2021.04.07

農地転用と地目変更の違いは?それぞれの内容と関係性、方法も詳しく!

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こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。

 

太陽光発電においても設置時に時おり話題になる「農地転用」と「地目変更」。

 

何となく農業に関するものなのかな?土地に関することなのかな?といったことはわかっても、どのような性質の手続きであるかや、両者の違いについて理解しているという方は少ないかもしれません。

 

今回は農地転用と地目変更の違いや、太陽光発電と農地転用・地目変更とのかかわりについて解説します。

 

 

農地転用と地目変更の違いとは?

農地転用と地目変更について説明する前に、まずは「農地」とは何を指すのかを押さえましょう。

農地とは「田」や「畑」「果樹園」など、耕作地として利用しているものを指します。

家の庭でやっているような小規模の家庭菜園は農地には含みません。

 

地目とは、「登記(持ち主や土地の場所などの不動産情報を公の帳簿に記すこと)したときの現況」を表すものです。

登記された当時は家が建っていて地目は「宅地」になっていても、現在は家が無く畑になっていて、実質的には農地として使われているということもあります。

この場合、現況に合わせて地目は「農地」となります。

 

逆のケースでは、地目が「田」や「畑」などの農地になっているのに、現況では家が建っている場合。

同じ理屈で現況が宅地として使用されているため、地目は農地ではなく宅地になる…と思いますが、実はこの場合は単純にそうなるわけではありません。

日本では農業保護政策を取っており、「農地法」と呼ばれる強い法律があります。

これにより、農地を勝手に他の目的で使用してはならないということになっているのです。

 

地目が農地の土地を宅地にした場合は、農地への原状回復を求められることもあります。

 

では、どうすれば農地を他の目的に使用できるのかというと、ここで「農地転用」が登場します。

 

農地転用とは、農地を農地以外の目的に使っても良いと許可をすることです。

ただし農地転用許可が下りても、地目は農地のままです。

 

農地から宅地など別の地目に変更するためには「地目変更登記」が必要になります。

地目変更登記は地目変更から1ヶ月以内に行わなければなりません。

 

農地の場合、農地転用をして土地を農地以外に使うことが許可されても、地目変更登記をしなければ地目は変わらないということです。

 

また、農地の地目を変更するために地目変更登記を行う必要がありますが、農地転用許可を受けていなければ地目変更はできません。

 

このように、農地の地目を変更するためには「農地転用」と「地目変更」が必ずセットになっているということを理解しましょう。

 

地目変更登記の方法とは?太陽光発電における地目変更についても

地目変更登記の方法についても解説します。

 

登記先ですが、不動産の登記は不動産を管轄する法務局で行います。

申請は所有者本人が行うか、司法書士や土地家屋調査士に委任する方法があります。

 

以下が、農地を地目変更登記する流れです。

  1. 農地転用の手続きをし、非農地証明や農地転用届、農地転用許可証などをもらう
  2. 非農地証明、農地転用届、農地転用許可証などの書類を添付し、地目変更登記申請を行う
  3. 法務局で申請書をもらい、必要事項を記入後、申請する
  4. 法務局が書類の確認を行う
  5. 法務局による現地調査などを経て、1週間ほどで登記が完了する

 

5の現地調査は司法書士や土地家屋調査士に委任した場合、法務局と同じ程度の登記の専門家であることや地目認定が正しく判断されていることが推量されるため、一般的には省略されます。

 

太陽光発電における地目変更とは?

地目が「田」や「畑」となっている農地は、農業に必要な設備であるビニルハウスなどのみ、建築が認められています。

 

野立ての太陽光発電所を農地に立てたい場合は農地転用をし、地目を宅地などに変更する必要があります。

 

太陽光発電はどのような地目の土地に設置可能かについては、こちらでも詳しくご紹介していますので合わせてご覧ください。

太陽光発電を設置できる土地の地目とは?農地転用や地目変更も解説

 

 

農地転用が不要なソーラーシェアリング

前述したように、地目が農地の土地のままでは野立ての太陽光発電設備は設置できません。

ただし、農地転用せずに太陽光発電をする方法があります。

それが、ソーラーシェアリングです。

 

ソーラーシェアリングとは畑や田で農作物を育てながら、その上に2m以上の高い支柱を立ててソーラーパネルを設置し、太陽光発電を行うものです。

太陽光発電と営農を同時に行うため、営農型太陽光発電とも呼ばれます。

 

ソーラーシェアリングでは3年ごと(条件を満たせば10年)に農地の一時転用許可申請をする必要がありますが、地目は農地のままで固定資産税も上がりません。

 

農業収入は天候などに左右されやすいため、太陽光発電によって安定した収入を得ることができ、収入の安定化を図れると近年注目を集めている方法です。

 

ソーラーシェアリングについてはこちらで詳しくご紹介しております。

ぜひご一読ください!

ソーラーシェアリングのメリットとは?手続き方法や費用を解説

 

 

農地転用と地目変更は紛らわしいが全く違う!正しい手続きを

農地転用とは、農地を他の目的で使用することを許可することを言います。

ただし、農地転用の許可が下りても、自動的に地目が変更されるわけではないので注意が必要です。

 

地目を変更するためには、地目を変更してから1ヶ月以内に地目変更登記をする必要があります。

地目変更登記は、農地転用許可を経て、必要書類を添付して法務局で地目変更の手続きを行います。

農地転用許可が済んでいなければ地目変更登記はできません。

 

太陽光発電を農地で行いたい場合、地目が農地のままでは設備が設置できないので、地目変更が必要です。

ただし、農地下部で農業を行いながら上部では太陽光発電を行うソーラーシェアリングの場合、3年または10年ごとの一時転用許可申請をすれば、地目は農地のままで太陽光発電が行えます。

 

福島をはじめとする各地に太陽光発電投資物件を扱うアースコムでも、ソーラーシェアリングをサポートしています!

 

ソーラーシェアリングは農業収入と売電収入のW収益構造が期待でき、日本の新しい農業の形として注目を集めています。

ぜひ検討してみてくださいね!

 

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この記事を書いた人

丸林綾子(取締役 副社長)

2008年にアースコム創業して以来、「営業」「マーケティング」「土地調達」「開発」「メンテナンス」など、太陽光発電に関連するあらゆる業務を16年にわたり統括してきました。

現在は、太陽光発電事業だけでなく、「FIT-EASY」や「ミルクドドレイク」といった新規事業の責任者としても活動。これらの事業を成功に導く中心的役割を果たしています。

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