2022.09.21
SDGsの目標7に関わる再生可能エネルギーの現状やこれからについて
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの石井です。
メディア等でSDGsと合わせてよく話題に出るのが、再生可能エネルギー。
どんな再生可能エネルギーがあるのかご存知でしょうか?
また、再生可能エネルギーはなんとなくわかるものの、SDGsがよくわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、SDGsと再生可能エネルギーについて解説。
そもそもSDGsとは何か、再生可能エネルギーの特徴や今後についての話、私たちができる節電や省エネについてもご紹介します。
目次
SDGsの目標7とは?再生可能エネルギーとの関連は?
SDGs(エスディジーズ)は「Sustainable Development Goals」のアルファベットの略語で、日本語では「持続可能な開発目標」といいます。
2030年までに達成を目指す世界共通の目標のことで、貧困や差別、環境破壊などの問題を解決するための目標として、2015年9月の国連サミットでSDGsが定められました。
つまり、SDGsとは「世界のみんなで問題を解決して地球を救うために国連が定めた目標」ということです。
SDGsには、問題解決のための17の目標と169のターゲットがあります。
このなかで、目標7に掲げられているのが「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」のキャッチコピーです。
具体的には「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」と提言され、以下のようなターゲットが設定されています。
- だれもが安価で安定的かつ現代的なエネルギーを使えるようにする
- 再生可能を使う方法の割合を増やす
- 今までの倍の速さでエネルギー効率を上げる
国連が2021年に実施した調査によると、世界で電力を使えない人は7億5,900万人。
日本に住む私たちはスイッチひとつで電気が使えるのが当たり前ですが、世界では約10人に1人が電気のない生活を送っています。
電気が使えず不便なばかりでなく、調理や暖房用に薪(まき)や木炭、石炭、糞(ふん)などを使わざるを得ず、大気汚染や健康被害にもつながっています。
逆に、日本のように電気を使った便利な暮らしをしている国では、エネルギーをつくるための資源が限られていることや、温室効果ガスの排出が問題になっています。
これらの課題を解決するために、具体的には以下のような方法をとることが提言されています。
- 再生可能エネルギーや化石燃料使用時の負荷低減方法の研究と、その研究や技術を普及する
- 開発途上国や小さな島国・内陸国で、すべての人が現代的で持続可能なエネルギーを使えるように設備を整える
SDGsの目標7の解決のためには、バイオマス発電や水素を使った火力発電などの新しい発電方法の研究のほか、国の自然環境を生かした再生可能エネルギーの普及が必須といえるでしょう。
再生可能エネルギーの特徴や発電方法を解説
再生可能エネルギーとは、風力や太陽光、地熱、水力、バイオマスなど、自然界に常にあるエネルギーのこと。
再生可能エネルギーは自然界にあるエネルギーを利用するため、資源が枯渇することもなく、半永久的に使えるといわれています。
再生可能エネルギーを使った発電方法をいくつか紹介します。
太陽光発電
半導体に太陽光を当てて電気を発生する現象を利用した、ソーラーパネルを使った発電方法。
メガソーラーといわれる大型のものから、工場や家庭用などのソーラーパネル、電子機器を充電できる小型のパネルなど、さまざまな場所で使われています。
使われていない広い土地を利用することが多いですが、近年では農業を行っている農地にソーラーパネルを設置し、農業と太陽光発電を両立するソーラーシェアリングも行われています。
ソーラーシェアリングについては、「ソーラーシェアリング導入の流れは?詳細や事例もわかりやすく解説!」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
水力発電
高い位置から低い位置に水を流すときに水車を回して発電機を動かす方法。
ダムは水力発電の施設として有名です。
日本のように、水資源が豊富で、かつ山地が多く起伏が激しい地形に向いている発電方法です。
風力発電
巨大な風車が風の力で回転する力を利用した方法。
山の上など風が強く吹く場所に設置されることが多いですが、近年ではさらに強い風を受けることができる海に風車を設置する洋上風力発電も増えています。
風が弱すぎても強すぎても発電できないため、発電量が安定しにくい点や、風車が回る騒音などで設置する場所を選ぶ点がデメリットです。
地熱発電
地中から取り出した蒸気でタービンを回して発電する方法。
火山活動が活発な場所である地熱地域で、マグマの熱を利用して発電します。
日本では地熱地域の分布から、地熱発電所は九州や東北に集中しています。
昼夜を問わず発電できる点がメリットです。
バイオマス発電
動植物から作り出される再生可能な生物資源をバイオマスといい、生物資源を燃やしたり、ガス化したりして発電する方法をバイオマス発電といいます。
間伐材や可燃ごみ、家畜の糞尿などが利用されます。
植物は栽培することで繰り返し再生するため、再生可能エネルギーに位置付けられています。
SDGsの課題に向けて再生可能エネルギーの現状とこれから
資源エネルギー庁の電力調査統計によると、2020年度の日本の発電量は、火力発電82.6%、水力発電10.0%、再生可能エネルギーによる発電5.8%、原子力発電4.4%。
日本の発電のほとんどは、火力発電に頼っていることがわかります。
火力発電はエネルギーをつくる際に、大量の二酸化炭素を発生させます。
二酸化炭素は地球温暖化の原因となる温室効果ガスのひとつ。
また、火力発電には液化天然ガスや石油、石炭が使われますが、そのほとんどを海外からの輸入に頼っており、エネルギー自給率が非常に低いという問題があります。
石油や石炭などの資源は有限であり、いずれは枯渇してしまうという課題も。
このような日本の現状を解決するため、国は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指しています。
カーボンニュートラルの具体的な取り組みとしては、以下のようなものがあります。
- 改正地球温暖化対策推進法の成立による法律への位置付け
- 次世代型太陽電池やカーボンリサイクルなどの実用化に向けた研究開発の促進
- 再生可能エネルギー使用導入のサポート
- 再生可能エネルギーの固定買取価格設定
- 環境・社会・ガバナンスに配慮している企業を重視・選別して投資するESG投資の推進
国も推進するESG投資と脱炭素の関わりについては「ESG投資と脱炭素の関わりとは?加速する脱炭素化についても解説」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
このように、国が主体となって進めている再生可能エネルギーの普及ですが、課題も抱えているのが現状です。
主な課題としては、設備導入費用の負担の大きさやそれに派生して電力料金も高くなること、発電量が時間や天候に左右されることが挙げられます。
また、大型の発電施設を建設する場合、近隣住民の理解を得るのが難しいことなども普及を阻む要因のひとつです。
SDGsのために何ができる?身近な再生可能エネルギーも知ろう
再生可能エネルギーの活用には課題が残されている現状がありますが、私たち一人ひとりができることもたくさんあります。
節電・省エネなくらしを心がける
無駄な電力はなるべく使わないように節電をしたり、製品を選ぶときにはより省エネのものを選んだりするなど、エネルギーの使い方を変えてみましょう。
二酸化炭素の排出を抑える
距離が近い場合は車ではなく自転車を使ったり、歩いたりするなど、二酸化炭素を減らすことを意識しましょう。
車を使う場合はアイドリングストップをするなどエコドライブを心がけたり、駅までは車を使う。
駅からは電車など公共交通機関を使うといったパークアンドライド方式にしたりすることで、二酸化炭素の排出量削減につながります。
クリーンな電力を選ぶ
再生可能エネルギーを積極的に選べる電力プランがある電力会社もあります。
電力会社によって内容は異なりますが、ポイントのキャッシュバックがあったり、家庭だけでなく企業向けのプランもあったりと、さまざまなプランが増えています。
私たちがSDGsのためにできることとして紹介したものはごく一部です。
他にもたくさんあるので、サステナブルなくらしを実現するために、できることを少しずつでもやっていきましょう!
「SDGsと二酸化炭素削減の関わりとは?現状や取り組み事例も紹介」でも取り組みなどについて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
SDGs達成のためには再生可能エネルギーの普及は必須
SDGsとは、国連が定めた「持続可能な開発目標」のことで、2030年までに達成すべき目標が提言されています。
このなかでも目標7はエネルギー問題について触れられており、持続可能なクリーンなエネルギーを世界中の国の人が安定的に安価に電気が使えることが目標です。
再生可能エネルギーは太陽光や風力など、自然界にあるものを利用した半永久的に使えるエネルギーのことです。
日本では再生可能エネルギーを使った発電方法の開発・普及が進んでいるものの、現状としてはかなり少ないのが課題です。
国としてカーボンニュートラルに向けた取り組みを行っていますが、私たち一人一人が生活の中でエネルギーについて考え、取り組むことも大切です。
太陽光発電投資は、二酸化炭素を出さないクリーンな電力の供給に貢献できます。
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