想定できるため、投資として安定感がある」ほか、企業としてSDGsとESGに貢献することでブラッシュアップできるメリットがあります。
できるだけ長期の運用が望めれば、損失へのリスクも抑えられるでしょう。
ESG投資を意識した経営は、大企業にだけ必要なものではなく、中小企業にも広がってきています。
背景としては、取り組みを行うことによるメリットが非常に大きいことが挙げられます。
中小企業がESG経営を行う主なメリットは次の5点です。
- 企業のブランディング強化
- 競争力の向上
- 資金調達への対策
- リスク管理の強化
- 優秀な人材の確保
それぞれ確認していきましょう。
企業のブランディングの強化
企業の取り組み内容をアピールすることは非常に大切ですが、手法はさまざまです。
アピールする内容として、環境や社会問題に対応することは、投資家や顧客に非常に良いイメージを与えます。
ESG経営を行うことで、企業の健全化をアピールすることができ、社会に良い影響を与える企業はブランドイメージの向上につながりやすくなっています。
競争力の向上
現在は多くの消費者が、環境や人権に配慮した商品やサービスを選択するようになっており、これを「エシカル消費」といいます。
ESG経営を強化することが消費者に伝わることで、企業として他社に対する優位性になり、競争力を強化することにつながります。
資金調達への対策
多くの投資家が、ESG投資を意識するようになっています。
理由として、ESG経営に取り組むことは、企業統治に力を入れることになるだけでなく、さらに社会問題・環境問題の解決にもつながるため、長期的に見て企業の発展になると考えるようになっているからです。
結果としてESG経営に取り組むことが、多くの投資家を集めることとなり、資金調達への対策になります。
リスク管理の強化
ESG投資は、Governance(企業統治)、すなわち法令遵守や情報開示に取り組むことを含んでいます。
企業経営におけるリスク管理の観点からも、非常に重要な取り組みとなるでしょう。
優秀な人材の確保
ESG投資のSocial(社会)は、人権問題への配慮や女性の社会進出への対応など、働きやすい環境づくりも取り組みの1つです。
そのため、優秀な人材を確保することにもつながります。
中小企業がESG経営を行う場合の取り組み方をご紹介
実際に中小企業がESG経営に取り組む場合、どのようなことができるのでしょうか?
取り組みを行っている企業事例を参考にご紹介し、実際の取り組み方についても考えていきましょう。
ESG経営の取り組み事例
① 印刷会社
印刷業界では、インクを乾燥させるためにドライヤーによる熱風乾燥が一般的ですが、ESGを意識し、UVインクをLEDランプで硬化させるオフセット輪転機を導入し、電気使用量を削減している会社があります。
従業員についても、高齢のオペレーターや外国人技能実習生などさまざまな人材を受け入れ多様性を重視しているようです。
②染色整理業
呉服の染め物を行っていた企業が、現在はスカーフ、のれん、バッグなどの小物雑貨の製造販売も始め、退色や黄ばみの出た衣類の再生を行う染め直しなど、SDGsを意識した独自の染め物技術を行っているケースもあります。
③バイオマス活用技術
農業施設向けの集塵装置や排水処理装置、バイオマス炭化装置などの供給を行い、廃水処理や生ゴミの炭化などを通じて環境問題の改善を行う企業で、現在は海外にまで産学連携をしてバイオマスの技術を生かした装置の導入を行っています。
ESG経営への取り組み方とは
まず、経営陣がESGに関する知識をしっかり学び、SDGsを意識する取り組みを行うことが、ESG経営の基盤となります。
環境に配慮する例としては、再生資源や再生可能エネルギーを利用したり、過剰な資源の利用を控えたり、海洋プラスチック問題や二酸化炭素削減に関する取り組みを行うことなどが挙げられます。
また、人権問題に貢献する取り組みとして、発展途上国の人々を雇用したり、さまざまなテーマで人権啓発講演会や集合研修を実施したり、職場におけるハラスメントなどに関して相談窓口を設けたり、といった例もあります。
さらに、ESG投資をしてもらうためには、情報開示をしっかり行うことも重要です。
財務情報・非財務情報をまとめた「統合報告書」を、投資家向けに作成するのも1つでしょう。
また、社員に対して業績だけを評価するのではなく、環境や従業員の安全性・人権に配慮した仕事が実践できているかどうかなど、ESGに関する評価を取り入れている企業も増えています。
企業理念や戦略にESGを取り入れることも、今後必要になっていくことでしょう。
拡大していくESG投資に対応し中小企業もESG経営がカギに
現在投資家の間で拡大しているESG投資は、企業の取り組みが環境の改善や、人権などの社会環境の改善につながるため、今後も拡大が見込まれます。
国や大企業だけが取り組むのではなく、中小企業についても投資家からの資金を調達するためには、ESG経営への対応が必要となってきます。
また、ESG経営に取り組むことは、健全な企業経営や、優秀な人材の確保など今後規模を拡大させていく中では欠かせないメリットを生みだします。
今回紹介させていただいた事例などを参考に、ESG経営について検討を進めてみてはいかがでしょうか?
アースコムでは再生可能エネルギーの活用を通じ、環境や社会に優しく、事業としても収益を上げていく、ESGの考え方を取り入れた太陽光発電投資・環境事業投資をサポートいたします。
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