2021.07.08

太陽光発電で営農型と農地転用型の違いとは?それぞれの特徴を比較

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こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。

 

太陽光発電を農地に設置する場合「営農型」と「農地転用型」がありますが、これらの違いをご存知でしょうか。

 

日本では農業保護政策のもと、農地を農地以外の目的で使うことを禁じられているため、太陽光発電設備を無許可で設置することはできません。

「田」や「畑」「果樹園」といった農地を農業以外の用途で使うためには、土地の地目を変更する「営農」または「農地転用」の申請が必要になります。

 

営農型と農地転用型はそれぞれ特徴とメリット・デメリットが異なるため、農地で太陽光発電を行う際は、よく比較して検討するのをオススメします。

 

そこで、今回は太陽光発電の営農型と農地転用型の違いについて。

それぞれの特徴やメリット・デメリット、どちらが良いか選ぶ基準などもあわせてお話していきます。

農地に設置

 

 

営農型と農地転用型の太陽光発電の違いを確認!まずは営農型から

営農型は、農業と太陽光発電を同時に行うという画期的な方法です。

 

農作物の収入に加えて、太陽光発電の副収入も得られるというのが特徴です。

農地転用ができない農地も、営農型であれば太陽光発電の設置が可能です。

 

営農型太陽光発電は、ソーラーシェアリングとも呼びます。

 

営農型の仕組みは、2m以上の支柱を立てて太陽光発電設備を農地に設置するというもの。

田畑の上部にパネルを設置してパネル下部で営農できるので、農業と太陽光発電を同時に行うことが可能です。

 

営農型のメリット・デメリット

農地を有効活用できる営農型ですが、メリットはもちろんデメリットもあります。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

メリット①農業による二重の収益が期待できる

農業は天候に左右されやすいため、収入が不安定です。

一方、太陽光発電は日光が当たることで常に発電でき、確実に売電収入が得られます。

 

同じ土地で農業と太陽光発電の二重収益が期待できるため、リスクの分散対策にもなります。

 

メリット②土地の固定資産税が高くならない

農地転用型の場合は地目を「農地」から固定資産税が高い「宅地」に変更しなければなりません。

 

宅地に変更しても太陽光発電設備は住宅ではないため、税金の軽減措置がなく、必然的に固定資産税が高くなります。

 

一方、農業を行いながら発電を行う営農型は一時転用を行いますが、地目は農地のままでOK。

そのため、農地転用型にくらべて固定資産税が抑えられるというメリットがあります。

 

メリット③適度な日影が発生する

営農型は支柱でソーラーパネルを設置するため、パネル下部には日影が生まれます。

適度な日影は夏の暑い日でも直射日光にさらされ続けることがないため、農作業の効率アップが期待できます。

 

また、農作物によっては適度な日陰を好むものもあるので、農作物によっては収穫量を増やせる可能性もありますよ。

 

 

デメリット①定期的に一時転用許可の手続きを行う必要がある

営農型太陽光発電を行う際には、農地の一時転用許可が必要です。

 

一時転用許可にはいくつかの条件があり、条件を満たす場合は10年に1回申請を行います。

しかし、条件を満たさない場合は3年に1回の申請が必要となり、手間がかかるといるデメリットがあります。

 

なお、一時転用は「営農が行われていること」が前提条件ですので、条件を満たしていないと判断された場合、売電は中止となり設備は撤去しなければなりません。

 

デメリット②農業と太陽光発電の長期的な運用計画を立てる必要がある

太陽光発電の固定価格買取期間は20年です。

通常の野立ての太陽光発電であれば、買取期間終了後に中古に出すことも可能ですが、営農型は農地があるため中古として売り出すことが困難です。

 

太陽光発電設備は寿命が長いため、20年間も農業と太陽光発電を並行して続けていけそうか、長期的な運用計画を立てる必要があります。

 

デメリット③金融機関の融資が下りにくい

先述の通り、営農型には「一時転用許可が必要」「長期の並行運用が難しい」というデメリットに加え、初期費用の回収に時間がかかるという理由から、金融機関は「営農型は長期的に安定して収入を得るにはリスクが高い」と考えます。

 

そのため金融機関の融資が下りにくい傾向にあります。

 

融資を得るためには、農業の収益をしっかりと確保できていることが重要なのです。

 

営農型について、詳しくは「ソーラーシェアリングのメリットとは?手続き方法や費用を解説」をチェックしてください。

 

農地転用型の太陽光発電の特徴は?

耕作放棄地など、農地であるにも関わらず利用されていない土地全てを使って太陽光発電を行うのが農地転用型です。

 

営農型は一つの農地で農業と太陽光発電を両方運用するものですが、農地転用型は農業を行わない土地に太陽光発電設備を設置します。

 

農地転用型のメリットとデメリットを見ていきましょう。

 

農地転用型のメリット・デメリット

メリット①豊富な発電量を期待できる

農地は日当たりが非常に良く、敷地面積が広いため、多くのソーラーパネルを敷き詰めれば、豊富な発電量を期待できます。

 

そのため、再生可能エネルギーで発電した電力を一定期間、固定価格で電力会社が買い取ることを義務付けた「固定価格買取制度」を利用すれば、より安定した収益が得られるでしょう。

 

メリット②利用されていない農地を有効活用できる

現在、農家の高齢化や後継者不足などにより耕作放棄地が増加しており、その対策としても農地転用型は適しています。

 

耕作放棄地でも固定資産税は発生するため、土地を利用せず放置しておくことは非常に非効率と言えます。

 

利用されていない農地を何もせず放置するのではなく、農地転用型の太陽光発電として利用することができれば収入を得ることができます。

 

メリット③手続きの軽減措置を利用できる場合がある

農地転用の手続きは審査が厳しく非常に時間がかかるため、市町村によっては太陽光発電など次世代エネルギーを利用目的とした農地転用の場合は、軽減措置を認めるというケースもあります。

 

軽減措置を利用すれば、手続きも簡略化できますよ。

まずは各市町村に問い合わせて確認してみましょう。

 

 

デメリット①設置費用が通常の太陽光発電より高額になる

農地に太陽光発電を設置する場合、他の地目にくらべて設置費用が高額になる傾向にあります。

 

農地は土が柔らかく土台が不安定なので、太陽光発電を設置できない可能性があります。

その場合は地盤改良工事が必要となり、費用が発生します。

 

また、農地に設置する際は地面から高い場所に設置が必要など、一般の架台や支柱は使用できないため、一般的な設置費用より高額になります。

 

デメリット②定期的な報告・調査が必要になる

農地にソーラーパネルを設置すると、周辺の農地に影響を及ぼしていないか、農作物の生産状況を毎年報告する必要があります。

 

そして、定期的な調査や審査も受ける必要もあるなど、さまざまな手続きが発生します。

 

農地転用型について、さらに詳しくは「太陽光発電を農地転用で設置!そのメリットや手続き方法」をチェックしてみてください。

 

 

太陽光発電は農地転用型か営農型か、決めるポイントとは

太陽光発電の農地転用型と営農型は、それぞれ比較した際に勝るポイントがあります。

 

農地転用型は、農地一面に太陽光発電装置を敷き詰められるので、営農型よりも太陽光発電の収入を期待できます。

 

一方、営農型は太陽光発電の収益は農地転用型よりも少ないですが、農業と太陽光発電の二重収益が期待できるという大きなメリットがあります。

また、リスク分散対策にもなるため、安定した収入を期待できますよ。

 

どちらの方法で太陽光発電を設置するか決めるには、次の2点がポイントとなります。

 

ポイント①農業を続けたいか

ポイント②その農地は農地転用できるか

 

農業を続けたいのであれば、農業と太陽光発電を両立できる「営農型」になります。

また、農業はやめるけれど農地転用許可が下りなかった場合は、農業を他の人に任せて「営農型」を選択するという方法があります。

 

一方、農業ははやめたいと考えており、農地転用許可が下りた場合は「農地転用型」になります。

 

どちらにしても、長期的な計画を立てた上でしっかり検討しましょう。

 

 

太陽光発電の営農型と農地転用型の違いを知って、自分に合う方法を

「田」や「畑」「果樹園」といった農地を農業以外の用途で使うためには、土地の地目を変更する「営農」または「農地転用」の申請が必要になります。

もちろん、太陽光発電を行う際にも必要です。

 

営農型は農業と太陽光発電を同時に行うという画期的な方法。

農作物の収入に加えて、太陽光発電の副収入も得られるというのが特徴です。

 

一方、農地転用型は耕作放棄地など、農地であるにも関わらず利用されていない土地全てを使って太陽光発電を行う方法です。

農地転用型であれば、敷地いっぱいにソーラーパネルを敷き詰められるので、多くの売電収入を期待できるでしょう。

 

どちらの方法で太陽光発電を設置するか決めるには、「農業を続けたいか」「その農地は農地転用できるか」がポイントになります。

 

それぞれメリットとデメリットもありますので、長期的な計画を立てた上で検討するのが賢明でしょう。

 

太陽光発電投資ならアースコムにお気軽にご相談くださいね!

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この記事を書いた人

堀口優人マーケティング部

広報担当として、太陽光発電所の物件情報、節税や償却などの専門知識を発信。より良いサービスを提供できるよう市場調査にも注力 している。

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