2022.02.21

ソーラーシェアリングの発電量はどのくらい?収益性や始め方も詳しく!

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こんにちは。太陽光発電投資をサポートするアースコムの石井です。

 

ソーラーシェアリングをご検討中の方であれば、発電量がどのくらいになるのかは気になるところですよね。

年間予想発電量がわかれば、1年間で収益がいくらくらい見込まれるか目安になります。

 

今回は、ソーラーシェアリングの導入を迷われている方に読んでいただきたい、ソーラーシェアリングの発電量や収益性、ソーラーシェアリングの始め方について解説します。

 

 

ソーラーシェアリングとは?その発電量はどれくらい?

ソーラーシェアリングとは、農地に2m以上の支柱を立ててソーラーパネルを設置し、パネル下部では農業を行いながら同じ土地を使って太陽光発電も行う発電方法で「営農型太陽光発電」とも呼ばれます。

 

農業での収益を得ながら太陽光発電の売電収入を得ることができるシステムです。

 

農地は日当たりが良い場所が多いので、太陽光発電向きの好立地と言えます。

新たに土地を取得することなく発電所が設置でき、不安定な農業収入をカバーすることもできるとあって、これからの農業のあり方を考える上でも欠かせない存在となっています。

 

ソーラーシェアリングの年間予想発電量はどう算出する?

ソーラーシェアリングでは、パネル下部の農地にも日光が当たるようにする必要があります。

そのため、パネルの設置面積は敷地全体の約3分の1程度で考え、具体的には1,000㎡の農地に対して300㎡以内にすると、下部の農地に十分日光が届く計算です。

 

農林水産省が取り組み事例として挙げている五平山農園のブルーベリー農園の場合、1,000㎡の農地でソーラーシェアリングを行う場合、49.5kWほどの容量の太陽光発電所を設置しています。

 

ソーラーパネル出力容量1kWあたりの日本の年間発電量の目安は、約1,000kWhと言われているため、49.5kWの太陽光発電所の年間予想発電量は1,000kWh×49.5kW=49,500kWhです。

 

年間予想発電量の計算式は少し難しいのですが、以下の通りです。

 

年間予想発電量(kWh/年)=設置面の1日あたりの年平均日射量(kWh/㎡/日)×損失係数×システム容量(kW)×365日÷1(標準状態における日射強度 kW/㎡)

 

※損失係数…パネルの汚れやパーツの温度上昇による出力の損失を表す数値

温度上昇による損失:約15%、パワーコンディショナーによる損失:約8%、配線・受光面の汚れなどによる損失:約7%で損失係数は約73%として計算できます。

 

簡単な方法として、年間日射量×0.85(システム出力係数/損失係数)という計算でも求めることができます。

※日本では0.85をシステム出力係数として計算することが多いです

 

地域ごとに平均日射量は異なり、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のWEB版日射量データベース閲覧システムより確認できます。

 

 

ソーラーシェアリングの収益性をチェック!

2021年度のFIT認定の買取価格は、10kW以上50kW未満の事業用太陽光発電では12円+税です。

先程の五平山農園の数値例で考えると、年間の予想売電収入は49,500kWh×12円=594,000円となります。

 

ブルーベリー農園の収益で見てみると、1,000㎡の農園で得られる農業収入(発電設備下部の農地部分)は約50万円。

売電収入と合算すると、約110万円の収益になります。

 

発電所導入にあたり初期費用が1,500万円かかったとすると、FIT期間の20年なので1年当たりは75万円の支出です。

 

1年当たりの収益で見ると支出の方が多いため、損をしてしまう印象があるかもしれませんが、ソーラーパネルの寿命は20~30年と長く、FIT制度で買取価格が決まっている20年間を過ぎた後も太陽光発電は使い続けることができ、電力会社と新たな価格で売電契約を結ぶことで売電収益も得られます。

 

また、設置面積が大きくなればなるほど、単価は低くなっていきます。

 

農業収入の面から見ると、ソーラーパネルを設置することによって適度な日陰ができ、収穫量アップにつながった事例もあります。

ソーラーシェアリングで育てられる作物は非常に多いため、相性の良い作物を見つけるのもさほど難しいことではありません。

 

 

ソーラーシェアリングの発電量の上げ方とは

ソーラーシェアリングの柱は農業です。

あくまでも太陽光発電の売電収入は+αの収益なので、通常の野立ての太陽光発電所のように土地いっぱいにソーラーパネルを敷き詰めることはできません。

 

パネル下部の農地への日照量を確保しつつ、発電量も上げるためのポイントは「パネルの向きと角度」です。

 

最も効率良く発電できるのは太陽光がソーラーパネルに直角に当たるときで、日本の場合は一般的に「南向きで傾斜角を30度」になるように取り付けるのが理想的だと言われています。

 

もともと農地は日当たりが良いので、設置角度と方角に気をつければ好条件で発電が可能になるでしょう。

 

さらにメンテナンスも行うことで、より良い環境で発電ができ、発電量アップにつながります。

ソーラーシェアリングのメンテナンスについては「ソーラーシェアリングのメンテナンス方法は?費用面や傾向も」をご覧ください。

 

 

ソーラーシェアリングの始め方も知っておこう

ソーラーシェアリングでは、パネルを載せる支柱を設置する土地部分について、農地法における一時転用許可を取る必要があります。

 

一時転用許可申請は設置場所を管轄する農業委員会です。

 

ソーラーシェアリングをするための一時転用許可申請では、営農計画書などソーラーシェアリングならではの書類も用意しなければなりません。

 

手続き方法や準備する書類については、以下のコラムで詳しく解説しておりますので、ご参照ください。

ソーラーシェアリングのメリットとは?手続き方法や費用を解説

ソーラーシェアリングの設置条件は?一時転用許可期間の延長条件も

ソーラーシェアリングの一時転用で必要な意見書を解説!

ソーラーシェアリングの申請手続きを詳しく!営農計画書の内容も

 

 

ソーラーシェアリングの発電量が上がれば全体の収益アップにつながる

ソーラーシェアリングは、農業を行いながら同じ土地を使って太陽光発電を行う発電方法です。

農業収入に加えて売電収入も得ることができます。

 

パネル下部の農地にも日光が当たる必要があるため、ソーラーシェアリングではパネルが設置できるのは敷地全体の約3分の1程度と言われています。

 

年間予想発電量(kWh/年)は、簡単な方法として年間日射量×0.85(システム出力係数/損失係数)という計算で求めることができます。

※日本では0.85をシステム出力係数として計算することが多いです。

 

初期費用がかかるため1年当たりの支出も多くなりますが、太陽光発電は寿命が長いため、長期のスパンで収支を考えてみられてはいかがでしょうか。

 

ソーラーシェアリングで発電量を上げるためには、パネルを「南向きで傾斜角を30度」で設置するのが理想的です。

 

農地は日当たりが良いので、太陽光発電にとって好立地。

 

メンテナンスも行うことで、さらに良い状態で発電ができるようになるでしょう。

 

アースコムでは福島の耕作放棄地を利用し、ソーラーシェアリングで太陽光発電投資を行った事例もあります。

日本の農業を担う新たな取り組みとしてメディアでもご紹介いただきました。

 

太陽光発電投資や環境事業投資にご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

石井錬 マーケティング部

メルマガの配信など広告担当の役割をしつつ、シミュレーションなど営業ツールの作成を担当している。

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