2023.02.25

産業用の太陽光発電は減価償却で節税!計算方法や注意点も知ろう

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こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。

 

産業用の太陽光発電は固定資産にあたるため、減価償却ができます!

減価償却を行うことで節税効果も期待できますので、計算方法や適切な条件を正しく理解したいですね。

 

今回は、産業用太陽光発電における減価償却の仕組みや計算方法、メリットや注意点などについて解説します!

お金について解説する男性

 

 

産業用太陽光発電の減価償却とは?

減価償却とは、資産は経年によって価値が減っていくという考え方です。

固定資産(自動車やビル、太陽光発電など)を購入した年に一度に経費とするのではなく、法律で定められた耐用年数を元に、毎年一定額もしくは一定の割合で経費として計上していくことをいいます。

 

太陽光発電には「家庭用」と「産業用(事業用)」の2種類がありますが、減価償却を行えるのは産業用のみです。

理由としては、家庭用の太陽光発電はソーラーパネルの容量が元々少ないことと、余剰売電を行うため年間の売電収入が20万円を超えることが少ないことが挙げられます。

給与収入以外で年間20万円を超える収入が無い場合は確定申告は不要なので、減価償却も考える必要はありません。

 

耐用年数は固定資産ごとに決められており、太陽光発電設備の法定耐用年数は17年です。

ちなみに耐用年数=寿命ではありません。

太陽光発電設備の寿命は一般的に20〜30年といわれています。

減価償却については「減価償却とは?メリットや太陽光発電の減価償却の計算方法なども!」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

 

産業用太陽光発電で減価償却する際の計算方法

減価償却をする会計処理には「定額法」を使う計算方法と「定率法」を使う方法の2種類があります。

それぞれの具体的な計算方法やメリット・デメリットを見ていきましょう。

 

定額法

定額法は、毎年「一定額」を減価償却していく方法です。

 

例えば1,700万円の太陽光発電を購入した場合、耐用年数の17年で割ると100万円/年となり、毎年100万円ずつ経費として計上できます。

 

1,700万円(取得価格) ÷ 17年(耐用年数)= 100万円(減価償却費/年)

 

未償却残高 減価償却費
1年目 1,700万円 100万円
2年目 1,600万円 100万円
3年目 1,500万円 100万円

 

※未償却残高:その資産でまだ減価償却されていない部分(取得価格 – 減価償却累計額)

 

耐用年数17年目まで、減価償却費100万円が計上されます。

18年目以降は、減価償却の対象ではなくなります。

 

また、購入額に定額償却率(太陽光発電設備の償却率「0.059(5.9%)」)をかけて計算することもできます。

1,700万円 × 0.059(償却率) = 100.3万円

 

定額法は毎年一定額を計上するため、計算が簡単なのがメリットです。

個人投資家など、確定申告を税理士に任せず、ご自分でされている方には定額法がおすすめです。

初年度の経費が定率法に比べて少なくなるため、利益を多く出すことができます。

デメリットとしては、節税効果という点では定率法にやや劣るということが挙げられます。

 

定率法

定率法は毎年「一定の割合で算出した額」を減価償却していく方法です。

 

初年度の減価償却費は「固定資産の購入額(取得価格)×定率償却率」で計算します。

翌年以降は「(固定資産の購入額(取得価格) – 前年までの減価償却累計額)×定率償却率」です。

太陽光発電の定率償却率は「0.118(11.8%)」を用いて計算します。

 

1,700万円の太陽光発電を購入した場合で実際に計算してみましょう。

 

<初年度の経費>

1,700万円(取得価格) × 0.118(償却率) = 200.6万円。

 

<2年目の経費>

2年目は取得価格から償却額を差し引いた額に0.118をかけます。

(1,700万円 – 200.6万円(1年目の償却費))× 0.118(償却率) = 約176.9万円。

 

<3年目の経費>

3年目以降も同様に、前年までの償却額を差し引いた額に償却率をかけて計算します。

(1,700万円 – 200.6万円(1年目の償却費) – 176.9万円(2年目の償却費))× 0.118(償却率) = 約156.1万円

 

未償却残高 償却率 減価償却費
1年目 1,700万円 11.8% 200.6万円
2年目 1,499万円 11.8% 176.9万円
3年目 1,322万円 11.8% 156.1万円

 

このように、初年度の減価償却費が最も高く、徐々に少なくなっていきます。

 

ただし定率法で計算していくと耐用年数の17年では償却が完了しないため、未償却の残高が償却保証額を下回った段階で定額法に変更になります。

 

償却保証額は「購入価額×保証率」で算出します。

太陽光発電設備の保証率は「0.04038(4.038%)」です。

 

1,700万円(購入価格)× 0.04038(保証率)= 68万6,460円(償却保証額)

この償却保証額(68万6,460円)を下回った年に、償却率より割合が高い「改定償却率(耐用年数17年の償却資産の場合は「0.125(12.5%)」)」を用いて計算をします。

 

計算に用いる償却率などの数値は変更されることがありますので、計算の際には最新のものをチェックしてくださいね。

 

定率法の大きなメリットは、事業初年度の節税効果が高いこと。

企業利益が一時的に大きくなってしまったときに太陽光発電投資を始めると、高い節税効果が得られます。

そのため定率法は、法人向けの計算方法だといえます。

 

デメリットとしては、計算の値が毎年変わったり途中で定額法に切り替わったりするため、計算方法が複雑になることが挙げられます。

また、年数を経るにつれて減価償却費が少なくなるため、節税効果が薄くなることもデメリットの一つです。

 

 

産業用太陽光発電の減価償却のメリット

太陽光発電で減価償却をするメリットについて見ていきましょう。

 

所得税や法人税を抑えられる

減価償却によって、法定耐用年数の17年に渡って毎年少しずつ経費として計上することができるため、所得が減って税金を抑えることができます。

 

太陽光発電の売上が増えても、経費を多く計上できれば所得を抑えることができ、節税になるのです。

 

太陽光発電設備の法定耐用年数は17年と比較的長いので、節税メリットを長期間にわたって受けることができます。

 

税額控除や即時償却でさらに節税効果が期待できる

個人事業主や中小企業であれば、太陽光発電設備を導入する際の経費に対して税額控除や即時償却などが認められる可能性があります。

 

税額控除とは、収入から控除額を引いた課税対象となる所得額(課税所得金額)から計算された所得税・住民税をさらに減らしてくれる制度。

 

税額控除は確定申告をしないと適用されないため、自分で対象になるかチェックして申請する必要があります。

 

減価償却で節税になる理由やメリットについては「減価償却で節税になる理由とは?その仕組や方法、メリットを解説!」でも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

 

損益を正確に把握できる

減価償却をすることで、太陽光発電にかかったコストや、利益や損失がいくらなのかを適切に把握できます。

 

これによって固定資産の価値や計画との乖離(かいり)をチェックでき、必要であれば事業計画を修正するなど、長期的な計画を立てやすくなるでしょう。

 

 

産業用太陽光発電で減価償却する際の注意点

産業用太陽光発電で減価償却する際に、事前に知っておくべき注意点もご紹介していきます。

 

太陽光発電を中古で購入した場合は耐用年数が異なる

太陽光発電は中古で購入した場合も固定資産税のため、減価償却もできます。

 

ただし、減価償却をするためには中古資産の耐用年数を用いて計算する必要があります。

中古資産の耐用年数の求め方は「(17年 – 経過年数)+(経過年数 × 20%)」です。

 

例えば、経過年数が10年の場合は耐用年数は次のようになります。

(17年 – 10年)+ (10年 × 20%)= 9年(耐用年数)

 

償却方法は3年間変更できない

定額法も定率法も、一度その方法で計算をすると3年間は変更不可で、変更の際には税務署での手続きが必要になります。

 

定額法と定率法のメリット・デメリットも踏まえて、事業計画に合わせた選択をしましょう。

 

 

産業用太陽光発電の減価償却は定額法と定率法を正しく知って節税!

産業用太陽光発電の設備は、経年によって価値が落ちる減価償却資産です。

減価償却を行うことで毎年設備費を経費として計上できるので、税金を減らすことができます。

減価償却のメリットは節税効果以外にも、損益を正確に把握できることなどが挙げられます。

 

家庭用の太陽光発電の場合は少ないパネル数で余剰売電を行うため売電収入が少なく、そもそも確定申告をすることがほとんど無いため減価償却を考える必要はありません。

 

減価償却では定額法と定率法の2種類の計算方法があり、それぞれ特徴やメリットがあります。

おおまかに分けると定額法は個人投資家向け、定率法は法人向けです。

ただし計算方法の変更は容易ではないため、経営実態や事業計画に合わせて賢く選びましょう。

 

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この記事を書いた人

堀口優人 マーケティング部

広報担当として、太陽光発電所の物件情報、節税や償却などの専門知識を発信。より良いサービスを提供できるよう市場調査にも注力している。

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