2023.12.06

ソーラーシェアリングに適する作物は?注意点も知っておこう

facebook

twitter

line

株式会社アースコム 代表取締役の丸林です。

 

農業をしながら農地で太陽光発電を行う「ソーラーシェアリング」。

今回はソーラーシェアリングに適する作物について解説します。

 

ソーラーシェアリングでは太陽光発電に注目が行きがちですが、農業との両立が重要です。

ソーラーシェアリングに適する作物の特徴や考え方、注意点やリスクについても知っておきましょう。

ソーラーパネルと畑

 

 

まずはソーラーシェアリングの基本を知りましょう

ソーラーシェアリングとは、農地で農業をしながら太陽光発電を行う取り組みです。

農地に支柱とソーラーパネルを設置して上部空間で太陽光発電を行いつつ、地面では作物を育てます。

これをソーラーシェアリング、または営農型発電設備と呼びます。

 

50kWの太陽光発電をソーラーシェアリングで設置する場合、設置費用は1,200万円~1,700万円程度が目安となり、太陽光発電した電気を国に買い取ってもらうことで収益を得ることができます。

農業収入を得ながら売電収入を得られる、農地を有効活用できるといった点が大きなメリットです。

農業用地は広い平地や日当たりの良い土地も多く、太陽光発電に向いている土地ともいえるでしょう。

 

太陽光発電による売電は、固定価格買取制度(FIT)によって20年間は固定価格での買取となります。

長期間の安定収入を見込めるのも嬉しいポイントです。

 

さらに詳しくは「ソーラーシェアリングのメリットとは?手続き方法や費用を解説」でもご紹介しています。

ご参考ください。

 

ソーラーシェアリングに適する作物の特徴や種類

ソーラーシェアリングで取り組むべき農作物にはどんなものが向いているでしょうか。

 

農地にソーラーパネルを設置するので、地面にはパネルの影がかかります。

そのため、日陰を好む作物を作ることをおすすめします。

 

植物の生長には日光が必要ですが、実は日が当たれば当たるほど良いとは限りません。

植物には、一定以上の日差しは光合成に利用できないという「光飽和点」があります。

光飽和点を超える太陽光は、逆に植物のストレスになってしまいます。

日当たりが少ない場所を好む種類の植物もあるのです。

 

日向を好む・日陰を好むという特徴では、下記の3つに分かれます。

  • 陽性植物:一日中日当たりが良い場所でよく育つ
  • 半陰性植物:半日程度の日当たりでよく育つ
  • 陰性植物:日陰を好み、直射日光がなくてもよく育つ

 

ソーラーシェアリングでは、ソーラーパネルの影が地面にかかってしまうため、半陰性植物または陰性植物が向いているでしょう。

 

たとえば半陰性植物なら、いちご、ほうれん草、小松菜、かぶ、ジャガイモ、アスパラガスなど、陰性植物ではにら、みょうが、しそ、みつばなどです。

 

ソーラーパネルによる影が全体の30%程度なら、陽性植物の栽培に支障はないといわれており、一般社団法人全国営農型発電協会が発表した大規模事例では、カボチャ、お茶、稲作なども見られます。

 

お茶は、あえて日差しを遮ることで甘みが増し、おいしくなるようです。

 

 

ソーラーシェアリングの注意点やリスクとは

ソーラーシェアリングのイメージ

「農地法」という法律により、農地には農業に必要な建物しか建てられないことになっています。

農地に太陽光発電設備を設置するには「一時転用許可」を申請し、許可を受けなくてはいけません。

条件によって10年に1回、または3年に1回の申請が必要です。

申請が受理されなければ、設備は撤去、売電も中止となってしまいます。

 

ソーラーシェアリングを始めるには設備工事費など初期費用も大きくかかるため、収益計画は20年の長期計画を立てていることがほとんどです。

許可が下りずに、途中でソーラーシェアリングを中止せざるを得ない場合、大きな損失が残ってしまうリスクがあります。

 

また、ソーラーシェアリングでは太陽光発電に注目が行きがちですが、農業がおろそかになってもいけません。

太陽光発電システムの支柱やパネルが農作業の邪魔にならないよう、計画的に設置する必要があるでしょう。

 

ソーラーシェアリングのメリットやデメリット、注意点など、詳しくは「ソーラーシェアリングの失敗を避けるためにはデメリットやリスクを知ることが大切」でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

 

ソーラーシェアリングでは日陰を好む作物が向いている

農業と太陽光発電を両立させるソーラーシェアリング。

日当たりの良い農地を有効活用でき、農業収入以外の収入源を確保できるメリットがあります。

 

農地にはソーラーパネルの影がさすので、日陰を好む陰性植物や半陰性植物の栽培が向いています。

いちごやほうれん草、小松菜、みょうが、しそ、みつばなどたくさんの植物が該当。

ソーラーパネルの設置場所や数によっては陽性植物の栽培事例もあり、影が30%以下ならほとんどの作物の栽培に影響がないと言われています。

 

ソーラーシェアリングでは、さまざまな作物を栽培が可能ですので、ぜひ検討してみてください。

 

ソーラーシェアリングを含め、太陽光発電投資に関する疑問やご相談がございましたら、私たちアースコムへお気軽にお問い合わせください。

閉じる