2023.10.27
SDGsの優先順位とは?「5つのP」「優先課題8分野」について解説
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
SDGsには優先課題があるのをご存知でしょうか?
国の状況により優先順位が異なりますが、日本では8つの優先課題が設定されています。
また、SDGsには17の目標が定められていますが、その大本となる基本概念に「5つのP」といわれるものがあります。
今回は、SDGsにおける優先順位や5つのPについてお伝えしてきます。
目次
SDGsの優先順位は国によって異なる
SDGsの目標を達成するためには、優先順位を決めてから取り組むことが大切です。
それぞれの国や自治体によって優先すべき課題は異なり、すべての目標を一気に解消することは難しいです。
ここでは、SDGsと優先順位の考え方について解説していきます。
SDGsとは
SDGsとは、持続的な開発目標(Sustainable Development Goals)のことで、2015年9月の国連サミットで採択された目標です。
世界では、貧困や地球温暖化、ジェンダーの問題などさまざまな課題があります。
SDGsはそのような課題を解決し、2030年までに持続可能な社会を作ることを目指すものです。
持続可能な社会とは、将来長期的に、維持・保全され発展できる社会のことを指します。
SDGsは17の目標と169のターゲットから構成されています。
SDGsにおける優先順位とは
SDGsでは、17の目標をそれぞれ達成しなければなりませんが、日本などの先進国と、アフリカなどの途上国では取り組む優先順位が異なります。
例えば目標6の「安全な水とトイレを世界中に」といった目標は、日本ではほぼ達成している目標ですが、途上国の一部の国や地域ではいまだに深刻な問題です。
また、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」については、途上国でも課題ではありますが、日本でも女性の活躍などについてはまだ多くの課題があります。
優先順位は、世相によっても変化します。
2023年には、日本国内では目標16の「平和と公正をすべての人に」を優先すべきと考える人が多い傾向になりました。
これは、ウクライナ侵攻があったことから、この目標の優先順位が上がったと考えられます。
このように、国や地域、その時点での世の中の状況により優先課題は変わっていくのです。
SDGsの優先順位のキーワード「5つのP」「優先課題8分野」を解説!
SDGsには「5つのP」という考え方があります。
SDGsの17の目標は、この「5つのP」を具体化したものであり、目標の優先順位を考える際、5つのPを意識すると理解しやすくなります。
SDGsの「5つのP」とは
SDGs「5つのP」とは次の5項目のことをいいます。
- People:人間
- Prosperity :豊かさ
- Planet :地球
- Peace :平和
- Partnership :パートナーシップ
それぞれ解説していきます。
1.People:人間
1つ目のPはPeople(人間)です。
世界では、貧しさや飢えに苦しむ人たちがまだたくさんいます。
このような問題を解決していくことや、全ての人が健康で平和に暮らしていけることを目標にしています。
2.Prosperity:豊かさ
2つ目のPはProsperity(豊かさ)です。
主に経済的な豊かさを表し、世界中どこで暮らしても、心も体も豊かに暮らせることを目指します。
産業や技術革新の基盤をつくること、クリーンなエネルギーを使うことなどを目標にしています。
豊かさの中には、国や地域の経済格差や職場での平等なども含んでいます。
3.Planet:地球
3つ目のPはPlanet(地球)です。
持続的な豊かさを子どもたちの世代まで残していくためには、地球環境を守ることが欠かせません。
地球温暖化や気候変動に対して、地球規模での対策を行っていくことが重要です。
二酸化炭素排出量の削減や、森や海の動物や植物を守ることなども含まれています。
4.Peace:平和
4つ目のPはPeace(平和)です。
持続可能な世界を目指すには、平和であることが重要です。
世界では現在も紛争や迫害で多くの人が命を落としています。
多くの人びとが平和に対して関心をもち、行動していくことが大切です。
5.Partnership :パートナーシップ
5つ目のPはPartnership(パートナーシップ)です。
パートナーシップとは、国と国の協力関係だけでなく、地域や企業などが協力していくことも大切です。
また、政府開発援助(ODA)などで先進国から開発途上国に対する支援なども求めています。
優先課題8分野を紹介
日本では、5つのPに対応して、8つの優先分野を独自に定めています。
政府が2023年に発表した「SDGsアクションプラン2023」の中で定められている、2030年までに目標を達成するための「優先課題8分野」は以下の通りです。
- あらゆる人びとが活躍する社会、ジェンダー平等の実現
- 健康・長寿の達成
- 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
- 持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
- 省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
- 生物多様性、森林、海洋などの環境の保全
- 平和と安全・安心社会の実現
- SDGs 実施推進の体制と手段
政府は、毎年アクションプランを更新しており、その中でSDGsの目標達成にむけた中長期的な国家戦略として優先課題を設けています。
SDGsの「優先課題8分野」への日本の取り組み事例を紹介
日本政府のSDGsに対する「優先課題8分野」を紹介してきましたが、ここではそれぞれの優先課題について、日本の具体的な取り組み事例を紹介していきます。
1.あらゆる人びとが活躍する社会、ジェンダー平等の実現
あらゆる人びとが活躍できる社会をつくるため、ダイバーシティ経営の普及啓蒙をし、女性、外国人、高齢者、障がい者など、多様な人材の能力を最大限発揮させるための取り組みを行なっています。
2.健康・長寿の達成
従業員に対する健康管理を経営的な視点で考えることを「健康経営」といいます。
従業員の活力向上や、生産性の向上をはかる健康経営を実践している企業に対する「健康経営優良法人認定制度」を創設して、優良な健康経営の「見える化」を行なっています。
3.成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
SDGsを生かした地域創生を促進するため、SDGs達成に向けた優れた取り組みをしている地方公共団体を「SDGs未来都市」として選定し、成功事例の普及や情報発信を行なっています。
4.持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
気候変動の影響による、気象災害が頻発化していることや、南海トラフ地震や首都直下型地震の発生が予測されていることに対して対策を推進しています。
国土強靭化基本計画に基づき、デジタル技術の活用や官民の連携強化をすることで、災害に強い国づくりを進めています。
5.省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
日本政府として、2050年にカーボンニュートラルの実現を目指しており、次世代型太陽電池の開発やカーボンリサイクルなどのイノベーションを進めています。
カーボンニュートラル実現に向けては、交付金などによる財政支援を通じて、2030年までに少なくとも100箇所の脱炭素先行地域を作ることを目標としています。
カーボンニュートラルについてはこちらのコラムで詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
カーボンニュートラルとSDGsとの関係は?取り組み内容も解説!
6.生物多様性、森林、海洋などの環境の保全
2022年12月にカナダ・モントリオールで生物多様性条約第15回締結国会議が開催され、植物多様性に対する新たな世界目標が採択されました。
日本国内では、この国際的な枠組みに貢献するため、「2030年までに陸域・海域の30%以上の保全」実現に向けた取り組みを進めています。
7.平和と安全・安心社会の実現
ロシアのウクライナ侵攻などの影響で食料やエネルギー価格が高騰し、世界的な人道支援が必要となっています。
国連機関や開発機関などと連携して、平和構築・復興支援・地域の安定のための支援を継続しています。
8.SDGs 実施推進の体制と手段
SDGsの達成に向けては、SDGs推進本部が中心となって、関係省庁が一丸となり、国民一人ひとりの行動変容を促す取り組みを行なっています。
また、2023年9月に国連で開催されたSDGsサミットでは、持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラムなどに積極的に参加しています。
SDGs目標達成の優先順位は国や世相によって異なる
SDGsの取り組みは多岐にわたり、各国では優先順位を設けていることも。
優先順位は、途上国や先進国、世界情勢など各国が置かれている状況によっても異なります。
日本では、SDGsの大本の考え方である「5つのP」をもとにして、8つの優先分野を政府が定めています。
企業におけるSDGsへの取り組みを考える際は、優先順位の考え方はヒントになるでしょう。
アースコムでは、SDGsへの取り組みとして、再生可能エネルギーを利用する太陽光発電投資・環境事業投資をサポートしています。
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