2023.09.15
分散型エネルギーとは?SDGsとの関係も解説!
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
分散型エネルギーとは、比較的小規模でさまざまな地域に分散しているエネルギーのことをいいます。
東日本大震災を契機にして、従来型の火力・原子力発電など大規模な発電施設の脆弱性が指摘されるようになり、分散型エネルギーが注目されています。
さらに、太陽光発電など再生可能エネルギーは、環境に対するメリットもあるため今後の拡大が期待されます。
今回は、この分散型エネルギーの定義や、メリット・デメリット、SDGsとの関わりについてもお伝えします。
目次
分散型エネルギーとは?現状や意義を解説!
分散型エネルギーとは、比較的小規模で地域や消費される施設に近い場所にあるエネルギーのことをいいます。
分散型エネルギーには、太陽光発電や風力発電などの発電施設のほかに、蓄電池や電気自動車、家庭用燃料電池(エネファーム)、ボイラーやヒートポンプなども含まれます。
分散型エネルギーの意義
分散型エネルギーは、国のエネルギー政策の基本的な考え方「3E+S」を実現することを目指しています。
3E+Sは、エネルギーの「安定供給(Energy Securit)」「経済効率性(Economic Efficiency)」「環境への適合(Environment)」の頭文字と、前提となる「安全性(Safety)」を表します。
分散型エネルギーを巡る日本の現状
日本のエネルギー自給率は、2019年度で12.1%となっており、ほかのOECD(経済協力開発機構)諸国とも比べて低い状況です。
2010年度は20.2%の自給率でしたが、2011年3月に起きた東日本大震災のあと、原子力発電所が止まったため、2012年度には6.7%まで下がる状況になりました。
日本のエネルギーは、石油・石炭・LNG(天然ガス)といった海外から輸入している化石燃料に大きく依存しているため、国際情勢などに左右されて、安定的に確保できないといった問題が大きくなっています。
そこで、近年では、再生可能エネルギーを中心とした分散型エネルギーが注目されるようになりました。
政府は、非常時のエネルギー供給の確保やリスク分散のためにも分散型エネルギーを進めているのです。
分散型エネルギーのメリット・デメリット
分散型エネルギーは、供給面でのメリットがある反面、デメリットもいくつかあります。
それぞれ確認していきましょう。
分散型エネルギーのメリット
分散型エネルギーのメリットとしては、次の3点が挙げられます。
- 災害時の電力の確保が可能になる
- 送電ロスを削減できる
- 再生可能エネルギーを使うことで環境への負荷が減らせる
それぞれ見ていきましょう。
災害時の電力の確保が可能になる
災害時、発電所が止まると一帯の電力供給が止まってしまいます。
分散型エネルギーは、消費地から近いところで確保しているエネルギーですので、送電などを含めても供給が止まるリスクを抑えることができます。
送電ロスを削減できる
大規模な集中型発電の場合、長距離の送電網が必要となり、距離に応じて送電ロスが発生してしまいます。
東京電力が発表している、2021年の送電ロス率は4.5%です。
分散型エネルギーは、発電スポットが需要地に隣接しているため、送電ロスが少ないこともメリットとなります。
再生可能エネルギーを使うことで環境への負荷が減らせる
分散型エネルギーは、太陽光発電や風力発電、地熱発電など再生可能エネルギー発電が使われます。
このような発電方法は、排出する二酸化炭素が少なく、環境への負荷も少ないのが特徴です。
のちほど解説するSDGsの目標実現にもつながるエネルギー源となります。
分散型エネルギーのデメリット
分散型エネルギーにもいくつかデメリットもあります。
主な2点のデメリットを紹介します。
- 初期費用がかかる
- 天候の影響を受け発電効率が悪い
初期費用がかる
太陽光発電の場合、設置する際に太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの初期費用がかかるのがデメリットといえます。
しかしながら、設置費用は年々低下傾向にあり、設置の際の要件を満たせば国や自治体の補助金制度も利用可能です。
天候の影響を受け発電効率が悪い
太陽光発電は、太陽の光によって発電するため、日照時間によって発電量が大きく変わります。
また、風力発電は当然ながら、風がないと発電がされません。
このように、再生可能エネルギーでは、天候の影響を受けやすいといったデメリットもあるのです。
分散型エネルギーとSDGsの関係
分散型エネルギーは、再生可能エネルギーを中心としたエネルギー源となるため、SDGsの目標達成のためにも大きな影響があります。
SDGsとの関係についても確認しておきましょう。
SDGsとは
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能な開発目標の略で、2015年9月に国連のサミットで採択された国際目標です。
SDGsは、2030年までに、世界中の環境問題、差別、貧困、人権問題などの課題を解決するために17の目標が制定されました。
分散型エネルギーとの関係
SDGsの目標7は、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」をテーマに、すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保するということを目標にしています。
この目標には、再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させることも含まれており、分散型エネルギーの考え方と共通しています。
さらにエネルギー効率を良くしていくことや、開発が遅れている国や、小さな島国などでも持続可能なエネルギーを使えるように設備を増やしていくことなども盛り込まれています。
分散型エネルギーを拡大していくことは、このSDGsの目標を達成することにつながります。
SDGsと太陽光発電の関係については、こちらのコラムで詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
分散型エネルギーの活用によりSDGsを促進しよう
分散型エネルギーとは比較的小規模で、消費される地域に分散したエネルギーのことを指します。
火力発電など大規模な発電施設が災害で使えなくなった場合でも、安定してエネルギーが供給できるように、政府として分散型エネルギーを推進しています。
さらに、分散型エネルギーは、太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用を進めています。
SDGs目標7の持続可能なエネルギーの供給といった目標とも共通する内容となるため、今後も継続して拡大が見込まれるエネルギーの活用方法といえるでしょう。
エネルギーの安定供給や、SDGsの目標実現のためにも、分散型エネルギーの活用を進めていきたいですね。
アースコムでは、SDGs目標達成に向けて、太陽光発電投資・環境事業投資をサポートしています。