2023.12.04
使わなくなった田んぼや農地の活用・処分方法は?
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
使わなくなった田んぼや農地の活用法にお悩みではありませんか?
「もう農業をするのは難しいけど、先祖代々受け継いだ土地だから手放すのもはばかられる…」
「相続で田んぼを手に入れたが、農業は全くの未経験だし遠方に住んでいて管理ができない…」
など、田んぼや農地をどうして良いかわからず、持て余しているケースは非常に多いです。
ただ何もせず放置していてはもったいないですよね。
また、日本では耕作放棄地が増加していることも問題になっています。
今回は使わなくなった田んぼの活用例や処分方法と、処分の際の注意点などもあわせて解説します。
使わなくなった田んぼや農地はどう活用できる?
使わなくなった田んぼや農地を売却や処分ではなく活用する方法は「農地として貸し出して活用する」か「農地以外の使い方で活用する」の2つに分けられます。
それぞれの使い方の中で、どのような活用方法があるか見ていきましょう。
農地として貸し出して活用する
「農地として活用する=農業をする」ということです。
つまり、自分では農業ができない場合に農業をその土地で行うためには「農地として貸し出す」ことになります。
この場合、賃借権設定(利用権設定)をして賃貸料を得るものと、使用貸借権設定をして無償で貸し出す方法があります。
農地として貸し出す活用方法は以下の4つです。
①知人などに個人間でやり取りをして貸す
貸し出そうと思っている田んぼの隣の土地を所有している人や、親戚・知人など、農地を探している人を見つけて、個人間のやり取りで農地を貸す方法です。
賃貸料が発生しない場合も、農業委員会を通した貸し借りをすることが農地法で定められています。
②農地中間管理機構に預ける
農地中間管理機構とは、都道府県に設置された農林水産省管轄の公的な機関で、農地集積バンクとも呼ばれます。
農地を貸したい人と借りたい人の仲立ちをする機関です。
農地中間管理機構に貸し出すメリットには、以下のようなものがあります。
<農地を貸したい人>
- 公的な機関なので安心
- 賃料が確実に支払われる
- 借り手がいなくなっても新しい借り手を探してくれる
- 賃貸契約期間後は農地が確実に返却される
<農地を借りたい人>
- ニーズに合った農地を効率よく探せる
- 新規就農でも土地が借りやすい
- 経営規模拡大につながる
双方のメリットとして、やり取りや賃料の支払い・受け取りが機構だけで完結するということが挙げられます。
③市民農園にする
農地を市民農園として一般の方に貸し出す方法です。
広大な面積の土地ではなく、それを分割して複数の人に貸せるので、借りる側のハードルも下がり、家庭菜園を楽しみたい方も利用しやすい農園です。
市民農園の開設には以下の3つのパターンがあります。
特定農地貸付法で開設
農園がある市町村農業委員会の承認を得て開設します。
農園の区画の利用者に貸し付ける形です。
農園を開設する場所は、適切な場所であれば特に定めはありません。
農地に賃借権などの権利設定をするにあたり、農地法の許可は不要です。
農園利用方式で開設
利用者に農地を貸し付けず、開設者(農業者)の農業経営の一環として農園を開設し、開設者主導で運営を進めるものです。
開設者は利用者に農業について指導をしたり、農園の管理をしたりする必要があります。
主な目的としては、農業者以外の方々のレクリエーションや、植え付け・収穫などの複数回にわたる作業体験です。
「くだもの狩り」など、体験が一度限りになるものは当てはまりません。
市民農園開設の法手続きは不要です。
市民農園整備促進法で開設
特定農地貸付法・農園利用方式による開設方法で、設置場所は市民農園区域や市街化区域に限られ、農園がある市町村の認定を受けて開設します。
農園内にトイレや駐車場を整備する場合、農地法や都市計画法の特例措置が受けられ、農地転用許可申請が不要になります。
④ソーラーシェアリング事業を行っている会社に依頼する
田や畑で農業を行いながら、そこに2m以上の高い支柱を立ててソーラーパネルを設置し、営農と太陽光発電を同時に行うことをソーラーシェアリングと言います。
耕作放棄地の解消や不安定な農家の収入をWインカムで安定させるものとして、近年国も推し進めている事業の一つです。
弊社、アースコムでも「ミライ型農業プロジェクト」と題し、耕作放棄地を利用して榊を栽培するソーラーシェアリングを進めています!
農地以外の使い方で活用する
農地を農地転用し、農地以外の用途に使う方法です。
農地以外の土地の使い方としては以下のようなものがあります。
- 駐車場
- 資材置き場
- 事業用地
- 宅地
- 高齢者向け施設
- 太陽光発電所
田んぼは平地で整えられている土地がほとんどなため、賃貸住宅や戸建てなどを建設して宅地に転用する方法は多くとられています。
農地が広がる地区は静かなため、高齢者向け施設を建設して売却・貸し出す方法も近年需要が高くおすすめです。
地域の特性を理解してニーズに合う施設であれば安定した利益が生まれるでしょう。
また、田んぼや農地は日当たりがよく広大であることが多いので、太陽光発電も良い方法といえます。
自家発電で光熱費削減にもなりますし、余った電気は電力会社へ売ることができます。
近隣に高い建物がない、日照時間が長い、周辺住民に理解があるなど、適しているか検討してみるのも良いでしょう。
使わなくなった田んぼ・農地を処分したい場合の方法は?
田んぼや農地を自身で活用しない場合は「売却する」方法が挙げられます。
田んぼ・農地のまま売却する
所有権移転となり、譲渡人は農業者に限られます。
ケースによってはいろいろな条件があるため、契約協議する前に市町村農業委員会に事前に相談しましょう。
農地中間管理機構に登録して預けたり、知り合いや周りの田んぼを所有している農家の方に声をかけたりするところから始めると良いでしょう。
田んぼ・農地以外の用途で売却する
農地以外の用途に使うため、農地転用の手続きが必要になります。
相談先は市町村役場内にある農業委員会です。
許可が下り、指令書が交付された後は不動産会社などに仲介を依頼して売却します。
市街化調整区域に該当する場合は、さらに複雑な許可が必要なため、事前に方法を確認をしておくと良いでしょう。
田んぼや農地の活用・処分前に注意点も!
田んぼや農地を処分・活用するにあたり、次の注意点を確認しておきましょう。
農業以外の用途で使う場合は農地転用が必要
売却・賃貸にかかわらず、土地が農業以外に使用される場合は農地転用の手続きが必要です。
農地転用できる農地の種類が限られている
市街地に隣接する小さな農地などは農業委員会に届出を出せば農地転用ができますが、優良な農地として認められている地区に属している場合や面積が広い農地は、都道府県知事の許可や農林水産大臣の許可が必要になります。
農地転用について、詳しくは以下のページをご覧ください。
太陽光発電を設置できる土地の地目とは?農地転用や地目変更も解説
税金面では農地のままの方がお得
土地の固定資産税は宅地よりも田や畑の方が安く設定されています。
農地転用して農地以外に十分活用できるということであれば構いませんが、需要も無いのに駐車場や資材置き場を作ってしまい、高い固定資産税を払うのは損といえます。
農地転用しても建物が建てられないことがある
建物を建てるためには「幅4m以上の道路に2m以上接する土地である」ことが絶対条件です。
この条件を満たした場合でも、ガスや水道の引き込みに多大な工事費がかかったり、地盤が軟弱であったりと、宅地に向かない可能性があります。
使わなくなった田んぼの活用方法はたくさんある
相続などで使わなくなった田んぼや畑の扱いに困っている方は多いです。
このような農地を活用する方法は、貸し出しまたは売却です。
農地としてそのまま活用するには、人に貸す、市民農園を開設する、ソーラーシェアリングを行うという方法があります。
農地以外の用途で活用するには、農地転用の手続きの後、駐車場や資材置き場として使ったり、宅地として使ったりする方法があります。
農地を転用する場合は注意点も多いので、売却や賃貸の手続き前に農業委員会等にご相談いただくことをおすすめします。
もちろん、農地を太陽光発電で利用するのもおすすめの方法です!
太陽光発電投資をサポートするアースコムでは、農地を活用した太陽光発電を行っています。
お気軽にご相談ください。