2023.12.06
ソーラーシェアリングの架台はどう選ぶ?その種類や特徴、注意点
株式会社アースコム 代表取締役の丸林です。
太陽光発電では、架台という設置台にソーラーパネルを設置して発電をします。
農業と太陽光発電の両立であるソーラーシェアリングでは、この架台の形状がとても重要になります。
今回は、ソーラーシェアリングの架台について解説します。
ソーラーシェアリングで主に採用される架台の種類やその特徴、ソーラーシェアリングの架台に必要となる性能、架台について考える際の注意点などをご紹介します。
目次
ソーラーシェアリングの架台は主に2種類
ソーラーシェアリングでは地面は農業を行っているので、足の長い支柱を立ててソーラーパネルを設置します。
このときソーラーパネルを設置する土台となるのが「架台」です。
ソーラーシェアリングで採用される架台の形状は、大きく2種類に分かれます。
藤棚式
架台を藤棚のように組み、その上にソーラーパネルを間隔を空けて配置します。
パネルの隙間が空いているので地面の作物に均等に日光が当たること、パネルの下でも十分な作業スペースを確保できることがメリットです。
アレイ式
野立ての太陽光発電設備でよく見る、一般的な形状の架台です。
複数のソーラーパネルを架台に設置し、その架台を並べて農地に設置します。
一般的な太陽光発電設備の設計を転用できるので、低コストで設置が可能です。
藤棚式と比較して遮光率が高くなる傾向があります。
また、採用事例は少数ですが、追尾式で可動タイプの架台もあります。
太陽光パネルの角度を自由に変えることができるので、作物への日射量や発電量の調整が可能です。
ただし、部品が多くなるためメンテナンスコストや故障リスクが高まり、「運用の手間が少ない」という太陽光発電のメリットそのものを小さくしてしまう可能性はあります。
ソーラーシェアリングの架台で重視するべき特徴
ソーラーシェアリングでは、農業と太陽光発電の両立が重要です。
発電設備の架台では、以下のポイントを重視してください。
耐久性がある
太陽光発電の売電は、20年などの長期間の収益計画を立てていることが一般的です。
10年、20年と壊れることなく安心して使用できる耐久性が必要です。
施工コストを抑える
ソーラーシェアリング設備を設置するには初期費用がかかります。
初期費用が大きいほど利益回収に時間がかかるため、施工コストを抑えて設置できる架台が求められています。
近年はローコストに導入できる商品も増えてきています。
安全性が高い
シェアリングでもソーラーパネルの下で農作業を行います。
支柱が倒れたりパネルが落ちたりすると大変危険ですので、安全性がとても重要です。
万が一の事故が決して起きない、高い安全性が必要となります。
ソーラーシェアリングの架台を考える際に注意すること
ソーラーシェアリングの架台を検討するときには、農業に悪影響がないか、農作物を安定して育てられるかという点に注意してください。
パネルを設置することによって農地には日陰ができますが、環境の変化はそれだけではありません。
日照量のほか、地面の温度や湿度、風通しや風向きなど、栽培環境のさまざまな部分が変わり、作物の生長に影響を与えます。
さらに、架台の高さや配置場所、数によっては農業機械が入りにくくなり、作業効率が落ちてしまうケースもあります。
適切な成育環境を確保できる架台を選びましょう。
また、ソーラーシェアリングでは雨が降った際にパネルからの泥跳ねで作物の生育が阻害されるなど、雨だれ被害が起こることもあります。
パネルを固定する架台横桟の設計で雨水を適切に処理できるようにする、といった対策も必要になる可能性があることも知っておきましょう。
ソーラーシェアリングの架台は農業との両立を考えて選ぶ
ソーラーシェアリングでは農業と太陽光発電の両立が重要。
そのためにも、ソーラーパネルを設置する架台選びは大切です。
日本では主に、藤棚式とアレイ式の2種類が多く採用されています。
藤棚式は日照量に優れ、アレイ式は導入コストを抑えられるというメリットがあります。
長期間運用する設備ですので、安全性や耐久性、施工性などが高いものを選びましょう。
架台の種類によって、日当たりや温度、湿度といった土地の環境が変化します。
栽培している作物に対して、適切な環境を確保できる架台を選びましょう。
福島の太陽光発電投資物件を扱うアースコムでも、ソーラーシェアリング事業を推進しております。
メリットデメリットを踏まえたうえで、ぜひご検討ください。