2023.06.30
サステナビリティボンドとグリーンボンドの違いを解説!
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
SDGsに対する取り組みが拡大している中、環境や社会の課題解決に向けて投資するさまざまな債権が発行されています。
環境に対する取り組みに投資するグリーンボンド、社会課題に対する取り組みに投資するソーシャルボンドと合わせてサステナビリティボンドといわれる債券があります。
サステナビリティボンドは、簡単にいうと、環境や社会両方への活動に対する資金調達に使われるファンドです。
今回はこのサステナビリティボンドに注目して、特徴やグリーンボンドとの違いを解説していきます。
目次
サステナビリティボンドとは?
サステナビリティボンドとは、環境や社会両方への活動に対する資金調達のための債券です。
詳しい概要や歴史についても紹介します。
サステナビリティボンドの概要
サステナビリティボンドは、調達資金のすべてをグリーンプロジェクトやソーシャルプロジェクトへの融資や再融資に充てるための債券を指します。
これらの債権については、ICMA(国際資本市場協会)と呼ばれる債券取引業者の国際的な団体がガイドラインを策定しています。
ICMAは、グリーンボンド原則やソーシャルボンド原則などを作成し、各債券に対する投資家からの審査や評価に必要な情報を提供しています。
サステナビリティボンドの歴史
2007年11月、国連の「気候変動に関する政府間パネル」で報告書が公表され、今後の気候変動についての見解が示されました。
今後の温室効果ガスの排出が現在以上の速度で増加し続けた場合、21世紀にはさらなる温暖化がもたらされるといった深刻なものでした。
これを受けて欧州投資銀行と世界銀行は、環境に対する課題に対応するための資金調達として初のグリーンボンドを発行したのです。
その後、環境問題だけでなく、貧困などの経済的な問題、平等や多様性に関する社会的な課題に対応するソーシャルボンドが発行され、それぞれ環境や社会課題に対して効果を発揮していきます。
2017年には、ICMAにより「サステナビリティボンドガイドライン」が発行され、環境問題や社会問題両方に対して資金を調達するサステナビリティボンドが発行されることとなりました。
サステナビリティボンドとグリーンボンドの違いを解説!
サルテナビリティボンドの歴史の中でも解説しましたが、サステナビリティボンドは、グリーンボンドが対応する環境や、ソーシャルボンドが対応する社会課題の両方に対応する債券です。
また、これらの債券については、まとめてSDGs債とも呼ばれます。
それぞれの違いも見ていきましょう。
SDGs債にはさまざまな種類がある
SDGsとは、国連で宣言された2030年までに達成すべき具体的な開発目標のことです。
SDGsに対する取り組みを行うにあたって、資金を調達する金融商品ということで以下の債券は「SDGs債」とも呼ばれます。
それぞれ簡単に紹介します。
- グリーンボンド:環境への課題解決に対するプロジェクトに関連する資金調達
- ソーシャルボンド:貧困や平等など社会課題に対応するプロジェクトに関連する資金調達
- サステナビリティボンド:環境と社会双方に対しての取り組みに対する資金調達
SDGsに関連する資金調達にも該当 - サステナビリティ・リンク・ボンド:企業や自治体があらかじめ設定したサステナビリティ目標に向けた取り組みに対して使われる債券
- トランジションボンド:二酸化炭素排出量などの理由から、グリーンボンドの発行基準を満たさないものの、低炭素社会への移行(トランジション)を進めるプロジェクトに対する資金調達
サステナビリティリンクボンドについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
サステナビリティリンクボンドとは?メリットや事例についても解説
サステナビリティボンドとグリーンボンドの違い
さまざまな環境や社会問題に対応する債券の中でも、初期に発行されたグリーンボンドは、地球温暖化などの環境問題に対するプロジェクトに対する資金提供を目的としています。
内容については、ICMAが発行する「グリーンボンド原則」に則って運用されます。
それに対して、サステナビリティボンドは、グリーンボンドが対応する環境問題と、ソーシャルボンドが対応する社会課題の解決の両方に対応できるのが特徴です。
さらに、ICMAの発行する「グリーンボンド原則」と「ソーシャルボンド原則」の両方に共通する要素を持つ債券を指します。
また、持続可能な開発目標(SDGs)に関連する債券としても認知されています。
サステナビリティボンドのメリットと注意点
グリーンボンド、ソーシャルボンドと合わせてサステナビリティボンドについても、市場が拡大しています。
サステナビリティボンドへ投資するメリットや注意点についても紹介します。
サステナビリティボンドのメリット
SDGsなどへの意識の高まりから、投資家の間では責任投資という考え方が広がっています。
投資家は利益を得るためだけに投資をするのではなく、環境や社会に対しての責任を負うという考え方です。
そのためには、「ESG(環境・社会・ガバナンス)」の要因を運用資産に組み込むことが必要です。
サステナビリティボンドは、環境や社会課題などに共通した取り組みに対する投資となりますので、投資家にとってこの責任投資という考えを実践する投資先となるのです。
実際に環境や社会課題に対しての改善につながる上に、投資家にとってもリターンが得られることがサステナビリティボンドのメリットとなります。
サステナビリティボンドの注意点
環境問題や社会課題の解決につながり、投資家にとってもリターンが得られるサステナビリティボンドですが、課題もあります。
グリーンウォッシュと呼ばれる問題で、環境に配慮したイメージの「グリーン」と「取り繕う」や「上辺だけ」といった意味の「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた造語のことをいいます。
グリーンウォッシュは、本当は環境に配慮していないにもかかわらず、あたかも取り組みをしているように見せかける行為のことです。
実際に環境に配慮していなくても、投資家から資金を集めることができ、企業が利益を上げてしまうといった事例が発生しています。
投資家は、投資先の企業が、グリーンボンド原則やソーシャルボンド原則などに沿った取り組みを行っているかを確認する必要があります。
サステナビリティボンド・グリーンボンドの違いを理解し環境や社会に貢献を
グリーンボンドもサステナビリティボンドも、環境に配慮した取り組みに対する資金調達という意味では、同様の取り組みです。
サステナビリティボンドのほうが、社会課題などより広い分野への取り組みに対して資金調達をする債券となります。
投資家は、自身の利益を追求するだけでなく、環境や社会課題、ガバナンスなどに対して影響のある取り組みを行う責任があります。
環境や社会に対して取り組みを行うグリーンボンドやサステナビリティボンドに対して投資することで環境や社会に対して貢献することになるのです。
アースコムでは、太陽光発電を利用して環境に対して貢献します。
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