2023.01.25

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」課題や取り組み事例

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こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。

 

気候変動の影響で夏が異常に暑かったり、大型の台風が何度も日本に訪れたりと、わたしたちを取り巻く環境が大きく変わっています。

 

このまま地球の気温が上昇していくと、海面上昇や干ばつなどにより、世界で深刻な被害が出てしまいます。

このような中、わたしたちにできることはあるのでしょうか?

 

気候変動に対する対策として、SDGs目標13の課題や、世界での取り組みや個人でできることを確認していきましょう。

SDGs

 

 

SDGs13「気候変動に具体的な対策を」とは?

最近は毎日のようにメディアで取り上げられているSDGsですが「そもそもSDGsとは何?」というところから解説していきます。

 

SDGsとは何?

SDGsとは「持続的な開発目標(Sustainable Development Goals)」のアルファベットを略称にしたもので、2015年に国連総会で採択されました。

 

内容としては、人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標が17個の項目で定められています。

 

17の目標の中には、環境問題だけでなく、ジェンダー平等や質の高い教育など、人々が平和に暮らしていくための課題解決も含まれています。

 

目標13の内容は?

17個の目標のうち13番目の目標が「気候変動に具体的な対策を」です。

 

目標13は、現在わたしたちが直面している「気候変動」に対して具体的な対策を求めるものです。

この「気候変動」とはどんな現象でしょうか?

 

気候変動は、わたしたち人間の活動によって大気中の温室効果ガスの濃度が増加し、地球上の気候が変化することをいいます。

 

この気候変動によって、地球の温度が上昇し、熱波や干ばつ、集中豪雨、大型台風など世界中でさまざまな自然災害が発生。

また、気候変動は氷河が溶けることによって海面の上昇ももたらします。

海面上昇に加えて海岸の浸食など複数の要因が絡み、南太平洋に浮かぶ小さな島国・ツバルは海抜が高いところでも5mに満たないことから、島が沈んでしまう危機にさらされているのです。

 

目標13では、この気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じることをテーマに掲げており、具体的な対策として5つのターゲットを定めています。

 

ターゲットには、発展途上国や小さな島国など開発が遅れている国に対して2020年までに年間1,000億ドルの支援を行っていくことや、「緑の気候基金」を立ち上げることなど具体的な取り組みが示されています。

 

 

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の課題を知ろう

気候変動

目標13で求められる取り組みについて確認してきましたが、解決しなくてはならない、現在の世界的な課題や日本の課題についても確認していきましょう。

 

目標13の世界的な課題点は?

この気候変動の大きな要因の1つは、地球温暖化です。

 

わたしたちが生活している中で排出される二酸化炭素やメタン、フロンガスなどの温室効果ガスが増えることで、太陽から放出される熱の吸収が拡大し、気温が上昇しています。

 

世界では、そのような温室効果ガスの削減に取り組みが行われてきました。

有名なのが、1997年の「京都議定書」です。

当時の先進国に対して二酸化炭素などの温室効果ガスの削減目標の設定・達成を義務付けました。

 

2020年までの二酸化炭素排出量削減目標を定めた、京都議定書を引き継ぐ形で結ばれたのが、2015年の「パリ協定」です。

パリ協定では、二酸化炭素排出量を抑えるための対策を行い、地球の平均気温上昇を産業革命以前との比較で摂氏1.5度に抑えることが定められました。

 

京都議定書では、当時の先進国に対して二酸化炭素排出量削減を義務付けていたのに対し、パリ協定の対象は世界中の参加国と、対象が大きく広がりました。

 

しかし、パリ協定では削減目標を達成することまでは義務付けられておらず、二酸化炭素排出量削減には大きな課題が残っている状態といえるでしょう。

 

実際に、全世界の二酸化炭素排出量は、1997年に先進国の二酸化炭素などの削減目標などを定めた京都議定書の基準年である1990年の約205億トンから、国際エネルギー機関(IEA)の調査によると2021年は約338億トンへと増大しています。

 

また、パリ協定で各国が定めた削減目標が達成できたとしても気温が3.2度上昇すると言われており、世界の国が目標設定をやり直しながら、よりストイックな取り組みをしていくことが求められています。

 

日本での課題点

2019年の世界の二酸化炭素排出量の合計は約335億トン。

国別では、中国、アメリカ、インド、ロシアの順で多く、日本は第5位となっています。

 

日本でも気温の上昇は大きな課題となっており、気象庁の観測データによると、1910年〜1939年の30年間における猛暑日(最高気温35度以上)の平均年間日数が0.8日だったのに対し、1992年〜2021年の30年間における猛暑日の平均日数は約2.5日となり約3.3倍に増加しています。

 

熱中症の原因ともなる気温上昇に対して、二酸化炭素の排出量が世界的にも多い日本は、率先して削減に務めなくてはなりません。

 

日本は東日本大震災以降、原子力発電所の稼働を止めたことで、2011年以降2013年まで火力発電による二酸化炭素排出量が増加。

しかし、再生可能エネルギーを利用した発電や低炭素化が進んだことで、2014年以降は減少する年も見られました。

ただし、近年は新型コロナウイルス感染症感染拡大以降の経済復興の流れで、二酸化炭素排出量は再び増加に転じるなどの課題も。

 

今後も、経済活動を発展させながら二酸化炭素排出量削減への取り組みを平行させる必要があり、特に再生可能エネルギーによる発電の普及は喫緊の課題となっています。

 

 

SDGs目標13で具体的に気候変動を解決する取り組み事例とは?

ソーラーパネル

SDGsでは、各国に気候変動に対する取り組みを求めていますが、具体的にはどのような取り組み事例が見られるでしょうか?

 

世界の取り組みと、日本の取り組みを紹介します。

 

世界での取り組み

まずは世界での取り組み事例をご紹介します。

 

SDGs達成度ランキングで3位フィンランドの取り組み

フィンランドはSDGs達成度ランキングで2018年3位を獲得しています。

 

地方自治体も積極的にSDGsの取り組みに参加しており、エスポー市は、2年連続で「ヨーロッパで最も持続可能な都市」に選ばれています。

 

また、エスポー市を始め、ラハティ市は2025年までにカーボンニュートラルを達成、ラッペーンランタ市は世界初の再生可能エネルギー使用率100%達成を目標にしています。

 

多くの自治体が下記の取り組みを積極的におこなっています。

  • クリーンエネルギー(脱炭素・二酸化炭素排出削減)
  • サスティナビリティ(持続可能な経済)
  • サーキュラー・エコノミー(循環経済)
  • 水資源利用技術

 

アメリカのGoogleでの取り組み

世界的大企業のGoogleは、2007年からカーボンニュートラルを実現。

Googleのサービスには、サーバーの使用等に大量のエネルギーが必要であり、エネルギーを使用すれば二酸化炭素の排出も避けられません。

そのため、Googleでは2030年までに完全にカーボンフリーエネルギーでの稼働を目指しています。

 

現在は、データセンターのエネルギー効率化を進めたり、データセンターの廃棄物を計画的にリサイクルしたりしているほか、GoogleのサービスであるYouTubeにおいて気候変動を否定する主張するコンテンツへの広告掲載を禁止するなどの取り組みも行っています。

 

日本での取り組み

続いて日本での企業の主な取り組みを紹介します。

航空会社の取り組み

2020年6月に、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロ(ゼロ・エミッション)を目指すことを宣言し、取り組みを行っています。

 

具体的な取り組みとしては以下となります。

  • 持続可能な代替航空燃料の開発促進と活用
  • 省燃費機材への更新
  • 日々の運行での削減
  • 排出量取引への対応

 

バイオジェットなど代替燃料の活用や低燃費の最新機種の拡大、運行中の操作タイミングの工夫などを行って二酸化炭素排出量の削減を行うとともに、フライトで排出する二酸化炭素をオフセットするカーボン・オフセットの取り組みも行っています。

 

カーボン・オフセットやカーボンニュートラルについては、こちらのコラムでも紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

カーボンニュートラルとSDGsとの関係は?取り組み内容も解説!

 

印刷機器メーカーの取り組み

国内大手印刷機メーカーでは、脱炭素社会の実現へ向けた取り組みとして、以下の取組を行っています。

  • 脱炭素社会実現に貢献する技術開発
  • 省エネ・再エネ関連ビジネスの提供
  • 自社の事業活動における脱炭素化

 

優れた省エネ機能と使いやすさを両立したオフィス機器、太陽や照明光など再生可能エネルギーで稼働する技術革新への取り組み、グリーン電力や電気自動車の利用などさまざまな取り組みをおこなって二酸化炭素削減をおこなっています。

 

再生エネルギーの現状については、こちらのコラムでも紹介しています。

SDGsの目標7に関わる再生可能エネルギーの現状やこれからについて

 

 

SDGs目標13のために個人的にできる取り組み事例を紹介

ペットボトルリサイクル

ここまで世界各国や国内企業の取り組みを確認してきましたが、わたしたちが個人的にできる取り組みはどんなものがあるでしょうか?

 

明日から実施できる取り組みについても紹介していきます。

 

省エネ対策

地球温暖化対応としては、省エネ対策が欠かせません。

無駄な電力を使わない、排気ガスなどの温室効果ガスの削減などが主な取り組みです。

 

具体的には、以下のような取り組みを行ってみましょう。

  • クールビズ・ウォームビズなどで過度な冷暖房の使用は避ける
  • 電気のスイッチをこまめに切る、コンセントを抜く
  • 公共交通機関を使う
  • 近距離移動は車を使わず、徒歩または自転車を使う

 

3Rへの取り組み

3Rとは「リデュース(Reduce)」「リユース(Reuse)」「リサイクル(Recycle)」のことで、ゴミの排出量を削減する取り組みです。

 

使用済みの製品の再利用や、マイバック、レンタル・シェアリングなどでできるだけ多くの製品を長く使うことでゴミの排出削減につなげ、ゴミ処理にかかる二酸化炭素排出量を削減していくことができます。

 

 

一人ひとりが、SDGs目標13の気候変動に対して取り組みを行おう

SGDs目標13は、「気候変動に具体的な対策を」です。

世界では、気候変動により、気候に関するさまざまな災害や異常気象が頻発しています。

 

世界のみならず日本でも、気候変動に対する取り組みは行われているものの、大きな課題もあるのが現状。

 

気候変動というと非常に大きなことで、わたしたちの日々の生活とは遠いように感じてしまいますが、一人ひとりができることもあります。

 

SDGsの目標は世界各国に対して取り組みを求める枠組みです。

それにあわせて各国の政府や企業が目標を策定して日々と取り組みを行っています。

 

政府や企業に任せるだけだなく、わたしたちも日々できることから取り組むことが重要です。

 

アースコムでは、気候変動対策にもなる、太陽光発電投資・環境事業投資をサポートしています。

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この記事を書いた人

堀口優人 マーケティング部

広報担当として、太陽光発電所の物件情報、節税や償却などの専門知識を発信。より良いサービスを提供できるよう市場調査にも注力している。

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