2023.03.15
事業投資とM&Aの違いとは?投資方法の違いや成功させるポイントも
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
M&Aは事業投資の1つの方法で、企業の買収や合併により利益を生む投資です。
事業投資の中には、M&A以外にもいくつかの投資方法があり、目的や目指す効果によって選択する必要があります。
今回は、事業投資やその中に含まれるM&Aについて解説していきます。
M&Aを成功させるポイントについても紹介しますので、あわせてご確認ください。
目次
事業投資とは?M&Aとの違いはある?
M&Aとは、「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略称で、事業投資の手法の1つです。
M&Aについて解説する前に、M&Aが含まれる事業投資全般について、その概要と目的を確認しておきましょう。
事業投資とは?その概要や目的を解説
明確な定義はないものの、何かしらの事業に投資をして利益を得ることを一般的に事業投資と呼んでいます。
事業投資の方法としては、新規事業への投資や設備投資、人的投資、株式の購入、企業の買収や企業への出資、事業譲渡など、さまざまな手段があります。
事業投資の目的は、以下の3点。
- キャピタルゲインの獲得
- インカムゲインの獲得
- 既存事業とのシナジー(相乗)効果
それぞれ解説します。
事業投資の目的①キャピタルゲインの獲得
キャピタルゲインとは、保有している資産を、取得したときよりも価値が上がったときに売却して得られる売却益のことです。
キャピタルゲインを得るための資産としては、株式や不動産などのほか、金などの貴金属も当てはまります。
例えば、売却時の手数料や税金は除くという前提のもと、2,000万円で購入した土地が5,000万円で売れれば、キャピタルゲインは差額の3,000万円になります。
株式の売買によってキャピタルゲインを得る方法は個人の投資家も行いますが、企業の株式をすべて取得し、企業をある程度大きくした後に売却してキャピタルゲインを得る方法もあります。
一般的に、キャピタルゲインはインカムゲインよりも大きくなりやすいという特徴がありますが、インカムゲインは資産を保有している間は得られるものであるのに対し、キャピタルゲインは、資産の価値が下がればマイナスになる可能性もあるのが注意点です。
事業投資の目的②インカムゲインの獲得
インカムゲインとは、保有中の資産から継続して得られる利益のことで、代表的なインカムゲインとしては、不動産投資で得られる家賃や株式の配当、預貯金の利息などが該当します。
事業投資においては、企業や事業の買収で保有した資産から出る継続した利益もインカムゲインといえるでしょう。
基本的に、資産を保有している間はインカムゲインを得ることができますが、支払額の変動が起こる可能性はあります。
また、不動産投資の空室リスクや株式の配当が無配になるなど、インカムゲインが得られなくなるケースもゼロではありません。
事業投資の目的③既存事業とのシナジー(相乗)効果
事業投資の中でも、特にM&Aの目的に、投資した事業と既存事業でのシナジー(相乗)効果を上げるというものがあります。
M&Aのように、合併や買収で複数の企業が1つになるケースでは、それぞれの企業のノウハウも活かすことができます。
既存事業の販路を生かして新規事業の商品を販売することや、原材料や仕入先の共通化でコストを削減するなどさまざまなメリットを出すことが可能です。
一から企業を立ち上げるのではなく、買収することで企業が成長する時間を短縮するといった効果を得ることができます。
事業投資の目的や投資方法については、こちらのコラムで詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
事業投資・M&Aによる投資の方法は?違いも確認!
事業投資には、新規事業の立ち上げや既存事業への投資、M&Aなどがありますが、どれもメリット・デメリットがあります。
事業投資のそれぞれの投資方法の違いについても確認していきましょう。
事業投資の方法
事業投資には、大きく分けて次の3つの投資方法があります。
- 新規事業の立ち上げ
- 既存事業への投資
- M&A
それぞれ解説していきましょう。
事業投資の方法①新規事業の立ち上げ
新規事業を立ち上げ、これまでに無い利益を獲得していく事業投資です。
メリットとしては、これまでの事業と異なるため、大きく利益を生み出せる可能性があることや、既存事業とのシナジー効果が高められることがあげられます。
また、時代やニーズに合わせた事業が展開できることや、事業を多角的に展開することでリスクヘッジになるといったメリットも。
デメリットとしては、ゼロから事業を立ち上げることになるため、軌道に乗るまで時間がかかることや、多くの経営資源を投入する必要があることなどが考えられます。
また、新規で立ち上げた事業が会社の理念と合っているかといった、方向性のすり合わせも必要になります。
立ち上げる事業が確実に成功するかわからないといったリスクもあるため、十分な検討が必要です。
事業投資の方法②既存事業への投資
既存事業に対してさらに投資をすることで、規模の拡大を目指す投資方法です。
既存事業の拡大は、現在持っているノウハウを活かせるため、収益化までの時間が早くなるといったメリットがあります。
現在、軌道に乗っている事業であれば、拡大予測も立てやすいでしょう。
反面、既存事業であるため、拡大には限界があることや、新たなシナジー効果は生み出しづらいといったデメリットもあります。
また、今は時流に乗って成功していたとしても、時代の流れや社会情勢の変化によって立ち行かなくなる可能性も。
投入する資源から、どの程度のインカムゲインが得られるのかや、事業の将来性など、検討の余地があるでしょう。
事業投資の方法③M&A
M&Aは、他社が発行する株式の過半数を取得して経営権を得る「買収」や、契約で複数の会社を1つにする「合併」といった方法による投資です。
M&Aは、自社の経営基盤を拡大できることや、資金の回収スピードが早いといったことがメリットですが、企業を買い取るといった形になるため、多額の資金が必要になる点はデメリットです。
また、新しい企業の方針や雇用条件が合わないなどといった理由で、人材が流出するリスクもあります。
【自社と同業の企業をM&Aした場合のメリット・デメリット】
自社と同じ事業の企業を買収し、既存の事業を拡大する場合は、これまでのノウハウを活かし、効率的な経営が可能となります。
同業他社に対して企業力の高さを誇示できる点もメリットです。
一方、買収した企業との販路が被る場合、効率的に事業を拡大できず、余計な設備を抱えるなどのデメリットもあります。
【自社と異なる業種の企業をM&Aした場合のメリット・デメリット】
自社と異なる事業の会社を買収する場合は、ゼロから事業を立ち上げるよりも時間を短縮でき、既存事業とのシナジー効果を生み出せるなどのメリットがあります。
また、事業の多角化につながることで、リスクヘッジにもなります。
ただし、十分なノウハウが無く、うまく経営できないなどのデメリットにも注意しなければなりません。
事業投資やM&Aによる投資を成功させるポイント
ここまで事業投資やM&Aについて解説してきましたが、これらの事業投資を成功させるポイントについてもいくつか紹介していきましょう。
事業計画に基づいた投資計画を作成する
事業投資を成功させるには、事前のプランニングが非常に重要です。
自社の経営計画に基づき、事業戦略を立てて投資を行っていきます。
綿密に立てた計画があれば、実際の投資において計画とのズレが生じた場合に、経営陣が正確に差分を確認でき、投資の継続や中止の判断ができるようになります。
無理のない規模で買収する
自社とのシナジー効果が見込めると考えられる企業でも、自社の規模と比較して、大きすぎる企業を買収することはリスクが伴います。
買収される企業の規模が買収する側の規模よりも大きい場合は、買い手が経営を一方的にコントロールするのは非常に難しくなります。
自社のM&Aの経験値が上がれば、買収先の企業の規模も拡大していけるでしょう。
M&Aの専門家のアドバイスを受ける
M&Aには、経営面だけでなく、法律面についても専門的な知識が必要です。
多くのM&Aでは、外部の専門家のサポートを受けるのが一般的です。
専門家としては、M&A専門会社や、投資銀行、証券会社、経営コンサルティング会社などさまざまあります。
それ相応の報酬が発生しますが、失敗できない投資だけに専門家も入れたチームでの対応が必要です。
事業投資のリスクについては、下記のコラムで紹介していますので、あわせてご確認ください。
事業投資とM&Aの違いを理解し、成功確率を高めよう
M&Aは、事業投資の1つで、企業の買収や合併をすることで利益を得る投資方法です。
投資先企業の経営を担うリスクはありますが、新規事業と立ち上げるよりも収益化までの時間を短縮でき、既存企業とのシナジー効果を生み出せるなどメリットも多い投資といえるでしょう。
M&Aを成功させるには、事前の十分な事業計画と必要な資金の確保、専門家との連携など準備段階が非常に重要となります。
自社の事業を拡大するためには欠かせない事業投資の1つですので、十分準備をした上で進めていきましょう。
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