2023.12.04
太陽光発電投資にかかる税金は?計算方法から軽減や還付まで解説
こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの堀口です。
太陽光発電投資では、実はさまざまな税金がかかります。
太陽光発電設備の規模や、給与所得者・法人・個人事業主であるかで、かかる税金も異なります。
今回は太陽光発電投資にかかる税金について、その種類と計算方法を解説。
税金の軽減措置や還付措置についてもご紹介します。
目次
太陽光発電投資でかかる税金について詳しく解説
太陽光発電投資でかかる税金は「所得税(法人税)」「住民税」「固定資産税」「消費税」の4つです。
ただし、すべての税金がかかるわけはなく、太陽光発電設備の規模や売電収入額によってかかる税金は異なります。
それぞれの税金について、法人や個人事業主の場合と、給与所得者の場合とに分けて解説します。
所得税(法人税)
売電収入は所得になるため、所得税がかかります。
<法人や個人事業主>
売電収入が1円でもあれば「事業所得」となり、課税対象です。
法人は法人税、個人事業主は所得税となります。
太陽光発電設備は償却資産となり、法定耐用年数である17年にわたって導入費用を経費として計上できる減価償却が可能です。
計算式
事業所得=総収入額-必要経費
必要経費には、メンテナンス費用や固定資産税などが含まれます。
法人税の計算については、以下のコラムで詳しく解説しております。ぜひご参照ください。
<給与所得者>
給与所得者の場合、給与以外に売電収入を含めた収入が20万円以上あるときには、会社の年末調整とは別に確定申告をして所得額を申告します。
一般家庭に多い4kWの太陽光発電の余剰売電では、年間20万円以上の売電収入になることは少ないため確定申告は不要なケースが多いですが、他に副業などで収入がある場合は合算すると20万円を超えてしまうことがあります。
売電収入-必要経費で計算し、20万円(年間)であるか確認しましょう。
売電収入以外にも給与とは別の収入がある場合は合算してください。
必要経費には、初期費用やメンテナンス費用、修繕費などが含まれます。
住民税
1月1日時点に住民票のあった市町村に、前年度に所得があった人は金額にかかわらず、住民税を納める義務があります。
住民税は、市町村民税と道府県民税のことです。
法人や個人事業主の場合は住民税の納付は不要です。
住民税は、以下の二種類を合算して計算します。
- 均等割…所得金額に左右されず、税率は一律で10%(市町村民税6%+道府県民税4%)
- 所得割…所得金額によって決まる
給与所得者の場合、給与支払い先に申し出れば計算をしてもらえ、給与から天引きされます。
固定資産税
動かせない資産に対して課税される固定資産税は、課税されるケースとされないケースがあります。
計算式
固定資産税=固定資産評価額×1.4%
<法人や個人事業主>
事業用の償却資産となるため、発電出力にかかわらず、固定資産の課税対象となります。
太陽光発電設備のほか、野立ての発電所の場合は土地にも固定資産税がかかります。
<給与所得者>
発電容量10kW未満の太陽光発電設備には固定資産税はかかりません。
ただし、屋根とソーラーパネルが一体化しており、家の建材として使用されている場合は課税対象となります。
給与所得者の場合でも、発電容量が10kW以上の太陽光発電設備であれば事業性が高いとみなされ、課税の対象となります。
消費税
FIT制度による売電価格は、10kW未満は税込み、10kW以上は税抜き価格となっています。
そのため、基本的には10kW以上の太陽光発電設備がある場合は発電事業者とみなされ、10%の消費税を納付する義務が発生します。
事業者の扱いには、課税事業者と免税事業者の2パターンがあります。
課税売上高が税抜1,000万円以上→課税事業者
課税売上高が税抜1,000万円未満→免税事業者
免税事業者は、売電収入が1,000万円未満の場合、消費税は納めずに収入として良いとされています。
ただし、この後にご紹介する消費税還付は受けることができません。
太陽光発電の売電収入にかかる消費税については簡易課税制度を利用することも可能です。
詳しくは「太陽光発電で売電収入を得る際の消費税の簡易課税制度とは?」もご覧ください。
太陽光発電投資で支払う税金の軽減措置や還付についても知っておこう
太陽光発電投資で支払う税金のうち「固定資産税」と「消費税」は軽減措置や還付を受けることができるので、覚えておきましょう。
固定資産税の軽減措置
再生可能エネルギー発電設備を取得した事業者に対し、固定資産税の軽減措置があります。
固定資産税が課せられることとなった年度から3年分の固定資産税に限り、課税標準を軽減するものです。
再生可能エネルギーのうち、太陽光発電設備については以下の条件を両方とも満たす必要があります。
- 再生可能エネルギー事業者支援事業費に係る補助を受けて取得したものに限る
- 固定価格買取制度の認定を受けたものを除く
軽減割合は以下のようになります。
- 1,000kW未満…3分の2(2分の1~6分の5)
- 1,000kW以上…4分の3(12分の7~12分の11)
※軽減率は、各⾃治体が⼀定の幅で独⾃に軽減率を設定できる「わがまち特例」を適⽤し、括弧内の数字の範囲内で決定できます
固定資産税の軽減措置は自治体によっても異なるため、詳しくは管轄の税務署などにお問い合わせください。
消費税の還付
10kW以上の太陽光発電を行う場合、先述した通り課税売上高が税抜1,000万円以上だと課税事業者となり、消費税の納付義務が発生します。
事業者が電力の供給を行うと、電力会社から「売電価格+消費税」の電気料金を受け取ります。
このうち消費税は一度預かった形となり、税務署へ納付しなければなりません。
税務署へ納付する消費税額は「電力を供給した際に受け取った消費税-仕入れにかかった商品の消費税」で計算できます。
太陽光発電投資では、設備の購入やメンテナンス代などがかかり、それらの購入にも消費税がかかっています。
つまり、初期投資費用が大きくなりがちな事業開始すぐや、経営がまだ軌道に乗っておらず電力の供給量が少ない場合などは、預かった消費税より支払った消費税の方が多くなります。
その場合、消費税の差額が還付される仕組みになっています。
太陽光発電投資における消費税については「太陽光発電投資の消費税還付とは?メリットや判断基準をご紹介!」で、課税事業者の条件などについても詳しく解説しております。
太陽光発電投資には税金がかかるが軽減措置や還付もある
太陽光発電では「所得税(法人税)」「住民税」「固定資産税」「消費税」などの税金がかかります。
所得税は、法人や個人事業主の場合は売電収入があれば、金額にかかわらず課税対象となります。
給与所得者の場合は給与以外の収入が太陽光発電の売電収入も含め20万円を超える場合には確定申告が必要です。
住民税は法人や個人事業主の場合はかかりませんが、給与所得者の場合は金額にかかわらず申告が必要です。
固定資産税は法人や個人事業主の場合は償却資産となるため課税対象です。
給与所得者の場合はシステム容量が10kW以上になるケースでは事業性があると判断され、課税対象になります。
10kW未満の場合でも、屋根とソーラーパネルが一体化しているものは家の一部と判断されるため、固定資産税が発生します。
消費税は10kW以上の発電所をもつ事業者に課せられますが、免税事業者であれば納税の必要はありません。課税事業者は消費税納付義務が発生しますが還付が受けられます。
その他、条件が合えば固定資産税の軽減措置を受けられる場合もあるため覚えておきましょう。
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