2023.06.15

所得拡大促進税制と賃上げ促進税制の違いは?わかりやすく解説!

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こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。

 

物価の上昇とともに、各企業については賃上げの要求が高まっています。

しかし、中小企業にとって値上げなどが厳しい中、賃上げは難しい状況ですよね。

 

そんな中、政府は、企業の賃上げに対して税額の控除ができる仕組みを拡大しています。

 

今回は、賃上げに対して税額を控除できる仕組みの「所得拡大促進税制」と「賃上げ促進税制」について、その概要と違いについて解説していきます。

計算

 

 

所得拡大促進税制と賃上げ促進税制をわかりやすく解説!

企業の賃上げに対して支援する制度の「所得拡大促進税制」は、同じような名前で「賃上げ促進税制」もあり非常にわかりにくい制度となっています。

 

所得拡大促進税制や賃上げ促進税制についてわかりやすく解説していきます。

 

所得拡大促進税制と賃上げ促進税制との違いは

所得拡大促進税制は、平成25年(2013年)に創設された、給与アップに対して税額を控除する中小企業向けの支援制度です。

 

もともと中小企業向けに作られた制度ですが、令和4年(2022年)の税制改正において、内容の見直しが行われ、中小企業だけでなく大企業にも適用が拡大されました。

 

この改正により「所得拡大促進税制」は「賃上げ促進税制」として引き継がれたのです。

 

今後については、「賃上げ促進税制」がこの制度の名前と考えれば良いでしょう。

 

賃上げ促進税制(所得拡大促進税制)の概要とは

もとの所得拡大促進税制は、基本条件として、「雇用者全体の給与支給額が前年比1.5%以上増加で15%の税額控除」となる仕組みでした。

 

プラスして、上乗せ要件がありましたが、この上乗せ要件が令和4年(2022年)の税制改正で緩和されています。

 

内容としては、中小企業の場合、下記2点の上乗せ要件が緩和されました。

  • 雇用者全体の給与支給額が前年度より2.5%以上増加で+15%の税額控除
  • 教育訓練費が前年度より2.5%以上増加で+10%の税額控除

 

さらに税額控除が最大25%から40%まで拡大されています。

 

次項で説明しますが、賃上げ促進税制に変更されてから適用された大企業については、条件が異なります。

 

 

賃上げ促進税制(所得拡大促進税制)の対象要件

給料アップ

この賃上げ促進税制を適用するには、どのような条件が必要なのでしょうか?

それぞれ確認していきます。

 

中小企業と大企業に対する適用要件の違い

賃上げ促進税制は、中小企業と大企業でそれぞれ適用要件が異なります。

 

中小企業
通常要件 雇用者給与等支給額が前年度より1.5%以上増加で15%の税額控除
上乗せ要件 ・雇用者給与等支給額が前年度より2.5%以上増加で+15%の税額控除

・教育訓練費の額が前年度より10%以上増加で+10%の税額控除

 

大企業
通常要件 継続雇用者給与等支給額が前事業年度より3%以上増加で15%の税額控除
上乗せ要件 ・継続雇用者給与等支給額が前事業年度より4%以上増加で+10%の税額控除

・教育訓練費の額が前事業年度より20%以上増加で+5%の増額控除

 

中小企業・大企業の要件

続いて、中小企業と大企業の要件を見ていきます。

 

中小企業

中小企業の適用対象としては、青色申告をしていて次のいずれかの条件に該当していることが必要です。

  • 資本金や出資金が1億円以下の法人
    (同一の大規模法人から2分の1以上の出資、2以上の大規模法人から3分の2以上の出資、前3事業年度の所得金額の平均額が15億円を超える法人を除く)
  • 資本または出資を有しない法事のうち常時雇用する従業員数が1,000人以下の法人
  • 常時雇用の従業員が1,000人以下の個人事業主
  • 協同組合など

 

大企業

大企業の適用対象は、青色申告をする企業のうち、中小企業等に含まれない以下のような法人が対象となります。

  • 資本金または出資金の額が1億円を超える法人
  • 資本または出資を有しない法人で、常時使用従業員数が1,000人を超える法人

 

給与などの条件は

賃上げ促進税制では、給与の増加に対して一部の法人税を控除する仕組みですが、この「給与」についても条件があります。

 

”棒給・給料・賃金・歳費および賞与並びに、これらの性質を有する給与(所得税法第28条第1項に規定する給与等)をいいます”

出典:中小企業向け 賃上げ促進税制 ご利用ガイドブック(令和4年12月27日更新版)

 

つまり、年俸や給料・賃金・賞与などで、通勤手当なども含まれますが、退職金など給与所得とならないものは含まれません。

 

 

賃上げ促進税制(所得拡大促進税制)のメリットもご紹介

税金

実際に社員の給与を上げた場合、企業側にどのようなメリットがあるのか、費用の面や雇用の面から確認していきましょう。

 

法人税の控除が受けられる

賃上げ促進税制のメリットは、社員の給与を上げた分に対して、一部分ですが法人税の控除が受けられることです。

 

今後、物価が上昇していく中では、社員の給与を上げずに経営するのは難しいでしょう。

 

そんな中、この賃上げ促進税制をうまく活用することで、従業員の賃上げに対するハードルは低くなります。

 

社員の給与を上げることで優秀な人材を確保できる

今後少子高齢化が進むと、特に中小企業は人材の確保が大きな課題となります。

 

特に優秀な人材であれば、買い手市場で、企業の待遇を比較しながら就職先を選ぶことが可能です。

 

社員の給与を上げることは、優秀な人材の確保につながるだけでなく、現在自社で働いている従業員の流出の歯止めにもつながります。

 

優秀な人材に長期的に働いてもらうためにも、給与アップは避けて通れない取り組みとなるのです。

 

減価償却を活用した節税対策についてはこちらのコラムで紹介しています。

こちらもぜひ参考にしてみてください。

特別償却と即時償却を詳しく!メリットデメリットから利用方法まで

 

 

所得拡大促進税制を活用して節税と人材確保につなげよう

インフレによる物価上昇や少子高齢化が進む中、企業に対する賃上げの圧力は高まり、賃上げをしない企業は、人が集まらないなど経営を圧迫する問題にもつながります。

 

だからといって、特に中小企業にとっては単純に賃上げができる状況ではありません。

 

今回紹介した、賃上げ促進税制(所得改題促進税制)をうまく活用し、法人税の控除を受けることによって、給与アップのハードルを少し下げることが可能です。

 

前年に対する給与の上げ幅の基準など、制度内容を十分にして適用されるよう対応する必要があります。

 

賃上げ促進税制をうまく活用することで、節税や優秀な人材確保につなげていきましょう。

 

アースコムでは、太陽光発電を利用した節税対策も提案します。

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この記事を書いた人

堀口優人マーケティング部

広報担当として、太陽光発電所の物件情報、節税や償却などの専門知識を発信。より良いサービスを提供できるよう市場調査にも注力 している。

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